本: 2008年3月アーカイブ

イーグル

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最近ちょっと下火になってきたものの、それでも久々に盛り上がっているアメリカの民主党大統領候補指名争いですが、オバマvsヒラリーは色々な意味で興味深い戦いです。そこで、大統領選挙の仕組みを勉強しなおすという名目で・・・・  というよりは、かわぐちかいじの作品で読んでいないものがけっこ~あるなぁということで丁度良い機会であったことから、日系三世のヤマオカが大統領選挙を戦う「イーグル」を読んでみました。既に完結してあるところや、全11巻と手ごろな長さなのも良いです。

典型的なかわぐちかいじの作品で、強烈なカリスマをもった男が野望に向けてまっしぐら。数あるトラブルも幕僚たちが総力をあげて叩き潰し、グランドフィナーレに至るというシナリオ自体はありきたりの作品なのですが、かわぐちかいじが描くと妙に熱く、そして漢臭くなるから不思議です。
この作品は特に名作というわけでは無いと思いますが、内容が重くも不快でも無いだけにざっくり読むには手ごろな作品だと思います。

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日経新聞の私の履歴書のグリーンスパン元FRB議長編を読んで、さすがに尋常ではない人生をおくっていらっしゃると力いっぱい感嘆したことから、さらにディティールに興味が湧き久々にハードカバーの本を買ってしまいました。それも上下2冊・・・

とはいえ、この本は普通の自伝でありながら、下巻では世界経済の未来を提言するなど普通の自伝とはまた違った趣があり、そもそもグリーンスパン元議長の人生が良い意味の変人街道まっしぐらなので読み物として非常に面白いです。自分では特別な才能は無いと評していますが、一日中、いっけんなんの脈略のも無い統計の本を読み漁るような真似ができる段階でかなり常軌を逸しています。そんなこんなでいまだ波乱万丈の人生をおくっているグリーンスパンさんですが、そういう人物が自然と社会の中で大きな役割を担うようになるあたりが、なんだかんだといいながらアメリカと言う国の強さなように思えます。
一見すると、ビジネスブックのように固いイメージがあるかもしれませんが、内容は経済の話ばかりではなく(経済に関連する話が多いのは当たり前ですが)知識がほとんど無くても十分理解できるものであり、未来のCivシリーズでは間違いなく偉大な商人として出てくるであろう人物の深い思索に満ちた人生のお話は、あまり経済に興味が無くても楽しめるはずです。
あと数年もすればブックオフで安く手に入れることができるでしょうし、図書館にも恐らく並ぶことになるとおもいますので、あまり焦って読む必要は無いかもしれませんが、一方でやはり経済モノの本である以上、鮮度や旬の時期というものがあるので、やはり楽しく読むならなるべく早い方が良いでしょう。

GUNSLINGER GIRL

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最近よくあるパターンのコミックだと思いしばらく放置していたのですが、何の気なしに読んでみたら意外と深い内容の作品でした。現在も連載中らしいので、今後も楽しみな作品です。

美少女、ガンアクション、と聞いたときはダメだこりゃと瞬時に思ったのですが、そういう偏見こそ私自身が忌んでいたわけで、心を入れ替えるという意味で最初は手に取りました。ジョゼ&ヘンリエッタからはじまる冒頭の話は、あーぁ、やっぱりこんな感じなのねと残念な感触であったものの、ヒルシャー&トリエラの微妙な距離感や、ラバロとクラエスの訓練エピソードとその後などでちょっと面白くなってきたところでマルコー&アンジェリカの義体の寿命の話でさらに深みが増し、そして私の心を鷲摑みのサンドロ&ペトラですっかりファンになりました。サンドロはかっちょええです。アレッサンドロという名前の愛称がアレックスではなくてサンドロなのもポイントが高いです。
ピノッキオ編などアクションが多いときもありますが、基本的には人間関係が主筋の作品で、意外なほど暗澹とした話が多く、そこらの萌えコミックと同列に並べたのは明らかに私の誤りでした。この作品はサクサク人死にが出るしグロもアリだし、ドラッグ漬けの子供を洗脳&肉体改造して危険な現場に放り込むという基本的な倫理観に抵触する行為がまずありきという作品なので誰にでもオススメと言うわけでは無いのですが、ちょっとクサいくらいの人間模様がとてもイイです。高評価です。

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ダ・ヴィンチで連載されているテレプシコーラの第一部を一気に読んでみました。ダ・ヴィンチは欠かさず読んでいたわけ(むしろ読み逃し方のが多いくらい)ではないので、ほぼ予備知識無しだったのですが、通して読んで文句無しにおもしろかったです。

山岸涼子さんの作画は好みの分かれるところではありますが、作画が好みじゃないというだけでスルーするには惜しい作品であり、また、ネタバレするとおもしろさが減ってしまうので残りは追記で!

ARIA

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癒しを求めて三千里、極めて月並みな行動ではありますが、癒しコミックとして名高いARIAを読みました。

とても雰囲気の良い作品で、つまらない悪意や畳み掛ける不幸が無く、そういう点が癒しコミックたる由縁なのかなぁと思いましたが、一方でさわやか過ぎてちょっとついてゆけなくなる感覚もあり、良作なのは間違い無いと思う反面、大きく心を揺さぶるようなものがあまりありませんでした。
それでも、最終巻だけはぐっとくるものがありましたが、半身がダークサイドに堕ちている人間がこういうシーンを観ると、眩し過ぎて悲しい気分になってしまうこと、癒されるどころか凹んだ気分になってしまう事実は情け無い限りです(笑)

あとはあれ、アリア社長の存在は前々から知っていたのですが、まさか彼が猫だったとは・・・ ARIAを読むまで犬だとばかりおもっていました。
あとは・・・アル君はまだ良いにしても、ウッディーと暁はもうちょっとなんとかならなかったのかなぁと。特にウッディーはいらない子だと私は思います。

なんやかやと色々言っていますが、誰にでもすんなり薦めらる良作として高い評価をされているだけの威力のある作品だと思いました。灯里の強烈な未来志向を少しは見習いたいものです。

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