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今更ではありますが、私は21年来の坂本真綾さんファンです。他に贔屓にしているアーティストは数人いたのですが、そのうち2人は他界しており現状ではほぼ唯一の好きなアーティストであると言えます。
基本的に坂本真綾さんのライブツアーがあれば近所ならば確実に(この間の名古屋FCイベントは素晴らしかった!)。遠方であればツアー毎1回は観に行くのですが・・・ 幾つか心残りがあり、一つは2009年の「超時空七夕ソニック」 今となっては伝説のSSAステージであったにもかかわらず、そのうちDVDで買えばいいや~と、埼玉まで遠征するのを面倒くさがり、伝説に立ち会えなかった後悔(そしてDVDも諸処の事情により販売できないらしい)。そしてもう一つは3年前に「ダディ・ロング・レッグス」を観に行かなかった後悔、それを3年ぶり再演ということでトランプ来日で物々しい雰囲気の帝国ホテルの隣にあるシアタークリエまで遠征して観てきました!!

普段は知人が出るとか理由が無い限りあまり観劇はせず、3年前もまぁライブじゃないしミュージカルはパスかな~と、近所で公演が無かったこともありスルーしてしまいました。その後、凄まじいまでの高評価、チケット全然取れない報告などをみて、これはやらかしてしまった?と思っていたところに菊田一夫演劇賞受賞のお知らせが来て、これは七夕ソニック同様「観てない奴=負け」パターンだ、と項垂れていたところ数年、なんと3年ぶり再演決定!
FC抽選販売に応募して無事チケットを手に入れて観てきた訳ですが・・・
なんというか、素晴らしかった、本当に素晴らしい舞台でした。
あれだけの舞台をたった2名(オケ3名)で作り上げ、時間にして120分以上舞台に出っぱなし。観ている方も休憩の20分以外は息つく間もない面白さ。いままでそんなに多くの舞台を観てきた訳ではないのですが、自分史上最高の舞台であったことは確実です。
作品はコメディタッチで笑いあり感動ありの物語で、誰もが知っている「あしながおじさん」のストーリーそのままなので、もしも何年か後にまた公演があれば、今度はプレゼントに使っても良いかな?と思えるほど極めて安心して人に勧められる、そういう作品でした。

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人間、歳を重ねると物忘れが激しくなるし、体も固くなる。子供の頃にとても楽しく体験していたコンテンツを大人になって再び体験してみると、全然おもしろく無かったり、逆に記憶の中で美化されて再び感動を味わえたりすることもある。だから自分が体験したコンテンツでとても心に残ったものは記録を残し、いつかゆとりある時間を過ごせるときが来たら迷わず邂逅できるように準備をすることは私にとって有意義な行いであると思い、続けているのが当Blogの主な存在理由である。心に残ったコンテンツなら忘れるはず無いでしょ!という意見もあるかもしれないが、人間はふとした瞬間に大切なことまで簡単に忘れてしまう、脳というのは記憶媒体としてはとても不完全なものである。また齢を重ねる上で経験体験の量は膨大に膨れ上がり、記憶すべき事柄そのものが増えてくると、本当に物覚えが悪くなる。老化による性能低下という側面だけではなく、性能に対する負荷も時間が経つにつれて増えてゆくので、人々は物忘れが「激しくなる」。通常あまり使わない強い表現を用いてまで、その現象と向かい合うのではないだろうか。

などとしょうもない独り言を書き連ねておりますが、最近読んだこの作品「スピリットサークル」がとてもよかったので記録に残そうと2か月ぶりにBlogを更新した次第です。これから読む人のことを考えるとネタバレを避けるべき作品であることは自明なので作品の内容については抽象的に、その名の通り輪廻転生、魂の循環のお話である、というところに留めておきますが、全6巻というさほどでもないボリュームのコミックにしては、見事なまでに詰め込んだ、最後まで全く飽きさせない秀作でした。
冒頭の記憶の駄文は、人ひとりの人生ですら記憶があやふやになる中で、魂の輪廻があるとして、過去の人生の記憶が突然復元されたら、興味深い反面、人を人たらしめる記憶が2人分になったら、アイデンティティの維持することが難しくなり、収拾がつかないことになるんだろうななどと思った次第です。(そしてこの作品でもそのあたりに触れられてます)

最近は時間があればコミック書評で高評価されているものをツタヤのオンラインコミックレンタルで借りて読むというのがマイブーム(ちょっと古いかな・・・)なのですが、今回このスピリットサークルはあくまでオマケで、本命はかわぐちかいじの「アクター」だったのですが、こっちは冗長で最序盤以外はちっとも面白くなかったです。もう一つのマネーフットボールはぼちぼちでした。

今年は本当に可処分時間危機と言っても良いほど余暇が少なくて辛い限りなのですが、限られた時間の中で優れたコンテンツをなるべくたくさん体験できるよう工夫するに、ツタヤのオンラインサービスはなかなか便利に使えます。実はNetflixとか優良VoDにも興味深々なのですが、とりあえずはAmazonのプライムビデオですら持て余しているくらいなので、こちらはもう少し余暇が増えたら考えてみようかと思ってます。

今回はオチ無しですが、生存報告も兼ねて。

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今年の夏休みはSwitchのゼルダないしスプラ2を遊ぶつもりでいたのだが、昨今は出荷量が増えて手に入り易くなったというSwitchを私は休暇前までに購入することができなかった。いつアクセスしてもニンテンドーストアにはSold Outの文字以外見たことは無く、それならばいっそ、と半ば当てつけのようにPS4のドラクエ11をダウンロード版で購入した次第である。そのドラクエ11を先ほどエンドコンテンツも含め概ね遊び終わったので、久々にBlogに記録を残したい。
なお、若干のネタバレを含む内容となっているため、それを好まない方々はご注意あれ。

まずは先述のとおりSwitchの品薄に対する当てつけのような買い方になってしまったドラクエ11であったが、遊び終えた後の感想としては購入して良かったと思っている。そもそも駄ゲーであればエンドコンテンツまで遊ぶことはないだろうが、このドラクエ11にはエンドコンテンツまで自然に遊ばせる工夫が為されており、そもそも表ボスはドラクエ3でいうところのバラモスであると言ってしまっても差支え無いだろう。そして、最後のコンテンツまでプレイヤーを飽きさせない工夫、特にシナリオ、イベントの量や成長の速度、抽象的な表現であれば「ゲームバランス」のさじ加減が丁度良いと感じる作品であった。
ただし、このゲームバランスに関しては、サラリーマンとして働いている人間の可処分時間から見たバランスであり、正直なところ学生など時間をたっぷり使えるプレイヤーにとっては、かなりヌルいバランスである。そのヌルいバランスの一端を挙げると、

・初見のダンジョンや施設、ワールドマップや裏ダンジョンであっても、すべて正確な地図あること。

・ストーリー上重要なNPCにはキャラクタの上にピンク色のアイコンが出ており、それでも困ったら仲間コマンドで尋ねるとパーティーメンバーが具体的な手順をアドバイスしてくれることからストーリーに詰まることがほぼ無いシステム。

・エンドコンテンツをスムーズに遊べるようにする意図が在ってか、終盤のレベリングが非常に楽。レベル65くらいから99まで小一時間でパワーレベリング可能。

・ボス戦前には概ね毎回回復ポイントがあり、オートセーブも行われるので全滅のリスクが無い。

はっきり言うとヌルゲーである。しかし、ドラクエ11は難しいゲームをクリアする達成感を得るためのゲームではなく物語を読ませる、体験させる作品であり、ヌルゲーバランスがストーリーのスピード感に繋がり、退屈する前にすぐ次のイベントに移ることができ、シンボルエンカウント制なのでストーリーを進めたいときは戦闘をかなりの部分抑制できる、そこらへんのバランスのとり方が優れていたというのが私のドラクエ11のゲーム部分に対する感想である。


ストーリーは王道のドラクエであり、ロト3部作に準じた構成であった。ただのオマージュと言うにはいささかどうなんだろうと思ってしまうほどの表現が多々あり、ロト3部作、特にドラクエ3をただのRPGではなく、エポックメイキングな作品と評価し、いまだに状況を説明するときにドラクエ3を例に、「今の進捗はドラクエ3でいうなら2回目のカンダタ倒して船をゲットしたあたり」とか言ってしまう世代の人間にとっては、ほぼ確実に刺さる作品ではないかと思う。今作のサブタイトルである「過ぎ去りし時を求めて」というのは、本編のストーリーだけではなくドラクエというコンテンツが国民的な盛り上がりを見せていた3~5あたりの熱狂を回顧する意味であることは自明であろう。そのころを知らない若者ゲーマーにドラクエ11が受け入れられるのかという点に関しては想像がつかず、案外昔をしらなくても楽しめるのかもしれない半面、このおっさんホイホイコンテンツうぜー!みたいな受け止め方をされたとしても不思議ではない。メーカーがどのあたりの年齢層を意識して作品を作ったのかを考えると、やはり今作に関してはドラクエ全盛期を知る世代に対してではないかと思わざるを得ないストーリーであった。

ドラクエ10がMMORPGであることから久々の家庭用ドラクエである本作は、先述のとおりドラクエ全盛期を知る世代であれば楽しくあそべること請け合いである。半面、それ以降の世代が本作を受け入れられるかどうかによって、今後のドラクエの作風を左右する試金石のような作品であると私は考える。
私は最近のRPGをあまり遊んでいないので他の作品との比較はできないが、これほどまでに丁寧につくられたRPGは始めてである。エンドコンテンツまでさくさく遊べるバランスを良バランスと称えるか、物足りないヌルゲーと切り捨てるかによって評価は大きく変わるだろうが、個人的には買ってよかったと思える秀作であり、PS4を持っているのであれば、多少忙しい環境の方々でも難なくあそべるRPGとして推薦したい作品である。

そして、強烈なネタバレなのであえて一番最後に主張したいことがある。

ネルセンの試練の報酬として結婚相手がエマ一択だけなのは全くもって納得できない!最低でもセーニャとマルティナ。ちょっと厳しいかもしれないがベロニカも選択肢に入っていてやっと合格。さらに突き抜けるならば昨今の国際的な懸案たるLGBT啓蒙活動の流れを受けロウを除く3名にもチャンスがあっても良かったのではないだろうか。(私はたぶん選択しないだろうが)
さらに、セーニャの髪型変更じゃなくて、ベロニカの幼女退行の呪い解除もどこかに入れてあげないと、さすがに気の毒だと思うのは私だけなのだろうか。個人的には唯一魔法が使えない脳筋&エロ担当のマルティナを押すが、何はともあれ、もうちょっと工夫してほしいと思った数少ない点をあげて、ドラクエ11の感想を終わりたい。

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カリスマ?ニートのpha氏の著書、前作の「持たない幸福論」を読んだときには、一般人のモデルケースのような人生ではなく、持たないことによって人生の選択肢を広げるライフスタイル(の一部)に共感と憧憬を抱いたものです。そして先月新しい著書が出版されたのを、本日偶然見かけたのでKindleさんでぽちっと即買い即読みしました。

この本は持たない幸福論で語られたライフスタイルの中で、実際にpha氏はどのような生活をしているのか書き連ねた本です。前作と比べるとあまり参考になるような話もなく内容は乏しいと言わざるを得ないのですが、私自身と同年代で私のあこがれるニート生活をしているpha氏の日常に個人的には並々ならぬ興味があるため、私はそこそこ楽しく読めました。
特に、サウナにはまった動機がほぼ私と同じであったり、旅行に行っても観光地はあまり巡らず市中の日常に興味を抱いたり、ローコストで生活の質を高める試みに熱心であったりする様は、まさに自分と重なるようで、とても強い共感があります。
この本はたぶん、前作にくらべて面白いと感じる対象読者がさらに絞られており、あまり大した意味もない日常の下りは退屈と感じるひとの方が多いのではないかと思います。個人的にも「持たない幸福論」のように他人に勧める気にはなれませんが、無職になってだらだら日常を過ごしたいと思っている人は、実際にそうやっている人の生活の一部を覗いてみるつもりで読むのはアリかなと思わないでもありません。

Fate Grand Order

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ここ数年の決算期はほぼ毎年、自分史上最悪の労働環境が更新され続けているのですが、今年も多分に漏れず5月の連休までほぼ働き通しなスケジュールの消化真っ最中です。
そんな中、何を思ったか去年末に妙なほど盛り上がっていてちょっとだけ興味のあったFGOを今年のお正月休みからお試しで遊んでいたところ、今では毎日の憩いの時間を無理なく作り出してくれる良アプリとして楽しく利用させてもらってます。(いまだ無課金なので、若干の遠慮がありますが)
そもそも、PC版 Fate SN、とってつけたような18禁作品がリアルタイム世代である私にとって、FGOはハマる要素満点であったはずなのですが、実は事前アカウント登録の段階でWebページの不具合かメールが届かず、ゲームが稼働しはじめてもバグと不具合と酷いガチャシステムの話題ばかりタイムラインに流れてくるのでこれはもう、スルーで良いな!と当時は思っていました。ところが、最近になってアプリも安定し、イベントも盛り上がり、最後は当時酷評していた人たちが大絶賛を始めたあたりで、ちょっと出遅れたけど2017年から参加するかなぁと、のそっと始めた訳です。
するとどうでしょう。序盤はたしかにかったるいなぁ、ストーリーもつまらんなぁ、ガチャは思ってたほど渋くないけど、育成システム面倒くさそうだなぁというあまりポジティブな印象もなかったのですが、なんだかんだと3章あたりまで遊び続けると昔のTM作品みたいな同人っぽいノリが出てきて懐かしさを感じつつそれなりに楽しくなってきて、5章からストーリーも明らかに洗練されてきた上に7章以降の怒涛の展開。確かに1-2章あたりのもっさりしたなんだかなぁという時期に比べると手のひらを返したくもなる圧倒的なクオリティの違いを目の当たりにして、最近やたらと話題になることに得心したものです。

個人的にはAPの満タン通知が来たら、仕事の手を止めてコーヒーを飲みながら長めの休憩を入れるという習慣が、ともするとずっと仕事のことだけ考えている頭をリセットしてくれる有難い仕組みとして機能しており、今では毎日欠かさず(というか、始めた日からログインしなかった日は一度もないんですけどね!)ちょこちょこと遊んでいます。
ゲームとしては有り体に言って大して面白いわけではないのですが、本当に手軽に遊べる点や、Twitterなどで流れてくる二次創作に共感を覚えたり、巌窟王やオオカミ王ロボを読み返したくなったり、スリーハンドレッドをもう一度見たくなったり、いろいろと個人的に刺さるファクターが多数存在していることから、これからもまだまだ楽しく遊んでいけそうな、明るい見通しを感じる作品です。

以前遊んでいた艦これほど拘束時間が長くない点、特に普段の周回プレイの手軽さに加え、ストーリーをじっくり楽しみたいときには時間をとって世界観を楽しむこともできる点など、その日の可処分時間の長短によって楽しみ方が変えられる点。そして面白さのコアの部分はほんの少しずつ遊んでいるだけでもしっかり楽しめる点。それらを総合したトータルバランスで優れたゲーム(というより私にとっては休憩管理+SAN値回復アプリに近い)と言えるでしょう。ゲーム内容に対しては全く目新しさを感じないのに、運営を含めた総合的なところでは非常に先進的かつ現代の時勢に正しく乗っている感があります。

2000年代初頭からは想像できないほどメディアの多様化が進んだ今日に於いては、良コンテンツというだけでは最早注目を集められない時代であり、コンテンツの消費のされ方をコントロールすることが商業的に成功するためには必要不可欠な要素のように思えます。ちょっと前までドはまりしたGame of Thronesもそうですが、リリースのタイミングやVoDの積極活用など、良コンテンツを時間と場所を選ばずに(そして消費する時間は個人の選択の余地が多い)楽しめる環境づくりこそが、今の娯楽メディアに求められているものなのかもしれません。

ゲームといえば、ゲーム史に残る勢いで大絶賛されているゼルダをさっさと仕事を片付けて連休中遊び倒したい気持ちでいっぱいなのですが、FGOは当分私のスマホの中で私のストレスが爆発しないように適度な憩いを与え続けてくれる、素晴らしいアプリとしてまだまだ活躍してくれることでしょう。

  

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