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今年の夏休みはSwitchのゼルダないしスプラ2を遊ぶつもりでいたのだが、昨今は出荷量が増えて手に入り易くなったというSwitchを私は休暇前までに購入することができなかった。いつアクセスしてもニンテンドーストアにはSold Outの文字以外見たことは無く、それならばいっそ、と半ば当てつけのようにPS4のドラクエ11をダウンロード版で購入した次第である。そのドラクエ11を先ほどエンドコンテンツも含め概ね遊び終わったので、久々にBlogに記録を残したい。
なお、若干のネタバレを含む内容となっているため、それを好まない方々はご注意あれ。

まずは先述のとおりSwitchの品薄に対する当てつけのような買い方になってしまったドラクエ11であったが、遊び終えた後の感想としては購入して良かったと思っている。そもそも駄ゲーであればエンドコンテンツまで遊ぶことはないだろうが、このドラクエ11にはエンドコンテンツまで自然に遊ばせる工夫が為されており、そもそも表ボスはドラクエ3でいうところのバラモスであると言ってしまっても差支え無いだろう。そして、最後のコンテンツまでプレイヤーを飽きさせない工夫、特にシナリオ、イベントの量や成長の速度、抽象的な表現であれば「ゲームバランス」のさじ加減が丁度良いと感じる作品であった。
ただし、このゲームバランスに関しては、サラリーマンとして働いている人間の可処分時間から見たバランスであり、正直なところ学生など時間をたっぷり使えるプレイヤーにとっては、かなりヌルいバランスである。そのヌルいバランスの一端を挙げると、

・初見のダンジョンや施設、ワールドマップや裏ダンジョンであっても、すべて正確な地図あること。

・ストーリー上重要なNPCにはキャラクタの上にピンク色のアイコンが出ており、それでも困ったら仲間コマンドで尋ねるとパーティーメンバーが具体的な手順をアドバイスしてくれることからストーリーに詰まることがほぼ無いシステム。

・エンドコンテンツをスムーズに遊べるようにする意図が在ってか、終盤のレベリングが非常に楽。レベル65くらいから99まで小一時間でパワーレベリング可能。

・ボス戦前には概ね毎回回復ポイントがあり、オートセーブも行われるので全滅のリスクが無い。

はっきり言うとヌルゲーである。しかし、ドラクエ11は難しいゲームをクリアする達成感を得るためのゲームではなく物語を読ませる、体験させる作品であり、ヌルゲーバランスがストーリーのスピード感に繋がり、退屈する前にすぐ次のイベントに移ることができ、シンボルエンカウント制なのでストーリーを進めたいときは戦闘をかなりの部分抑制できる、そこらへんのバランスのとり方が優れていたというのが私のドラクエ11のゲーム部分に対する感想である。


ストーリーは王道のドラクエであり、ロト3部作に準じた構成であった。ただのオマージュと言うにはいささかどうなんだろうと思ってしまうほどの表現が多々あり、ロト3部作、特にドラクエ3をただのRPGではなく、エポックメイキングな作品と評価し、いまだに状況を説明するときにドラクエ3を例に、「今の進捗はドラクエ3でいうなら2回目のカンダタ倒して船をゲットしたあたり」とか言ってしまう世代の人間にとっては、ほぼ確実に刺さる作品ではないかと思う。今作のサブタイトルである「過ぎ去りし時を求めて」というのは、本編のストーリーだけではなくドラクエというコンテンツが国民的な盛り上がりを見せていた3~5あたりの熱狂を回顧する意味であることは自明であろう。そのころを知らない若者ゲーマーにドラクエ11が受け入れられるのかという点に関しては想像がつかず、案外昔をしらなくても楽しめるのかもしれない半面、このおっさんホイホイコンテンツうぜー!みたいな受け止め方をされたとしても不思議ではない。メーカーがどのあたりの年齢層を意識して作品を作ったのかを考えると、やはり今作に関してはドラクエ全盛期を知る世代に対してではないかと思わざるを得ないストーリーであった。

ドラクエ10がMMORPGであることから久々の家庭用ドラクエである本作は、先述のとおりドラクエ全盛期を知る世代であれば楽しくあそべること請け合いである。半面、それ以降の世代が本作を受け入れられるかどうかによって、今後のドラクエの作風を左右する試金石のような作品であると私は考える。
私は最近のRPGをあまり遊んでいないので他の作品との比較はできないが、これほどまでに丁寧につくられたRPGは始めてである。エンドコンテンツまでさくさく遊べるバランスを良バランスと称えるか、物足りないヌルゲーと切り捨てるかによって評価は大きく変わるだろうが、個人的には買ってよかったと思える秀作であり、PS4を持っているのであれば、多少忙しい環境の方々でも難なくあそべるRPGとして推薦したい作品である。

そして、強烈なネタバレなのであえて一番最後に主張したいことがある。

ネルセンの試練の報酬として結婚相手がエマ一択だけなのは全くもって納得できない!最低でもセーニャとマルティナ。ちょっと厳しいかもしれないがベロニカも選択肢に入っていてやっと合格。さらに突き抜けるならば昨今の国際的な懸案たるLGBT啓蒙活動の流れを受けロウを除く3名にもチャンスがあっても良かったのではないだろうか。(私はたぶん選択しないだろうが)
さらに、セーニャの髪型変更じゃなくて、ベロニカの幼女退行の呪い解除もどこかに入れてあげないと、さすがに気の毒だと思うのは私だけなのだろうか。個人的には唯一魔法が使えない脳筋&エロ担当のマルティナを押すが、何はともあれ、もうちょっと工夫してほしいと思った数少ない点をあげて、ドラクエ11の感想を終わりたい。

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カリスマ?ニートのpha氏の著書、前作の「持たない幸福論」を読んだときには、一般人のモデルケースのような人生ではなく、持たないことによって人生の選択肢を広げるライフスタイル(の一部)に共感と憧憬を抱いたものです。そして先月新しい著書が出版されたのを、本日偶然見かけたのでKindleさんでぽちっと即買い即読みしました。

この本は持たない幸福論で語られたライフスタイルの中で、実際にpha氏はどのような生活をしているのか書き連ねた本です。前作と比べるとあまり参考になるような話もなく内容は乏しいと言わざるを得ないのですが、私自身と同年代で私のあこがれるニート生活をしているpha氏の日常に個人的には並々ならぬ興味があるため、私はそこそこ楽しく読めました。
特に、サウナにはまった動機がほぼ私と同じであったり、旅行に行っても観光地はあまり巡らず市中の日常に興味を抱いたり、ローコストで生活の質を高める試みに熱心であったりする様は、まさに自分と重なるようで、とても強い共感があります。
この本はたぶん、前作にくらべて面白いと感じる対象読者がさらに絞られており、あまり大した意味もない日常の下りは退屈と感じるひとの方が多いのではないかと思います。個人的にも「持たない幸福論」のように他人に勧める気にはなれませんが、無職になってだらだら日常を過ごしたいと思っている人は、実際にそうやっている人の生活の一部を覗いてみるつもりで読むのはアリかなと思わないでもありません。

Fate Grand Order

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ここ数年の決算期はほぼ毎年、自分史上最悪の労働環境が更新され続けているのですが、今年も多分に漏れず5月の連休までほぼ働き通しなスケジュールの消化真っ最中です。
そんな中、何を思ったか去年末に妙なほど盛り上がっていてちょっとだけ興味のあったFGOを今年のお正月休みからお試しで遊んでいたところ、今では毎日の憩いの時間を無理なく作り出してくれる良アプリとして楽しく利用させてもらってます。(いまだ無課金なので、若干の遠慮がありますが)
そもそも、PC版 Fate SN、とってつけたような18禁作品がリアルタイム世代である私にとって、FGOはハマる要素満点であったはずなのですが、実は事前アカウント登録の段階でWebページの不具合かメールが届かず、ゲームが稼働しはじめてもバグと不具合と酷いガチャシステムの話題ばかりタイムラインに流れてくるのでこれはもう、スルーで良いな!と当時は思っていました。ところが、最近になってアプリも安定し、イベントも盛り上がり、最後は当時酷評していた人たちが大絶賛を始めたあたりで、ちょっと出遅れたけど2017年から参加するかなぁと、のそっと始めた訳です。
するとどうでしょう。序盤はたしかにかったるいなぁ、ストーリーもつまらんなぁ、ガチャは思ってたほど渋くないけど、育成システム面倒くさそうだなぁというあまりポジティブな印象もなかったのですが、なんだかんだと3章あたりまで遊び続けると昔のTM作品みたいな同人っぽいノリが出てきて懐かしさを感じつつそれなりに楽しくなってきて、5章からストーリーも明らかに洗練されてきた上に7章以降の怒涛の展開。確かに1-2章あたりのもっさりしたなんだかなぁという時期に比べると手のひらを返したくもなる圧倒的なクオリティの違いを目の当たりにして、最近やたらと話題になることに得心したものです。

個人的にはAPの満タン通知が来たら、仕事の手を止めてコーヒーを飲みながら長めの休憩を入れるという習慣が、ともするとずっと仕事のことだけ考えている頭をリセットしてくれる有難い仕組みとして機能しており、今では毎日欠かさず(というか、始めた日からログインしなかった日は一度もないんですけどね!)ちょこちょこと遊んでいます。
ゲームとしては有り体に言って大して面白いわけではないのですが、本当に手軽に遊べる点や、Twitterなどで流れてくる二次創作に共感を覚えたり、巌窟王やオオカミ王ロボを読み返したくなったり、スリーハンドレッドをもう一度見たくなったり、いろいろと個人的に刺さるファクターが多数存在していることから、これからもまだまだ楽しく遊んでいけそうな、明るい見通しを感じる作品です。

以前遊んでいた艦これほど拘束時間が長くない点、特に普段の周回プレイの手軽さに加え、ストーリーをじっくり楽しみたいときには時間をとって世界観を楽しむこともできる点など、その日の可処分時間の長短によって楽しみ方が変えられる点。そして面白さのコアの部分はほんの少しずつ遊んでいるだけでもしっかり楽しめる点。それらを総合したトータルバランスで優れたゲーム(というより私にとっては休憩管理+SAN値回復アプリに近い)と言えるでしょう。ゲーム内容に対しては全く目新しさを感じないのに、運営を含めた総合的なところでは非常に先進的かつ現代の時勢に正しく乗っている感があります。

2000年代初頭からは想像できないほどメディアの多様化が進んだ今日に於いては、良コンテンツというだけでは最早注目を集められない時代であり、コンテンツの消費のされ方をコントロールすることが商業的に成功するためには必要不可欠な要素のように思えます。ちょっと前までドはまりしたGame of Thronesもそうですが、リリースのタイミングやVoDの積極活用など、良コンテンツを時間と場所を選ばずに(そして消費する時間は個人の選択の余地が多い)楽しめる環境づくりこそが、今の娯楽メディアに求められているものなのかもしれません。

ゲームといえば、ゲーム史に残る勢いで大絶賛されているゼルダをさっさと仕事を片付けて連休中遊び倒したい気持ちでいっぱいなのですが、FGOは当分私のスマホの中で私のストレスが爆発しないように適度な憩いを与え続けてくれる、素晴らしいアプリとしてまだまだ活躍してくれることでしょう。

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最近アニメ化されたそうで、人気作品らしい「幼女戦記」のコミック版を3巻まで読んでみました。
原作はWeb投稿小説で、ノベル版が出てコミック版がでてアニメ版が出るというほぼ完全なメディアミックスサクセスストーリーを歩んでいるこの作品、題名でなんだか萌え作品なのかなと思い、全く手を出しておりませんでした。
さすがにアニメまで放映されると、内容についてそこかしこから漏れ伝わって来る訳で、今回はTwitterのタイムラインから「骨太」とか「ライトノベルの括りだが全くもってライトじゃない」とか、萌え作品ではないらしいという情報が断片的に伝わってきて、それじゃあ...と今回手に取ってみました。

この作品、先に結論から言うと「かなりおもろい!」です。雰囲気的には、古き良き時代の「やる夫作品」みたいなテイストを感じます。(実際、作中に過去読んだやる夫作品の秀作の中の表現とかなり似た部分があるなと幾つかの部分で感じました。)
最近流行り(流行り過ぎ)の異世界モノのテイストを取り入れつつ、現代日本の知識をもったまま幼女に転生した主人公が異世界で第一次、第二次世界大戦とファンタジーテイストをミックスしたドイツっぽい国で大活躍する作品。と書くと、はやりめっちゃやる夫スレっぽいなぁと感じるのですが、ことコミック版に関しては、東條チカさんの圧倒的作画能力で作品のクオリティが2ランクくらい上がっているように思えます。あまり聞かない漫画家さんですが、どうやら原作アリの作品で作画を担当するタイプのようです。
ノベル版は軽い気持ちで読めるレベルのボリュームではないくらい出ているようなので、手を出すかどうかはまだ決めてませんが、とりあえずこのコミック版に関しては、WW1 WW2あたりの独逸テイストが好きなら確実に。佐藤大輔の作品で興奮できる人もほぼ確実。戦争ものがNGじゃなければ概ねOK、と、ストライクゾーンはそこそこ広めじゃないかなと思いますが、人に無条件に進めるような作品でも無いというのはタイトルからして自明でしょう。とはいえ、私のBlogをいまだ読んでくださっている方々にはほぼ確実におすすめできる作品です。(つまり、いい大人がリアルで勧める作品では無いということです。解りますよね?w)
野球でいうならちょっと甘めですがソロホームラン認定です!続きが気になって原作にまで飛びつく感じではないものの、それに準ずる程度には続きが気になるだけの面白さがあると私は評価します。

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以前より話題になっていた新井英樹さんのこの作品、私自身はすっかり存在を忘れていたのですが、いくつかのBlogでとりあげられていたことや、シンゴジラの批評で取り上げられていたこと、そしてなによりアマゾンさんからおすすめされたので、お取り寄せして読んでみました。

新井英樹さんの作品は、電子版モーニングで「宮本から君へ」を途中まで読んで、作風は好きではないけど続きは気になる作品であると認識していたのですが、その後の作品を追いかけるわけでもなく、特に注目していた訳ではありませんでした。ところが、たまたま読んでいた佐藤秀峰さんのnoteで「宮本から君へ」を取り上げられており、その中で宮本~は好きだが他の作品はあまり好きではないとの記述があり、そこでザ・ワールド・イズ・マインの存在を思い出し、あとは冒頭のように商売上手のAmazonさんの術中にはまった訳です。

前置きが長くなりましたがこの作品、確かに話題になるだけのことはあるな。というのが第一印象です。これを2001年のアメリカ同時多発テロ、2011年の大震災前に書き上げたというのは、今読んでみると不思議ではないしても恐ろしく先見性があり、オリジナルの単行本が即刻絶版になるだけの問題性を持った作品であるという評価は大袈裟ではないということが解りました。

(ここからネタバレあり)
本当にざっくりとしたあらすじとしては、2人組の男(片方はのちのカリスマテロリストで、もう片方はカリスマテロリストに感化されすぎた自意識過剰な一般人)が犯罪旅行で大阪から首都圏を経て東北に向かい、そこで無差別テロを始める。一方、ヒグマドンという巨大なヒグマのUMAが北海道から東北に上陸し暴れまわり、東北がえらいことになる。そして事件が一端の鎮静化を見せたのち、カリスマテロリストに感化された人間が日本中、世界中でテロを始めてもっとえらいことになる。という作品です。
見どころとしては、テロリストに対するメディアの放送によって図らずもテロが拡散してゆく様や、命の不平等性や生死感について、一般メディアでは忌避される表現をありのままに描いた点。ただ残虐なだけではなく、今日に於いては絶対とも言うべき命の価値について認めない人間の行動がもたらすものが如何なるものか。そしてそのような人間ですら、価値を認める命に対しては献身的な行動を行うという命の価値の対比などでしょうか。作品のボリュームもかなりなもので、一般的なコミックサイズだとたぶん16~20冊くらいになるはずです。(真説版は極太のコミックx5冊)
テーマは重く、一般的なピカレスク作品の様な痛快さや娯楽性には乏しく、私はこの作品のメインテーマは生命倫理とメディアの放送姿勢に対する風刺であると思っているのですが、いずれにせよ話題作とはいえ娯楽作品を求めてこの作品を手に取ると、ドン引きすること請け合いでしょう。一方で、作品内の社会思想軸は中道的であり、錯綜した極論やネイチャー志向、左右の偏りや宗教原理主義といった変なベクトルがかかっておらず、作中でがっかりするようなことが無い点は好評価できます。
個人的には無差別テロとヒグマドンが落ち着いた最終盤がお気に入りですが、日本国内で起きた無差別テロが「抗うな、受け入れろ、すべては繋がっている」のメッセージとモンのカリスマ性だけで拡散するという部分に、そういう物語であったとしても、やや強引さというか脈略の無さ、動機の薄さを感じました。あとは、AK-47でヘリ落とすのはさすがに無理でしょ・・・とか。それらも大して気にならないだけの質のある作品であり、小説ではありますが貴志 祐介さんの「新世界より」あたりが楽しく読めた人であれば、どうやらあまりコミック喫茶等には置かれていない作品ではありますが一読の価値はあるかと思います。

  

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