本: 2011年2月アーカイブ

乙嫁語り

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森薫さんの現行作品である乙嫁語りは中央アジア、コーカサス地方の文化を学びつつ、ワイルドな嫁アミルさんの活躍に胸躍らせる素晴らしい作品です。

作画は一コマ一コマ丁寧に仕上げられ作中に出てくる刺繍のような繊細さにとても好感が持て、エマの後半のような強烈な書込みにさらに磨きがかかっているようでした。遊牧民の一族から街に定住する一族に嫁いできたアミルさんが、あるときは短弓片手にウサギや狐を狩り、またあるときは町の共同石窯でパンを焼いたりと中央アジアにおける当時(19世紀前半とのこと)の定住民と遊牧民の生活様式をテーマに物語りが綴られており、内容的にも大変興味深いものでした。

健全で文化的な内容、優れた作画、ワイルドなアミルさん、どれをとっても人に薦めにくい要素が無く、老若男女問わずとりあえず漫喫行ってよむものねぇなとおもったら読んどけ!と自信をもって薦められる秀作です。弱点といえば発刊ペースが相変わらず遅いことですが、これだけのクオリティを維持するにはしかたないのかもしれません。

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