最近ひいきにしている俳優さんであるデンゼル・ワシントン出演で、しかも監督がリドリー・スコットとなればこれはもう観るしかないということで、ベトナム戦争中のアメリカを舞台に麻薬ギャングとしてのし上がった実在の人物であるフランク・ルーカスの物語「アメリカン・ギャングスター」を鑑賞しました。
フランク・ルーカスと言ってもあまりピンときませんが、”戦死者の棺に麻薬を詰めて密輸したギャング”と言えば、耳にしたことがある人は一気に増えるのではないでしょうか。
なんでも、当時は混ぜものばかりで純度3割前後のヘロインが一般的であった時代に、純度100%に近い高品質ヘロインを安く流通させ、一気にドラッグ王にのし上がった人物だそうです。ヘロインは麻薬の中の麻薬、昨今は純度100%だと逆に危ないという理由からまずもって流通していないそうで、その威力は「あっちにいったっきり戻ってこられなくなる」ほどだとか。
物語はNYを中心に展開されるのですが、当時のNYはそれこそ警察まで麻薬と賄賂に汚染されどうしようもない状態なところ、リッチー・ロバーツという凄腕警察官がフランクに立ち向かうという図式です。
有り体に言って、すげぇよくある話だと思うのですが、そもそも、そのよくある話の基がこのお話の主人公たるフランクの実話なのだそうで、そう思って観るとちょっとありがたみが増します。
映画の出来はさすがというか、少なくとも観る価値アリの出来だと思いますが、反面、割とよくあるお話である点とはともかく、長くて中だるみがある点は明らかなマイナスです。
さすがリドリー・スコット、見せ方が上手いぜ!と唸る場面はもちろんありますが、特に思い入れの無い人にはあまり意味の無い部分です。
私は主演俳優と監督、ともにお気に入りであったことから十分楽しめましたが、どちらもあまり興味が無いというのであれば、他にもっと面白い映画をオススメできるかな?というような評価の作品です。