本: 2008年11月アーカイブ

よつばと 8巻

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いつの間に発売されていたよつばと8巻、おもいっきり出遅れましたが読みました。

7巻が最高の出来だったのに比べて、今回はいつも通りのテンションに戻りあたりまえのように素晴らしい作風に戻ったような感じがします。

「俺は逃げも隠れもしねぇ!」
と、かくれんぼで言い放つジャンボさんサイコーです。

あとは、台風の中で「ショーシャンクの空に」ポーズの小岩井さんが熱い。

あいかわらずこの作品には、ただの一コマにも手を抜かない職人のこだわりのような意志を感じます。
せめて物語の中で丸1年続けて欲しいものですが、このペースだとかなり厳しいようなのでこの先どうなってゆくことやら、楽しみ9割怖さ1割です。

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完結したとは聞いていたものの、最後まで読まず仕舞いのこの作品。ひょんなことから遭遇したので最初から最後まで通読しました。

癒し系でありながら、本質的には時の移ろい、孤独、人生の意義について考えされられる、癒しなんだけど場合によってはちょっと凹んだりもする、読みやすい反面複雑な作品です。情緒があり、抽象的というか詩的というか、とらえどころの難しい作風であり、揺らいだ輪郭の中から作品の描写に止まらないイメージをかきたてられるような、通して読むとあまり他に類を見ないという印象を強く受けました。

癒し系コミックということでよくARIAと比較されるのですが、比較するのはまるで無意味です。が、その比較という行為に、もう少し注目されてもいいんじゃないの?ARIAと同じくらいの評価でもいいんじゃないの?という意味合いを感じ、その観点からならば、私も「もうすこし注目されて良い作品である」と同意します。
抽象的で台詞がかなり少ないお話も多いことから、メディア展開が難しく、その点で知名度が伸びにくいという分析がもっともなように思えますが、いちど読んだら印象に強く残るという点では「準名作級」の威力があると個人的には評価しています。とにかく、この作品は読み終わった後味の特殊さは類を見ません。
解説でもなんでもなくわけわからんことをつらつらと書きましたが、光陰、哀楽、刹那と悠久、孤独、喪失、といったキーワードをポジティブに捉えるヒントがあるかもしれない作品です。情緒をあまり意識しない人にとってはわけのわからん駄作にすら思えるかもしれませんが、私には数少ない「手元に置いておきたい」一つです。(でももってないんだよね・・・)

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