恩田陸さんは未読だったので、手始めに受賞作品のユージニアを読んでみました。この本、直木賞の最終候補にも上がったらしいのですが、惜しくも落選。日本推理作家協会賞を受賞してます。
本の感想なのですが・・・またしてもジャンル特定不能です。推理作家の賞をもらっているので推理小説かとおもいきや、そういうエッセンスはあるもののそうともいえず、ミステリーテイストもあるが、とてもミステリーとは言えない、そういう作品です。構成に特徴があり、物語はすべて証言を連ねた形ですすんでゆきます。TPO、特に時間が3つの軸に分かれていて、それぞれいきなり飛んでしまってわけがわからなくなりそうなのですが、不思議とそういうことはなく、証言する人間が代わっても、いきなり飛ぶのではなくてバトンを受け取って走り出すような、そんな話の進み方をしています。
私は1回読んでおもしろかったけれどもよく解らなくて、2回目読んで、それでもまだまだわけが解らない状態で、次はネットで解釈を探したもののこれ!というものがなく、要するに最後まで犯人がわからず終い。物語でも犯人死亡、共犯者不明でおわっているのをそのままにうやむやになってます。それが恩田さんの作品の特徴だという話も聞きましたが、面白かったけれどもすっきりしない作品というのが私の感想です。
次はミステリじゃない作品を読んでみたい作家さんでした。