本: 2006年5月アーカイブ

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頂き物の本でしばらく放置していたのですが読んでみました。
硬そうなタイトルの割には、氏の対局でのエピソードや考察などでトピックスごとに読みやすくまとめてありました。将棋においての決断のプロセスを解説が主節ですが、当然といえば当然ながら専門的につっこんだ部分は大幅に端折っていて、思考を育むことの大切さを説いています。
私もただの趣味とはいえ、毎晩のようにBNで勝負をしている体験を重ね合わせて共感するところがいくつもあり、競う場面が違えど勝負の根幹、特に心理的な部分は共通していると感じました。特に心に残ったのは、「プレッシャーは器に対してかかるもの」という一節で、それを克服するために己を研磨し器を広げることで己に克つというよくある話なのですが、修練によって得られるのは何よりも自信であり、勝つべくして勝つことにより器を大きくすることの重要性は勝負師ならではだと感心しました。
ちょっと不満な点をあげれば、各トピックスのまとめで、いちいちビジネス書を意識したくだりがあることでしょうか。いちいち「ビジネスの世界でも・・・・」と書くのはしつこいというかなんというか、まさに蛇足が付いていて、すこし残念です。

国家の品格

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200万部を突破したとのことで、ずいぶん前に読んだのですが、またざっと読み返しました。ベストセラーとして紹介されていた頃に古本屋で200円で買ったのですが、ここまで売れる内容とは思わなかったのを覚えています。おそらく、「国家の品格」というタイトルがベストセラーになった最大の要因ではないかと考えます。
内容としては、おそらく誰もが読む前からいわゆる右っぽい内容を想像するのですが、特別そういう事は無く、そもそも国家の品格というテーマについてはあまり多く語られていません。では、どういう内容なのか。私が印象に残った部分は、正しい論理から導き出された答えを正しいと思うのは恐ろしいことだというところです。一番解りやすい例として、「なぜ、人を殺してはいけないのか」という命題に対して、「論理的に正しい」人を殺していい理由も、殺してはいけない理由も、いくらでもある。ではなぜいけないのかというと、「駄目なものは駄目!」という話を挙げていましたが、確かに、感性や倫理観は得てしてそういうものなのでしょう。
国家の品格に関しては、他国の規範となり得る国家の形成こそ肝要であり、それを得るには長い年月にわたる正しい教育など下地作りをする必要があるとのことでしたが、全くもってそのとおりであり、愚民化政策(ゆとり教育とも言う)などを最近大真面目にやっていた日本には無縁の話だと感じました。

読み物としては面白いのですが、ちょっと日本贔屓かなと思う節が多く、そこらへんも購買層の拡大に一役かっているようです。ナショナリズムを煽るような本は大っ嫌いですが、この本はそういう意図は無く、読みやすい憂国の本というのがちょうど良い表現だと思います。

格闘マンガ?

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昨日から読み始めた軍鶏、19巻まで読み終わりました。
最初の方はなんだかなぁの展開(とはいうものの、プロローグとしては決してつまらなくは無かった)だったものの、中盤以降はなんだかんだで熱血格闘マンガになっていました。
どうもこの作品は、技とか強さとかよりも、戦っている人の美しさを表現したい作品のように思えるのですが、それに拍車がかかってきた18巻以降は、ちょっとテンションが下がってきた模様。
個人的には、菅原とのドーム対決の前あたりが一番おもしろかったのですが、中国編もいままでの続きの内容としてはいまいちでしたが、修行の最中を除いては引きつけられるものがありました。
続きがさほど気にならないので、評価はそこまで高くできませんが、佳作です。

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