ダ・ヴィンチで連載されているテレプシコーラの第一部を一気に読んでみました。ダ・ヴィンチは欠かさず読んでいたわけ(むしろ読み逃し方のが多いくらい)ではないので、ほぼ予備知識無しだったのですが、通して読んで文句無しにおもしろかったです。
山岸涼子さんの作画は好みの分かれるところではありますが、作画が好みじゃないというだけでスルーするには惜しい作品であり、また、ネタバレするとおもしろさが減ってしまうので残りは追記で!
おもしろいと言う表現はちょっと違和感を覚えるような、かなり重たい作風です。個人的に、メンタルの弱い主人公がそれと向き合いながら成長してゆくストーリーが好きなので、私のストライクゾーン直撃の作品であったことから過大評価をしているかもしれませんが、とにかくオススメです。
正直なところ、序盤の須藤がでてくるあたりはもっさりというかさほど惹かれなかったのですが、姉の千花のくるみ割り人形あたりからとたんに盛り上がってきて、主人公の才能と苦悩が徐々ににじみ出てきた後に来る一部最終巻のアレは凄まじい衝撃でした。不憫というならば須藤も相当のものなのですが、強く保ってきた人間がぽっきり折れてしまう様は不憫なれど最後の救いとも思えてしまう、とても複雑な心理描写を感じました。よくあるパターンと言えばそれまでなのですが、そこまでのプロセスに重みがあるので、私は全くありきたりな感じがしません。
第二部はこのまま雑誌で追いかけるか、連載が終わるまで待って一機に読むか、非常に悩ましいところです。とはいえ、恐らくは我慢しきれず途中で追いかけてしまうことでしょう。
私は山岸さんの「アラベスク」をまだ読んでいないので、近いうちにぜひとも読んでみようと思いました。
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