国家の品格

user-pic
0

060511.gif
200万部を突破したとのことで、ずいぶん前に読んだのですが、またざっと読み返しました。ベストセラーとして紹介されていた頃に古本屋で200円で買ったのですが、ここまで売れる内容とは思わなかったのを覚えています。おそらく、「国家の品格」というタイトルがベストセラーになった最大の要因ではないかと考えます。
内容としては、おそらく誰もが読む前からいわゆる右っぽい内容を想像するのですが、特別そういう事は無く、そもそも国家の品格というテーマについてはあまり多く語られていません。では、どういう内容なのか。私が印象に残った部分は、正しい論理から導き出された答えを正しいと思うのは恐ろしいことだというところです。一番解りやすい例として、「なぜ、人を殺してはいけないのか」という命題に対して、「論理的に正しい」人を殺していい理由も、殺してはいけない理由も、いくらでもある。ではなぜいけないのかというと、「駄目なものは駄目!」という話を挙げていましたが、確かに、感性や倫理観は得てしてそういうものなのでしょう。
国家の品格に関しては、他国の規範となり得る国家の形成こそ肝要であり、それを得るには長い年月にわたる正しい教育など下地作りをする必要があるとのことでしたが、全くもってそのとおりであり、愚民化政策(ゆとり教育とも言う)などを最近大真面目にやっていた日本には無縁の話だと感じました。

読み物としては面白いのですが、ちょっと日本贔屓かなと思う節が多く、そこらへんも購買層の拡大に一役かっているようです。ナショナリズムを煽るような本は大っ嫌いですが、この本はそういう意図は無く、読みやすい憂国の本というのがちょうど良い表現だと思います。

コメント(2)

| コメントする

この本は私も以前から読もうかな~と思っていたのですが、タイトルと帯の謳い文句から何かしらプロパガンダ的な要素を含んでいるんだろうなと思い、結局スルーしていました・・・が、それほどその点については心配しなくても良さそうですね。今度古本屋でゲットして読んでみようと思いまっす。

帯の謳い文句に比べれば、わりと月並みな内容ですね。ただ、内容がわかりやすく、内省的な部分が良くまとめられいるので、ちょこっと読むに損は無い本です。2hあれば十分読み終わりますし。

コメントする

このブログ記事について

このページは、が2006年5月11日 20:39に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「家康の豚足」です。

次のブログ記事は「05-06チャンピオンズリーグ決勝」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ