2016年10月アーカイブ

161009.jpg
私は逃げることが恥だとはこれっぽっちも思っておらず、三十六計逃げるに如かずは一時期座右の銘でしたし、世の中には逃げることをネガティブにとらえるあまり、戦略的撤退という強力な選択肢を破棄し、不毛な戦略に拘泥するケースも多々見てきました。そういう訳で、話題になっているのは知っていましたがタイトルが若干ひっかかり(外国のことわざらしいです)いままでずっとスルーしていたこの作品、読んでみたらスマッシュヒットでした。

概ね人の悩みなどというものは千差万別などというものの、引いた視点でみてみるとほとんど差がないステレオタイプなものばかりなのかもしれません。が、やはり人生というものは一人にひとつそれぞれのものであり、同じ悩みでも外ならぬ自分の悩みであるからこそ人は悩み続けるのではないかと、この作品を読んで思いました。
テーマとしては、最近脚光を浴びている結婚の形や在り方に関してのものなのですが、それでいて面白いと思うのは誰もが大なり小なり悩むテーマであるからに他ならないのでしょう。
主人公の雇用主である平匡が、平穏なメンタルで日々を過ごし些細なことで心を乱されるのを厭う気持ちはもうほんと、痛いほど解ります。
また、風見の結婚にメリットが見いだせない点も近頃はWebメディアを中心によく論じられる若者の非婚化問題そのものですが、それをこの作品に組み込んで平匡と対比させる表現は、大変よく組み立てられているなととても関心しました。
まだ完結していないこの作品ですが、そろそろ完結しそうな雰囲気を感じますので、最後の展開がどうなるか、そして作品のテーマにどのような回答を出すのか、とても楽しみにしています。

ちなみに私は、生きていくに困らないだけの資産を構築し、隠者になる計画をいまだ諦めておりません!

このアーカイブについて

このページには、2016年10月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2016年9月です。

次のアーカイブは2016年11月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ