久々に映画を鑑賞。山ほどの積みDVDがある中で、なぜゼロ・ダーク・サティを観ようとおもったのか。実は特に理由がなく、たまたま手元にあったからというきわめていい加減なものであった。が、つまらない映画だと最初の十数分で何の躊躇いもなしに観るのをやめてしまうことを考えると、再序盤から最後まで飽きずに観られたこの作品は、世間の評価は大したことが無いということを加味しても個人的にはかなりおすすめの作品であると言えるだろう。
内容はCIAの女性捜査官がオサマ・ビン・ラーディンの行方を探し、SEALSの強襲で仕留めるまでを描いた作品で、淡々と捜査して尋問して捜査するだけの作品なのに、私は最後まで緊張感を保ったまま観賞することができた。なにかしらのテーマとか作中ヒューマンドラマ要素とか、余計な要素がほとんど無いところが個人的にはとても良かったのではないかと思う。概ねそういう要素は萎える原因にこそなれど興味をそそることは無い訳で、内容は全く違うもののブラックホークダウンの情景描写を大幅に端折ったらきっとこの作品のようなテイストになるのではないかという感想を持った。（そういえば、両方ともヘリが墜落する共通点もある）
きっと、興味の無い人が観てもこれっぽっちも面白くないであろう作品だと思うのだが、地政学、軍事、諜報、特殊部隊ものが好きであれば、概ね楽しくみられるのではないかと思う。高尚なテーマとか、ヒューマニズムとか、余計な要素が最初から実装されていない身もふたもなさ。最初から最後まで重たい空気の作品であるが、結局は娯楽作品とおもってしまって良いのではないだろうか。
