2017年8月アーカイブ

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今年の夏休みはSwitchのゼルダないしスプラ2を遊ぶつもりでいたのだが、昨今は出荷量が増えて手に入り易くなったというSwitchを私は休暇前までに購入することができなかった。いつアクセスしてもニンテンドーストアにはSold Outの文字以外見たことは無く、それならばいっそ、と半ば当てつけのようにPS4のドラクエ11をダウンロード版で購入した次第である。そのドラクエ11を先ほどエンドコンテンツも含め概ね遊び終わったので、久々にBlogに記録を残したい。
なお、若干のネタバレを含む内容となっているため、それを好まない方々はご注意あれ。

まずは先述のとおりSwitchの品薄に対する当てつけのような買い方になってしまったドラクエ11であったが、遊び終えた後の感想としては購入して良かったと思っている。そもそも駄ゲーであればエンドコンテンツまで遊ぶことはないだろうが、このドラクエ11にはエンドコンテンツまで自然に遊ばせる工夫が為されており、そもそも表ボスはドラクエ3でいうところのバラモスであると言ってしまっても差支え無いだろう。そして、最後のコンテンツまでプレイヤーを飽きさせない工夫、特にシナリオ、イベントの量や成長の速度、抽象的な表現であれば「ゲームバランス」のさじ加減が丁度良いと感じる作品であった。
ただし、このゲームバランスに関しては、サラリーマンとして働いている人間の可処分時間から見たバランスであり、正直なところ学生など時間をたっぷり使えるプレイヤーにとっては、かなりヌルいバランスである。そのヌルいバランスの一端を挙げると、

・初見のダンジョンや施設、ワールドマップや裏ダンジョンであっても、すべて正確な地図あること。

・ストーリー上重要なNPCにはキャラクタの上にピンク色のアイコンが出ており、それでも困ったら仲間コマンドで尋ねるとパーティーメンバーが具体的な手順をアドバイスしてくれることからストーリーに詰まることがほぼ無いシステム。

・エンドコンテンツをスムーズに遊べるようにする意図が在ってか、終盤のレベリングが非常に楽。レベル65くらいから99まで小一時間でパワーレベリング可能。

・ボス戦前には概ね毎回回復ポイントがあり、オートセーブも行われるので全滅のリスクが無い。

はっきり言うとヌルゲーである。しかし、ドラクエ11は難しいゲームをクリアする達成感を得るためのゲームではなく物語を読ませる、体験させる作品であり、ヌルゲーバランスがストーリーのスピード感に繋がり、退屈する前にすぐ次のイベントに移ることができ、シンボルエンカウント制なのでストーリーを進めたいときは戦闘をかなりの部分抑制できる、そこらへんのバランスのとり方が優れていたというのが私のドラクエ11のゲーム部分に対する感想である。


ストーリーは王道のドラクエであり、ロト3部作に準じた構成であった。ただのオマージュと言うにはいささかどうなんだろうと思ってしまうほどの表現が多々あり、ロト3部作、特にドラクエ3をただのRPGではなく、エポックメイキングな作品と評価し、いまだに状況を説明するときにドラクエ3を例に、「今の進捗はドラクエ3でいうなら2回目のカンダタ倒して船をゲットしたあたり」とか言ってしまう世代の人間にとっては、ほぼ確実に刺さる作品ではないかと思う。今作のサブタイトルである「過ぎ去りし時を求めて」というのは、本編のストーリーだけではなくドラクエというコンテンツが国民的な盛り上がりを見せていた3~5あたりの熱狂を回顧する意味であることは自明であろう。そのころを知らない若者ゲーマーにドラクエ11が受け入れられるのかという点に関しては想像がつかず、案外昔をしらなくても楽しめるのかもしれない半面、このおっさんホイホイコンテンツうぜー!みたいな受け止め方をされたとしても不思議ではない。メーカーがどのあたりの年齢層を意識して作品を作ったのかを考えると、やはり今作に関してはドラクエ全盛期を知る世代に対してではないかと思わざるを得ないストーリーであった。

ドラクエ10がMMORPGであることから久々の家庭用ドラクエである本作は、先述のとおりドラクエ全盛期を知る世代であれば楽しくあそべること請け合いである。半面、それ以降の世代が本作を受け入れられるかどうかによって、今後のドラクエの作風を左右する試金石のような作品であると私は考える。
私は最近のRPGをあまり遊んでいないので他の作品との比較はできないが、これほどまでに丁寧につくられたRPGは始めてである。エンドコンテンツまでさくさく遊べるバランスを良バランスと称えるか、物足りないヌルゲーと切り捨てるかによって評価は大きく変わるだろうが、個人的には買ってよかったと思える秀作であり、PS4を持っているのであれば、多少忙しい環境の方々でも難なくあそべるRPGとして推薦したい作品である。

そして、強烈なネタバレなのであえて一番最後に主張したいことがある。

ネルセンの試練の報酬として結婚相手がエマ一択だけなのは全くもって納得できない!最低でもセーニャとマルティナ。ちょっと厳しいかもしれないがベロニカも選択肢に入っていてやっと合格。さらに突き抜けるならば昨今の国際的な懸案たるLGBT啓蒙活動の流れを受けロウを除く3名にもチャンスがあっても良かったのではないだろうか。(私はたぶん選択しないだろうが)
さらに、セーニャの髪型変更じゃなくて、ベロニカの幼女退行の呪い解除もどこかに入れてあげないと、さすがに気の毒だと思うのは私だけなのだろうか。個人的には唯一魔法が使えない脳筋&エロ担当のマルティナを押すが、何はともあれ、もうちょっと工夫してほしいと思った数少ない点をあげて、ドラクエ11の感想を終わりたい。

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