2013年12月アーカイブ

Kindleを購入してからというもの、ちょっとした時間あがり、かつ図書館にいくのが面倒くさいというケースで、レンタルビデオ店で新作1回借りる程度の金額で購入できる電子書籍を何の気なしに購入してしまう。また、Blogなどの記事で紹介されている電子書籍も、そこそこ興味があり、かつ低価格であれば悩むことすらせずに購入してしまう。Amazonの1円古本購入にも似た行為であるのだが、欲しいと思ったときに手に入るということの魅力は、考えていたよりもずっと魅力的なものであった。
今回購入した暴力団関係者の潜入ルポも、暴力団に並々ならぬ関心があるわけでも、著者の鈴木智彦氏に興味があるわけでもなく、たまたま読んでいたBlogの記事でいままでの暴力団ルポとは異なった視点が新鮮であるとの文言と、暴力団の資金源についてはそれなりに興味があったので思わず購入してしまった次第であるが、読んでみたらなかなか面白かった。

現在においては暴力団排除条例で暴力団関係者の大半が干上がっているそうで、完全に斜陽業界となっているらしいのだが、それでも一般人にとってはお話の中だけの存在であってほしい、そういう人たちである。また、広域指定暴力団が西に多いのは、かれらの生活基盤の根底にはXxXちゃんだとかXXXXXの支えがあるからという話は聞いたことがあるものの、実際にどのような流れで資金流入があるのかなど、それなりに興味深い話も散在していた。
一方で、一般社会では法的グレーゾーンの仕事のプロと考えれば根強い需要があることは想像に難くない。それでも干上がるというのは、やはり銀行口座が作れなかったり、一般人には当たり前の公共サービスが受けられなかったりすることに因るのだろう。昨今ではみずほ銀の不正融資が大々的にニュースになるほど暴力団関係者への資金流入は厳しく取り締まられているのを見ると、それらの裏付けと取れなくもない。

そう言われれば週刊誌で暴力団関連の記事が載ることが昔より少なくなった原因の一端を見たというくらいの感想ではあるが、あまり例をみないルポと飾らない文体でそこそこ楽しく読めた。元をとった!というほどではないが、買って損したというほどでもない。殺し屋1が最後まで読める程度にアウトロービジネスに興味があるのであれば、一読するのも悪くはないだろう。

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