DVD: 2008年2月アーカイブ

ドッグヴィル

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前々から近所のツタヤで気になっていたドッグヴィルを借りてみました。
なぜ気になっていたかと言うと・・・ 以前観たESの近くにあり、パッケージの紹介文が妙に面白そうであったことと、二コール・キッドマンさんの威力でしょう。

この作品はすべてセットというか、舞台装置というか、そういう場所で撮影されており、予備知識無しで観たことから最初はさすがに違和感が強くて多少混乱しました。ある程度慣れてくればさほど気にならない演出ではありますが、リアリティは多少下がるものの作品の主題である人間の生々しさをはっきりさせるための演出と思うと、これはこれでアリだと思います。
物語はアメリカのロッキー山脈の麓にある人口23人の寒村「ドッグヴィル」にギャングに追われた娘が逃げ込んで来るところから始まり、娘が労働奉仕するという条件で娘を村で受け入れることとなった後に起こる人間の闇を描いた作品で、ちょっと前に流行った寒村サスペンスに近いテイストと言えなくもありません。

あまりストーリーに触れてしまうと面白くなくなってしまうので感想だけ述べますが・・・ 表現が斬新すぎて人を選ぶ作品だなぁと思いました。寒村モノといえどもアメリカと日本の文化の違いを感じることも多く、また、基本的にドロドロとしたストーリーなので、そのドロドロ具合が観る人の許容量を超えてしまうと最後まで観るのもキツくなってしまうでしょう。私はそのドロドロ覚悟で借りたので最後まで興味深く観ることができましたが、作品的にもかなり長めなので、気軽に手を出し辛い作品であるとは思います。
ストライクゾーンの狭い作品なので薦め辛い作品ではありますが、サイコ、閉塞環境、サスペンスといった要素が詰まった作品をみてみたいのであれば、あまり期待せずに観るとよいかもしれません。

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スターリングラードは、第二次世界大戦の独逸vsソ連@スターリングラード戦中に活躍したロシアの実在のスナイパー、「ヴァシリ・ザイツェフ」を描いた作品です。
先日観たノルマンディーに影響されてWWIIモノを借りるつもりではあったのですが、スターリングラードになったのはソ連vsフィンランドの冬戦争で活躍した伝説のスナイパー「シモ・ヘイヘ」のWikipediaを昨晩読んだついでにヴァシリの項も読んでしまい、とりあえず戦死しないということだけは解っていたことに因ります。なんとなく最初から主人公が戦死するとわかっていると、観辛い心理が働きました。

観た感想としては、さほどつまらないとは思わないのですが、主題がはっきりしないというか、訴えてくるものをあまり感じず、ちょっと厳しい表現をすれば典型的な「ヒーロー物の作品」という評価となってしまいます。
とはいえ、冒頭から15分ほどのシーンは、プライベートライアンのオハマビーチのシーンと同じくらい評価されているだけあって、非常に強烈であったことも事実です。また、PCゲームのコールオブデューティー2のソ連編(たしかソ連編の主人公の名前もヴァシリだったな・・・)で駆けずり回ったフィールドの元ネタがこの映画であることがイヤというほどよく解りました。というか、ほとんどそのまんまです(笑)

つまらない映画ではないのですが、戦中を描いた映画だけれども戦争映画ではないなぁというのが正直な感想で、完成度は低く無いとは思うのですが、中途半端な印象を最後まで拭えない作品です。興味があるのならば観てみても損は無いかと思いますが、人に薦められるほど面白くも無いという評価が妥当なように思えます。

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TUTAYA Discasのオススメ映画で紹介されていたので、なんの気無しに召還してみたのですが・・・
おもしろかったです!

映画のタイトルどおり、アイゼンハワー将軍がノルマンディ上陸作戦の発動を決断するまでのストーリーで、前線の描写はほとんど無く、司令部内の幕僚とのドラマのみで進行してゆくのが特徴で、アイゼンハワーが発動日(通称D-Day)を決定する部分と、空挺部隊の降下ポイントの選定に苦悩する様がメインに描かれています。
モントゴメリではなく、パットンでもなく、なぜアイゼンハワーが総司令官であったのか。鼻息の荒い将軍たちの力を巧く利用することを第一と考え、作戦上の大きな絵図と人身上の細心の配慮、そしてしたたかな軍政を行える人物こそ彼であったからとのことです。確かに、チャーチル、ド・ゴール、ルーズベルト、モントゴメリなど極めて強烈な個性と協調しながらの作戦遂行には、実際の実施能力もさることながら各方面への根回しなど、政治活動が不可欠であったことでしょう。この作品にもそのあたりが描かれているのが印象的でした。
ノルマンディ上陸作戦の前線風景はプライベートライアンなり他に有名な映画が何本があるので、そちらを観ればOKですが、私としては先にこちらを観た後の方がそれらの作品も楽しめるのではないかと思います。

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昨日のハンニバルライジングはたくさん人死にがあったので、今日は人の死なない映画を借りよう!と思い、知能犯罪コーナーにあったユージュアル・サスペクツを選択しました。
この映画は映画批評サイトでなかなか高評価されており、好きな人は何度でも観てしまうというコメントが気になっていたのですが・・・

まず、この映画を観たことのある人なら思いっきり突っ込みたくなるでしょう。「その選択は無い!」と。ええ、たくさん人死にが出ます。というか、ある意味ほぼ全滅?の様相であり、知能犯罪コーナーだからといって人が死なないわけではないということを学習しました。
本編の内容は、ネタが割れてしまうとまるで面白くないので一切触れませんが、ハマった人は確実に2週目に突入することでしょう。私はそこまでツボではなかったものの、それでも幾つかのチャプターを見直してしまったくらいで、観ている途中からあのシーンをもう一度みなくては!という欲求に駆られる映画です。反面、時系列が断片的に表現されているため、しっかりみていないと現在と過去の区別はともかく、過去のシーンはどのあたりの過去なのかわからなくなってしまう可能性がある点は注意が必要と言えるでしょう。

この作品は絶賛するほど惹かれはしなかったものの、そこそこ面白かったといったところでしょうか。序盤の進行の遅さ、中だるみ、共に若干感じる場面がありましたが、すべて観終わってからだと、そのもたついた場面をもう一度見直したくなるような作風なのが特徴です。あまり強くはオススメしませんが、つまらない映画ではありませんでした。
監督のブライアン・シンガーはこの映画で認められてその後はX-MENシリーズなどを撮っているらしいので、そちらも機会があったら観てみようかと思います。

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昨年の公開時にはいよいよもって映画館に観にいこうとおもっていたものの、結局は行かず終い(つまり、いつもどおり)となってしまったハンニバルライジングを鑑賞しました。
ハンニバルの若い頃を描いた作品ということでアンソニー・ホプキンスのハンニバルではなかったのですが、そんな心配を他所にギャスパー・ウリエルの好演でハンニバルらしさが良く出ていたと思います。
しかしながら、この作品の前に発表されている3作品に比べると、サイコミステリーやサスペンス色がほとんど無くなり、娯楽ホラーのような作風になっているのは仕方が無いのでしょうか。ハンニバルの特徴である深い思慮の表現がほとんど無いというのはまだ若いからということなのかもしれません。その分アクションが多いので、あながち間違った想像でも無いと思います。
結局この映画は、理由はどうあれハンニバルがターゲットをどうやって「たいらげてゆくか」というのをドキドキしながら観る映画であり、ディティールにあれこれとケチをつけるのは見当違なのでしょう。シリーズの他の作品とくらべると明らかに底の浅い作品ではありますが、決してつまらなくはありませんでした。

とはいえ、あくまでこの作品はハンニバルシリーズという名前が無いと魅力の8割が失われてしまうので、鑑賞するのならば他の3作品の後にすることを強くオススメします。

それにしても、欧米の映画で日本の文化はなんだか凄く誤解されているのだなぁと改めて思いました。仏壇ならともかく、古武具を祀ったあんなおどろおどろしい祭壇のある一般家庭なんて、日本にはまずありえません。

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