DVD: 2008年6月アーカイブ

フォーン・ブース

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最近スマッシュヒットが無かったので、会う人に何かにつけてはおもしろい映画を薦めてもらう今日この頃ですが「フォーン・ブース」は即答で必見!と薦められただけあって、個人的な評価でいうなら2ランホームランくらいおもしろい作品でした。

ネタバレしないように説明するのが難しいのですが、公衆電話にかかってきた電話を取ってしまった男が狙撃手から脅迫されるというストーリーです。とにかく主人公役のコリン・ファレル(先週観たマイアミ・バイスではぜんぜん冴えてなかったのに・・・)が最高クラスに気の毒な被害者を熱演していて、こっちまで息苦しくなるようなシーンが終始続く作品です。

80分と割と短い映画なのですが、まさに息つく暇も無いほどの緊迫したシーンが続きあっというまに終わってしまいます。ジャンルとしてはサスペンス?らしいのですが、よほど緊迫感に弱い方でもない限りにはとりあえず薦められるすばらしい映画でした。

Sicko

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この作品はマイケル・ムーア監督のアメリカの医療制度をテーマとしたドキュメンタリー映画です。私自身はそれほどムーア監督の作風が好きなわけではありませんが、扱っているテーマは常に興味深いものばかりで、なんだかんだ言って今までのメジャーな作品は全部観ています。
特に今作は悪名高いアメリカの医療制度がテーマなので興味津々で鑑賞したのですが・・・

アメリカに旅行に行くときは多少高くても良い旅行保険に入らないと、有事の際は悶絶します!

とにかく医療費が先進国でもっとも高いというだけあって尋常ではなく、公的な保険が無いので任意医療保険に入っていないと、ちょっとした病気や怪我でも軽く数十万の料金がかかってしまうそうです。
また、仮に任意医療保険に入っていても保険会社の支払い渋りっぷりが半端ではないらしく、例として事故で意識不明になった患者に「事前に申告が無い」という理由で保険支払いを拒否するなど、人道的にも問題のある行為が平気で行われるらしく、世界最高の医療技術を誇りながら先進国最低の医療環境とされる理由がよくわかりました。

比較対象として、カナダ・グレートブリテン・フランス・キューバが挙げられていましたが、これらの国は国営医療保険で基本的な医療行為に自己負担無か、ごく低価格なように描かれていました。ところがいろいろ調べてみると、カナダやグレートブリテンはともかく、フランスはアメリカほどではないにしても自己負担がかなりあるようです。これらの国と比べて日本はどうなのか!ということなのですが、国民健康保険が赤字化している点や、地域による医療格差は近年大きな問題になっているものの、いろいろな資料を見る限りでは世界最高水準のパフォーマンスであることは間違いなさそうです。特に入院日数、通院日数は他の国とくらべて過剰なほどであり、もうすこし早期離床を促してコスト低下を計ってもいいんじゃないの?と思えるほどです。地域の医療格差など人口あたりでの統計資料では出てこない問題点は多数ありますが、それでも概ね国際的にみてマシな方でしょう。

USの医療保険会社は凄まじい利益を毎年上げているのですが、そもそも保険会社が利潤追求すること自体がおかしいのではないでしょうか。無論、採算を度外視しろというのではなく、保険会社は「保険」というリスクヘッジシステムを正常に機能させるためのものであり、支払いを渋って利益を上げるのは存在意義に悖る行為です。一方で、民間企業である以上は利潤を追求しなければならないのもまた事実であり、システム運用そのものに意義があるというのであればUS以外の先進国がすべて採用している公営の医療保険は現代国家の義務にすら思えます。USの理屈では、医療を公営にする=社会主義的なのだそうでほとほと理解に苦しみますが、本質的にはその理屈に意味は無く、この作品でも語られているとおり政治献金の額をみればどういう力学が働いているかは自明です。

この作品を観て思ったことは、日本のメディアでは日本の医療の至らぬ点ばかりを指摘し、「アメリカでは進んだ医療、手厚い看護が施されています」とUSをなにくわぬ顔で比較対象にするのですが、その前に「きわめて高額な医療費を払うことができれば」という一番大切な条件を無視しているところに悪意を感じます。日本の医療制度が特別に優れているとは思いませんが、人口あたりの医療実施率で見れば日本は極めて手厚い医療行為がなされているということは紛れもない事実です。学生の時分に受けた倫理の授業で初めて知った日本医師会の腐りっぷりや、先進国中有数に高い薬の価格、医療現場での人材不足など大きな問題は多数あるものの、それらを含めてもヒステリックに非難されなければいけないほど日本の医療現場のレベルは低くないと評価します。
医療制度改革などを「国際的に見て比較的マシだから」という理由で先延ばしにすることはできませんが、譲れない点と妥協すべき点をはっきりさせ、その上で限りあるリソースの配分を行うというごく基本的なことがもっと多くの人が納得できる形で施行されることが重要なのではないでしょうか。日本の政治ではリソースが有限であるということと、配分先を絞るという部分を無視して議論を進める傾向が強いので結果的に国家財政は火の車と化していますが、こういう時だからこそボーダーライン選定の議論を煮詰めていってほしいものです。

Sickoはちょっと長いドキュメンタリー映画で、興味の無い人にはまるでおもしろくないお話だとおもいますが、医療について無関心でいられる人というのも稀なことでしょう。よって、万人にオススメできる作品だと評価します。ムーア監督の主張には賛同しかねる部分もありますが、医療という誰もが無関係ではいられないテーマに関心を持つということそのものに大きな意義があると考えます。

マイアミ・バイス

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USの人気TVドラマシリーズを映画化した作品らしいのですが、そちらは全く知りません。メインテーマにLinkinParkとJay-ZのNumb/Encoreが使われているとのことで観てみたのですが・・・
つまらないわけではないのですが、おもしろくもなかったです。

FBIの捜査官コンビが麻薬カルテルに潜入捜査を行うストーリーなのですが、アクションは控えめ、ストーリーも控えめ、じゃあなにが売りなの?というところで、主人公役のコリン・ファレルとジェイミー・フォックスのカッコ良さが見物の映画なのだそうですが、そこまで格好良く感じなかったのが致命的でした。これは個人の嗜好によるものなので、好きな人が観ればそりゃもうたまらん映画なのでしょうが、コリン・ファレルさんをあまり知らなかったので、眉毛の濃いおっちゃんにしか見えませんでした。

この映画は全米で大ヒットと言って良いレベルの興行収入があったそうなのですが、ヒット映画がおもしろいとは限らない例の中の一つというのが最終的な評価です。唯一共感がもてる点は・・・モヒート美味しいよね!くらいでしょうか。キューバ飲んだらそりゃ美味いだろうな~と思います。

ブレイド

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USではTVシリーズ化されているほど人気があるらしいので、3部作の1作目から鑑賞しました。
元ネタはマーブルコミックのヒーローなのだそうです。

バンパイアとの混血の主人公がバンパイアハンターとなって大暴れする内容なのですが・・・
冒頭のアクションシーンは有名なだけあってなかなか見応えがあるのですが、アクション映画なのにグダグダが多くてストーリーにもスピード感も無く、開始30分でダレました。
生け贄とか邪神復活だとか風呂敷を広げるのは良いのですが、復活した邪神が笑えるほどショボかったり、ダークヒーローなはずの主人公がかなりお人好しだったり、殺陣いろいろ不満があります。
アンダーワールドと比べると多少マシ?くらいの出来ですが、このシリーズは2と3の人気が高いらしいので、とりあえず2は観てみる予定ですが、これと同じ程度ならば3はスルーすることになるでしょう。

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