DVD: 2008年11月アーカイブ

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最近ひいきにしている俳優さんであるデンゼル・ワシントン出演で、しかも監督がリドリー・スコットとなればこれはもう観るしかないということで、ベトナム戦争中のアメリカを舞台に麻薬ギャングとしてのし上がった実在の人物であるフランク・ルーカスの物語「アメリカン・ギャングスター」を鑑賞しました。

フランク・ルーカスと言ってもあまりピンときませんが、”戦死者の棺に麻薬を詰めて密輸したギャング”と言えば、耳にしたことがある人は一気に増えるのではないでしょうか。
なんでも、当時は混ぜものばかりで純度3割前後のヘロインが一般的であった時代に、純度100%に近い高品質ヘロインを安く流通させ、一気にドラッグ王にのし上がった人物だそうです。ヘロインは麻薬の中の麻薬、昨今は純度100%だと逆に危ないという理由からまずもって流通していないそうで、その威力は「あっちにいったっきり戻ってこられなくなる」ほどだとか。

物語はNYを中心に展開されるのですが、当時のNYはそれこそ警察まで麻薬と賄賂に汚染されどうしようもない状態なところ、リッチー・ロバーツという凄腕警察官がフランクに立ち向かうという図式です。
有り体に言って、すげぇよくある話だと思うのですが、そもそも、そのよくある話の基がこのお話の主人公たるフランクの実話なのだそうで、そう思って観るとちょっとありがたみが増します。

映画の出来はさすがというか、少なくとも観る価値アリの出来だと思いますが、反面、割とよくあるお話である点とはともかく、長くて中だるみがある点は明らかなマイナスです。
さすがリドリー・スコット、見せ方が上手いぜ!と唸る場面はもちろんありますが、特に思い入れの無い人にはあまり意味の無い部分です。
私は主演俳優と監督、ともにお気に入りであったことから十分楽しめましたが、どちらもあまり興味が無いというのであれば、他にもっと面白い映画をオススメできるかな?というような評価の作品です。

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寒くなってきたとたん休日は外出からDVDモードに早変わり。今回は比較的新しい08年3月公開の映画「バンテージ・ポイント」を観てみました。
ひいきにしている辛口映画レビューサイトで95点を叩き出していただけに、大いに期待していた作品です。

ストーリーは、スペイン外遊中のアメリカ大統領が演説中に狙撃されたところから、犯人逮捕までのおよそ20分くらいの時間を人物と視点を変えながら何度も繰り返し、最後に真相へ辿り着くというもので、ストーリー的には何の捻りも無いのですが、最初から最後まで手に汗握る展開の連続でとても楽しめました。

正直なところ95点という評価が妥当だと私は思いませんでしたが、アクション映画が観たいなぁという漠然とした欲求に応える作品として、上位にランク付けできるだけの質の高さがあります。
途中の無意味に近いカーチェイスや、女の子が轢かれそうになるシーンはなんだかありきたりだなぁと思うのですが、テロ屋のターンの爽快感とシークレットサービスのターンの切羽詰まり感、そして徐々に明かされてゆく平行して起こった出来事の連続に圧倒されて、あっという間に時間が過ぎてゆく威力の高い作品です。

ストーリーがめさめさありきたりなので、ストーリーに奇を衒った作品が好きな方にはあまりオススメできませんが、王道ストーリーで剛速球勝負(でも、きれいなストレートではなく、たとえるならスプリット系のボール)のアクションが好きな方なら必見と言えるでしょう。

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