DVD: 2009年4月アーカイブ

ハンコック

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TutayaDiscasの予約リストに何の気無く入れていたら、リストの下の方にも関わらず突然届きました。ウィル・スミス主演でそこそこ話題作ということなので、いつか観てみるつもりではあったのですが。

さて、この映画は公開のときから後半の展開はメディアに対しても厳重なネタバレ厳禁体制で臨んでいました。そのネタバレ規制のおかげで興味が沸いた作品なので、その行為そのものに対しては対費用効果があったのではないかと予測します。が、規制までかけたネタにしてはあまりにとってつけたようなものであり、なんだか途中まで盛り上がってきた楽しい展開を一気に台無しにしたように感じてしまうほどがっかりでした。
途中まではそこそこ、まぁまぁ、けっこ~、面白かったのですが、その面白い展開のピークから途端に迷走をはじめて最後の方は物語の趣旨はどんなんだっけ?となるような間の抜けかたであり、ネタバレ部分が違った展開ならばあるいは名作の仲間入りも?というくらい面白かっただけに残念でなりません。
おもいっきり竜頭蛇尾なので、ウィル・スミスのファンであるか、ネタバレの内容がどうしても知りたい人、そこまで酷い展開ならば逆に観てみたいなどという特殊な例を除いてオススメできない映画でした。

この自由な世界で

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昨今、不況の真っ直中で失業率や求人倍率は2年前には考えられないような数値に突入しておりますが、海外で日雇い労働をテーマにしたこの作品がちょうど目についたので(そしてレビューも概ね好意的な意見が多かったので)観てみました。
舞台はロンドンの郊外。シングルマザーのアンジーが仕事をクビになり、ヤミの日雇い労働者斡旋所を自ら経営することになるお話です。EUの労働法で労働許可書が無い人に仕事を斡旋すると5年以下の懲役になるそうで、それに怯えながらも息子のジェイミーを育てるために斡旋をやめられないアンジーがだんだんとブラックな方向に突き進んでゆき、とにかく「貧すれば鈍する」を絵に描いたような作品でした。
やや短絡的で、ヒステリックかつエキセントリックなアンジーと、思慮深く安全第一な友人のマリーの対比が物語をシンプルにまとめているようですが、とにかくアンジーがもの凄い突撃野郎なだけに、マリーの手堅い(そしてしっかり成功する)面が地味な演出なのに妙なほど印象にのこりました。

結末はみてのお楽しみにしたほうが良いと思うのですが、かといってオススメ作品というにはいま3歩くらい足りなかったなぁと感じています。失業者、日雇い労働者問題に対する皮肉の色が強い作品ですが社会問題色は控えめで、焦点がぼやけているように感じられた点が残念でした。

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世界の食文化を取り上げたドキュメンタリーのDVDで、レビューで高評価されていたので観てみました。
30分のドキュメンタリーの2本立てで、1つめはドイツの食肉文化について、農家のソーセージ造りを軸にしたもの。家畜の豚を解体してソーセージを作る過程を余すことなく映しており、豚の解体シーンは・・・グロテスクなどと思うどころか、解体職人さんのあまりの手際のよさにただただ感心するばかりでした。屠殺して血抜き>後ろ足の腱に棒を通してフォークリフトで逆さづり>熱湯を入れた樽につけてから毛を毟る>腹を割いて内臓を取り出す>背骨をタテに割って2枚に分ける>リフトから降ろしてさらに細かくカット
という手順で解体し、味を付けた後に取り出した内臓に詰めたりパテにしたり燻製にしたりするわけですが、それらの作業を3人がかりの4時間で片付けてしまう光景はまさに熟練の技でした。
なんでもドイツでは中世から木の実で育てることが可能な豚を家畜として飼う文化があり、各季節に1匹ずつ豚を潰して保存食を作る伝統がいまなお農村部で続いているそうです。そのソーセージ(ブルストというそうです)の種類は軽く40以上あり、どれも美味しそう!しかしいまでこそ嗜好品の一つとして捉えられているブルストは、かつて生きるための手段であったわけで、蹄と目玉以外のすべての部位を使い切ることでその精神を受け継いでいるように思えました。

2つめは穀物がテーマで、ヨーロッパの小麦、東南アジアの米、南米のジャガイモ、など、各地方の穀物文化を取り上げたものでした。が、こっちは豚の解体にくらべて華がなく、内容はおもしろかったのですが、いまいちとらえどころが無かったなぁというのが正直な感想です。今なおヨーロッパの山岳部では狭い農地で小麦を植えて、黒パンを石窯で焼いて生活している家庭の映像は牧歌的な風景とは裏腹に、都市部とはくらべものにならない厳しい自然の脅威にさらされているとのことなのですが、このDVDが作られた頃と今ではかなり情勢が違っているようです。(現在では世界の穀物生産は特定地域に依存する傾向が急激に高まっています)

それにしても、作中でなんども語られていたことではありますが、現在の日本の食卓というのはあらゆる時代あらゆる国のそれとくらべて、最も贅沢であるということは紛れもない事実なのでしょう。ミシュランの世界グルメ都市格付けではぶっちぎりで東京がナンバーワンであったとのことですし、一般家庭で和洋折衷日替わりででてくる国は日本を除けばほとんど無いそうです。それじゃ太るのも仕方がないよね!と思いたいところですが、WHOの統計では肥満人口率がもっとも少ない国のひとつに入るそうで、やっぱり日本の食文化は恵まれているのだなぁと改めて思った次第です。

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