DVD: 2008年5月アーカイブ

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偶然2週続けてラッセル・クロウ主演の作品となってしまいましたが、ビューティフルマインドを観ました。
この作品は、実在のジョン・ナッシュというノーベル賞を受賞した数学者の半生を描いた作品です。

このナッシュという数学者は若い頃から精神分裂症(最近では総合失調症と呼ぶそうです)を患っていて、現実と妄想の区別がつかず、徐々に日常生活も難しくなってゆきます。描写の説明をすると完全にネタバレになってしまうので控えますが、私はすっかりだまされました。

ノーベル賞を受賞した数学者の物語の割りに偉業への道のりについては物凄く淡白な扱いで、主題は闘病生活なのですが、終盤にはにとってつけたようなアカデミックな描写やノーベル賞授賞式のシーンがありました。それが無いと話に締まりがなくなるので仕方が無いとは思うのですが、妄想シーンの比率を下げてでももうすこし学術的な部分を増やしてもよかったのではないかなぁと思います。

各所に見所はあったものの、正直なところ精神分裂症の妄想シーンなどは観ていてかったるくなるところも何箇所かありました。良いお話だとおもいますし、つまらなかったわけでもないのですが、人に薦められるほど私自信が楽しめなかったので、ちょっと評価も低めです。ただし、役者の演技は素人目からしても見事な出来だと思いました。
この作品もラッセル・クロウのファンでもなければ取り立ててオススメしませんが、観たら観たでそれなりには観るべき点があるかとおもいます。

シンデレラマン

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以前グラディエーターを観た後に、ラッセル・クロウつながりでツタヤDiscasの予約リストの下のほうに入れておいたシンデレラマンを観ました。

この映画はボクシングの世界タイトルマッチで史上最大の番狂わせをやってのけたジェームス・J・ブラドックという実在したボクサーを描いた作品です。
主人公のブラドックは確かにボクサーなのですが、怪我した体でリングに上がりライセンスを剥奪され、アメリカの大恐慌で働くこともままらなず、今で言う生活保護を受けなければ家族が飢えてしまうような境遇であり、ボクシングよりも恐慌による生活苦の方が切実な問題となっていました。
そこからチャンスを掴み、妻子を食べさせる為に再びリングで活躍するわけですが、ライセンス剥奪期間中に怪我が治り、次々と難敵を破って世界チャンピオンにまで上り詰めたという事実は、当時のボクシングがまだ未成熟で月に何試合もこなさなければならないような時代背景ならではのことなのでしょう。
物語の主題として、時代に翻弄されながらも強い絆で結ばれた家族愛があり、ブラドックは世界チャンピオンから陥落した後はチャンピオンになったときの賞金で家を買い家族と一緒に暮らすという救いのあるエピローグで、後味の良い作品でした。

それなりに面白いと思うのですが、「それなり」です(笑)。穏やかな内容のせいか、すこし物足りなさがあるのが正直な感想であり、強くオススメできる作品ではありませんが、ラッセル・クロウやレネー・ゼルヴィガーのファンなら観てもいいかなぁと思います。
ちなみにレネー・ゼルヴィガーさんは「シカゴ」のロキシー(明らかに悪妻)のイメージが強かったのですが、この作品では良妻役です。いつロキシーばりの手のひら返しが炸裂するか楽しみにしていたのですが、最後までそういうシーンはありませんでした。

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ここのところDVDで単打はあっても長打は無かったので、期待を込めてフォレスト・ガンプを観てみました。
さすが多くの人が絶賛するだけあって、非常におもしろかったです。
愚直なガンプの行動の端々から訴えかけてくるもの、シンプルな生き方に感じ入るものがあります。もっとも、愚直の美徳というものは往々にして結果が出たときのみ感じるものであって、論外の愚にはそもそも愚直という表現をされないものですが。とはいえ、進むことに躊躇いの無い姿というものは、たとえ物語であっても心に響くものです。

アメリカの歴史を辿る演出や幼馴染のメンヘル女の振る舞いは、ちょっとやり過ぎかなぁと思わないでもありません。ヒッピーなんてあんなものといえばそれまでなのかもしれませんが、行動に意図が感じられないというか、事実だけ辿ればたとえ感動的なシーンであってもフォレストをいいように利用しているように見えてしまうのが、演出なのか穿っているだけなのかわかりませんが、すこーしイラッときます。
一方で、ダン中尉とエビ漁船の話、特にダン中尉が「神様と仲直り」するシーンは、この映画で一番見ごたえがありました。その後に中尉がエビで稼いだお金を「リンゴの会社」に投資するエピソードや、フォレストとメンヘルの結婚式に現れたときの、憑き物がおちたような表情など、この映画のMVPはダン中尉できまりでしょう。

個人的には、なんだかとても良いタイミングでこの作品にめぐり合えたような気がしています。細事にはこだわらずシンプルに前進するような生き方を実践してみれば、今度はまたちょっと違った目がでるかもしれません。
中だるみもなく最後まで楽しく観られました。大人であれば無難に勧められるだけの深みのある作品だと感じました。

オーシャンズ13

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近所のツタヤに大量入荷されていたので観てみました。11はまぁまぁ、12はダメダメ、13はどうなる興味があったわけですが、12よりマシ、11よりダメ、微ダメな作品でした。

序盤のもたつきが無くサクサクと場面が移り変わるので、理解できるのならばダレた印象を持たずに観られる反面、予備知識の無い状態で観たらわけもわからず中盤に突入してしまうような作風なので、続きのお話では無いものの、前の作品を観ておかないと話についてゆけません。また、前回と前々回の敵であったベネティクトが今回は味方になるところは良かったのですが、前回ライバルキャラとして出てきた男が登場場面の少ないヤムチャと化しているところや、オーシャンズ13なのに、13人のナンバリングが強引で、有名俳優女優ばかり無理やり集めたツケというか歪が出ているように思えます。
ただし、前回のように落とし所がサムいわけではなく、友情ドラマという要素で筋を一本通したおかげで、だいぶ鑑賞しやすくなった点は良いのではないかと思います。やっぱり気骨ある老人が活躍するドラマは良いです。老人力バンザイです。
多くの人が、これ以上シリーズを続けるのは無理だろ・・・と思っているに違いないとは思いますが、この強引なやり口でどこまで続くのか、どこまでクオリティとのバランスを取るのか、そういった視点だとなかなか興味深いものがあります。でも・・・ あえて観るほどではないでしょう。

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