デフレの正体

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古本屋のワゴンでたまたま見かけたこの本、以前から興味があったので買って読んでみました。いわゆるビジネス書籍はあまりBlogに投稿しないのですが、この本は万人向けで、経済にあまり興味が無い方でも読む価値がそれなりにあると考えたので投稿に至った次第です。

本の内容は単純明快で、今の日本の経済的停滞は社会の高齢化による労働人口と国内消費の落ち込みが原因であり、現在行われている景気対策はまるで見当違いである。消費の落ち込みを回復させるためには、高齢者の消費を拡大させるための企業努力、労働人口を補うため女性のさらなる社会進出、子育て世代を中心とした世帯の所得増加が望まれるというもの。

それらを解りやすい事例により解説しているのが本書であり、広く認知されている景気には波があり、不景気のあとはそれなりの好景気が来るという安直な信仰を粉砕するものと言えます。本書の主張では日本の経済状態は今後もネガティブな方向に突き進む(直接そのような表現こそ無いが)と言っているようなものであり、暗い話題に辟易している方にはあまりオススメできませんが、リアルなマクロ経済の一端を理解する書籍として優れた作品です。
ただし、筆者の文体が意図してかどうかは解らないものの、かなり嫌味な部分も多く、嫌悪感を抱く方も少なからずいるのではないかと思います。とはいえ、著者の大人げない部分を割り引いても興味深い一冊であることは確かであり、個人的には普段からあまり経済に興味の無い方々にこそオススメしたい作品だと感じました。逆に、普段から経済誌を愛読している層にはなにを今更という話題も多く、あえて指名読みをするほどではないかなとも思います。が、ちょっとした雑談のネタにしやすい話題が随所にあり、少なくとも私は楽しく読むことができました。古本で購入した価格分の価値は十分にあったと評価してますが、新品買うほどじゃないなというのもまた事実です。

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このページは、が2011年5月25日 23:40に書いたブログ記事です。

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