セブン

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比較的新しい年のアカデミー賞受賞作品の中で面白そうな作品を探してみたところ、ブラット・ピット主演のセブンが目にとまったので早速召還してみました。

ブラット・ピットが演じる刑事課に配属されたばかりの警官と、モーガン・フリーマン演じる定年間際のベテラン刑事が七つの大罪になぞった連続殺人事件を担当する、サイコサスペンス映画です。


この映画はラストシーンがわかってしまうと楽しさ半減なので、これから観る予定のある方は追記を観ない方が良いかと思います。
なので一言、今まで観たサイコサスペンス映画の中では「羊たちの沈黙」と並んで、最高クラスの映画でした。

最初から最後まで飽きのこない構成で、極めてよくある刑事の相棒物でありながらモーガン・フリーマンの重厚な演技と含蓄のある言葉から、まるで「ありきたり」を感じさせません。そして猥雑かつ暗澹とした都市を時には醜く、時には生生しく、また時には無機的に捉えた深みのある映像構成は、素晴らしいというより「完成された」印象を受けました。そして何より、意外というほどではないにしても虚をつかれるラストシーン。強烈なほど後味は悪いものの、映像とともにストーリーも「完成された」映画であると思います。
題材は本当にありきたりで、七つの大罪に沿った連続殺人など割と良くありそうなネタなのですが、それを制御されたグロテスクをともなうインパクト十分の映像で有無を言わせぬ説得力をもたせ、ストーリー進行もベテラン捜査官の技巧とご都合主義をうまく絡めつつ、ところどころ痛快な演出をちりばめるなど、観ている者のハートを鷲掴みにしてくれます。
作中にあえて急激な展開の起伏を作らないように意図されてか、残酷なシーンがでてくる前には必ずその前触れがあるのでドキリとさせられることは無かったのですが、それだけに映像そのものは凄惨であり、特に序盤の掴みと中盤のダレそうな時間帯にキツいのがそれぞれ仕込まれている点など、監督の思慮の深さが感じ取れるようです。

少なくとも子供に見せられるような作品ではなく、人によっては嫌悪感を抱くテーマであるとも思います。ですが、この映画が素晴らしい作品であることに変わりはありません。内容的に安易に人には薦められませんが、この手の映画が好きな人にならば自信をもって薦められる作品です。個人的な評価では「羊たちの沈黙」と比べると1.5枚ほど落ちるとは思うのですが、先にも述べたとおり最高クラスの評価であることもまた事実です。

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このページは、が2007年11月22日 22:05に書いたブログ記事です。

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