映画評論では常に「傑作」という冠のつく作品なので、いつかは観てみたいと思っていました。
ネタバレ注意報ということで、以下追記にて。
あらすじは、主人公の軽犯罪者が日々の労働をサボるため精神病患者を装い精神病院へ収容されるところからはじまり、その中でトラブルを起こす主人公、精神病院に収容されている患者、カウンセラーの看護婦さんとの心の交流、や葛藤、対立を描いたものです。
あらすじだけ聞くと、主人公の起こすトラブルに巻き込まれながら、精神病患者が次第に心を取り戻してゆくという心温まる展開がモロに予想され、実際途中までは本当にそんな感じです。しかしながら、中盤以降は主人公の起こすトラブルが過激化し、詐病のはずが本当に精神を病んでいると判断されるようになり、クリスマスに起こした脱走計画実行寸前の大盤振る舞いで酔っ払ってしまい脱走に失敗。患者の一人は自殺、主人公は更生不能と判断されて脳手術の後、廃人になってしまうという救いの無い話です。最後には同士のネイティブインディアンの大男が廃人となった主人公を絞殺し、静かに脱走して物語は終わります。
確かに「傑作」で、アカデミー賞の主要部門を総なめにするだけの威力があったのでしょうが、有り体に言って私は面白いとは思いませんでした。
映画に求めているものが違うといえばそれまでなのですが、とてつもなく後味の悪い映画で、当時の精神病棟を皮肉っていたり、社会風刺をしているようなのですが、そうであってもカタルシスが無く、終盤はもう、勘弁してやれよ・・・という気分でした。
先にも述べましたが、「求めているものが違う」ので、評価のしようがありませんが、逆方向とはいえ、ここまで心を揺さぶる作品である以上、ふさわしい人が観れば「傑作」と評価する映画なのかもしれないと思うには思ったものの、少なくとも人に薦められる類の作品だとは思いません。
逆に、臨床のカウンセラーを目指している人や映画史に興味がある方などは、誰と薦めなくても既に観ていることでしょう。
昔友人の一押しで見ましたが、ここであらすじ見てもそーだった?と思い出せないぐらいの印象です。
管理社会に対して不満を抱き、なにかに変わりたいと思ってるようなタイプの人には訴えかけるものがあるのかもしれません。
その友人は変わってしまってどこか違う世界へ行ってしまいました。
傑作ってやつはホント人それぞれですね。
俺のお勧め傑作は「悪魔のいけにえ」ですw
有名な話なのでご存知かもしれませんが、
カッコーは巣を作りません
なので、真面目に観ちゃいけません、この映画は
>Jigさん
悪魔のいけにえ・・・
早速ツタヤ召還リストに登録しました!
ホラーはあまり観ないので、ちびってしまうかもしれません。
>Pigさん
託卵のことですね。
私は詐病のマックが精神病棟にいるということ=通常は存在し得ない場所で・・・
というふうにタイトルを解釈しました。
悪魔のいけにえはホラーマニアの中での大傑作なので鑑賞には十分お気をつけて・・・。
血とかはほとんど出てこないんでグロ耐性なくても大丈夫です。
ラース・フォン・トリアーの『イディオッツ』もこの手の映画としてはオススメですよ。
病院側の気持ち(たぶん病院長)も理解でき
ない訳ではないが、脳手術はヤリスギだと思い
ます。速やかに、刑務所に戻すべき。
もっつとも、最初に(ラ婦長どのが異を唱えず
に)ムショに戻しておけば、マーフィもおとなしゅう
しておって、斯くたる悲劇は防げたろうに。
but,ムショで暴れたらば、どうなるのでしょうか?
登場人物が皆、個性的かつ愛すべき人びとに
描いてあり、清涼感を感じさせる作品であった
と思います。