ベニー松山 「隣り合わせの灰と青春」

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だいぶ前に大尉さんに薦められたWiz1の創作小説の文庫版である「隣り合わせの灰と青春」を偶然見つけたので、早速読んでみました。

和風Wizにも共通する話ではあるのですが、Wiz1の創作にはなぜか青春群像テイストが良く似合います。無一文から始められ、ストイックかつデンジャラス、そして一攫千金を狙えるという設定(これも創作ではありますが)は、まさに若者が挑む王道パターンと言えるでしょう。
それはともかくとして、内容は実にまっとうな話であり、ストーリーは可も無く不可も無く、直球ど真ん中のストレートなお話だったのですが、Wiz1に思いいれが多少でもあるとそれが触媒になり、面白さに火が点きます。特に、10階で猿のようにトレジャーハントに明け暮れた経験のある人にとっては、キャラクタに対し強い共感を覚えること請け合いです。

ターゲットを絞りに絞った小説ではありますが、Wiz1に思いいれのある方、和風Wizを読んでおもしろかった方には、ほぼ確実にクリティカルが発生すると思います。

それにしてもベニー松山さんは、他のジュブナイルも何冊か読みましたが、2次創作作品に関しては筆者の作風というかこだわりというかそういうものをあえて消し、没個性に徹しつつオリジナルの作風を生かす文章が非常にうまいです。なにもオリジナリティだけが作家のステータスというわけでは無いと思い知らされます。

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あれ定価で買うとんげ~高いよ

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このページは、が2007年8月16日 00:10に書いたブログ記事です。

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