高野和明 「13階段」

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日々の生活が爛れてくると、掃除がおもいっきり手抜きになる>Blogを書かなくなる>TwitterのTLすら読まなくなる。という3段階があるらしく、今はちょっと復調してBlogを書かなくなる状態です。GW開けの健康を維持するためにも、いわゆる「明日から本気出す!」を実現するために、今日からちょろっと更新を再開しようと思った次第です。

さて、GWに遊ぶはずだった3DSのFE覚醒は、Amazonへの発注ミスで3DSの本体だけ届いてソフトが無い状態となっているのですが、一緒に頼んだ13階段は無事届いたので戯れに読んでみました。

さて、この本の評価は結論から言うと、期待通りとても面白くて一気に最後まで読んでしまったものの、うーん・・・ という秀作なれど歯切れの悪さは否めないといったところでしょうか。ここからはネタバレ含みなので追記にします。

未読の人は・・・ 警察や検事ものが好きなひとならストライクは固く、ミステリが好きな人でもライトな作品限定でも無い限り楽しめるのではないでしょうか。古本屋で2~300円くらいで買えるはずなので、その価値は十二分にあると断言できます。

なにはともあれ、面白くて最後まで一気に読んでしまった盛り上がった心を谷底に突き落とす後味の悪さは尋常ではありませんでした。
純一が南郷に向けて書いた手紙の内容は、予想はしていたので衝撃こそ少なかったものの、ここまで盛り上げておいてコレかよ・・・ という落胆は拭いきれません。

落胆の原因は、リスク管理のなってない人間がトラブルに巻き込まれるのは自業自得と考える節が私にはあるので、純一に同情する気持ちはこれっぽっちもありませんでしたが、その純一を信じていた愚直ともいうべき南郷が結果的に殺人罪で起訴されてしまうのですから、こちらは落胆の原因としては十分です。さらに純一からろくでもない内容の手紙を読まされてしまった境遇を考えると、おそらく正当防衛が認められて無罪にはなりそうな感じでしたが、南郷には大いに同情的な気持ちになりますし不憫に思いました。

土に埋まった仏閣を掘り起こして、さらにそのなかの不動明王の中に証拠の品が10年も隠されていたという演出設定にはやや疑問がのこりますが、それ以外の部分では概ね残念な部分は見当たらなかった点は好印象です。

しかしまぁ、後味がとにかく悪いので、あまり人には薦められない作品であり、私も時間が経ってから読み返したいとはおそらく思わない、そんな作品です。でも、一回は読む価値が十分にあります。最後に嫌な気分になるのも織り込み済の作品であり、アレがあったからこそ読んだ人に強い印象を残す結果となったのでしょう。

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このページは、が2012年4月30日 22:07に書いたブログ記事です。

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