東野圭吾 「白夜行」

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以前からよんでみたかった作家さんのひとりである東野圭吾さんの作品です。図書館に行ったらちょうど戻ってきたばかりのこの本がテンポラリの書架に置いてあったので読んでみました。

内容はちょっとかわったミステリー小説なのですが・・・ 序盤から完全に吸い込まれました。確かにコレは「凄い」としか言いようがない作品です。凄いという言葉はなんだか安っぽく感じられてしまいそうで普段からあまり使わないように心がけているのですが、この作品は本当に鳥肌が立つような薄ら寒さがずううううっと続く強烈なもので、凄いという言葉にふさわしいだけのモノがあります。内容はかなり暗澹たるもので生理的に受け付けない人もいることでしょうが、その気持ち悪さも作品の魅力の一部でありその嫌悪感が強いからこそ動機に筋が通っているのではないかと感じました。
中心人物のひとりである雪穂に深く関わる人間は常に不幸がつきまとう訳ですが、そのアンチモラル的な行いすら一種のピカレスク小説のような趣があります。その悪魔的な手口の鮮やかさには気持ち悪さを感じつつもどこかスカッとする自分の感性にちょっと不安を抱いたりもしますが、他のレビューでも似たりよったりみたいなので外道エッセンスの匙加減が絶妙であるということになるかと思います。

正直、こんな感想を読んでもわけわからんだけだと思いますが、今まさに久々に面白い小説を読んだ充実感に浸っているのでご容赦ください。内容が内容だけに誰にでも勧められるわけではありませんが、少なくとも私にはレフトポール直撃の2ランホームランクラスのスマッシュヒットでした。ボリュームがかなりなものなので(一般的な推理小説2~3冊分くらいかな?)手が出しづらいという要素も多少はあるかもしれませんが、厚い本だからという理由でスルーするにはあまりに惜しい作品です。

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このページは、が2009年4月26日 23:02に書いたブログ記事です。

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