ミミズクと夜の王

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電撃文庫というライトノベルの文庫から出版されているものの、ぜんぜんライトじゃないというので話題になったこの作品、近所の図書館で貸し出し可能になっていたので早速借りて読んでみました。

確かに、挿絵が一切無かったり、スラングや誇張表現を用いず文章で読ませるスタイルであったりと、確かにいわゆるライトノベルとは毛色が違う作品でした。が、一線を画するというほどかけ離れているわけではありませんでした。奇を衒わないストロングスタイルには好感が持てますが、一方で瞬間風速で勝負をかけた作風なことから、永く印象に残るという作品でも無い気はします。しかし、それを筆者自身が意図していたものだと後書きで語っている潔さこそ強い好感が持てます。

対象年齢は中高生あたりまでになると思いますが、本を読み慣れない若人を読書の道に引きずり込むきっかけになれる読みやすさと内容を兼ね備えた作品で、「むかしむかし」から始まって、「めでたしめでたし」で終わる、真ん中高めのストレートで勝負する清々しさを感じました。ただし、内容はほぼ皆無です。
実は以前よりかなり期待していたので少々辛い評価となってしまいましたが、まずは秀作と評して問題ないかと思います。ただし、逆R18です。世間擦れした大人には素直に受け入れがたいお話と言えば、概ね理解してもらえることでしょう。6割くらいダークサイドに身を沈めている人間にとってはなおさらです。

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このページは、が2008年9月23日 21:24に書いたブログ記事です。

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