レッドサン ブラッククロス

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5月の中旬から6月の頭にかけてのタイトスケジュールをなんとかこなしてやっと一息つきました。途中に足の怪我もあり最悪のケースがいろいろと頭を過りましたが、終わってみれば苦しかったものの「よく働いた!」という満足感があります。

さて、その多忙な時期に私の心の清涼剤(笑)として機能してくれた本が佐藤大輔のレッドサン ブラッククロスです。清涼というか、登場人物に比すると自分のおかれた状況など楽園のようだと思えるお話で、現在は新書が11冊+α出版されているのですが、忙しいといいつつ全部読んでしまいました。(そして睡眠時間は無残なまでに削られるわけです。)

レッドサン ブラッククロスは初版が93年とやや古い本なのですが、かつて私は架空戦史というジャンルを意図的に遠ざけていたので(旧日本軍が嫌いでした)存在すら知りませんでした。ところが、佐藤大輔先生の「皇国の守護者」を読んで面白かったことと、旧日本軍嫌いもいろいろと本を読んでいるうちにすくなくとも嫌いではなくなったことから本作に至りました。内容は、第二次世界大戦でアメリカが連合国に参加せず、独逸が欧州をほぼ制圧し、日本が太平洋戦争を行わずに民主化を遂げた先のお話で、レッドサンとは日の丸、ブラッククロスはハーケンクロイツの意味なのだそうです。いまだ完結してないこの作品の流れとしては、独逸の北米侵攻>日英同盟のインド洋確保>太平洋の覇権争い なのですが、本編のいまのところ最終巻である11巻、サブタイトル「パナマ侵攻2」まで進んでおきながら、いまだパナマに侵攻どころかやっとこさ艦隊が出撃したところで続きがかれこれ7年近く出版されていない、いわば未完成の状態で放置されているようです。
佐藤大輔先生の作品は非常に面白いのですが、唯一にして最大の不満は物語を完結させる意思が全く感じられないこと。これに尽きます。皇国もキリの良いところとはいえ、さてこれからというところでストーリーは完全にとまってますし、レッドサンブラッククロスに至ってはヘビの生殺しと言えるでしょう。星界の戦旗シリーズの森岡浩之と同じくらい投げっぱなしているように私には感じられました。

あえて細かい感想は避けますが、11巻まで読破後の「生殺し」を覚悟できるならばオススメの作品です。ただし、佐藤大輔先生の作品をまだ未読であるならば、皇国を先に読んだ方がいいかなぁとは思います。作風が随分違う上に両方とも万人向けとは言い難い内容なのですが、多分皇国がおもしろかった人はレッドサンブラッククロスもストライクになるものとおもいます。

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このページは、が2007年6月 3日 21:05に書いたブログ記事です。

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