060615 Huntress考察
現在のHuntressのゲーム内における立場を端的な表現をすると、「軽騎兵」という言葉がマッチするように思える。ほどほどに高い攻撃力と機動力、そして紙のような薄いアーマー、相性の良い相手にはひたすら押し込み、相性の悪い相手には一目散に撤退する、そういうUnitである。
・運用とタイミング
Huntressの運用上の特徴は長所と短所がはっきりしている点で、Unitそのものは扱いやすいUnitではあるが、運用上はピーキーで投入するタイミングと数量によって強さが大きく変わってくる。Huntressの短射程攻撃は通常のMeleeより攻撃を集中させやすく、移動速度も速いので追撃や撤退の性能も高い。敵味方ともUnit数が少なく、機動力を封じる手段が存在しない局面においては、Huntressは明らかなアドバンテージをもったUnitである。同コストならばGruntやFootman、Ghoulといった初期MeleeUnitを圧倒するだけの力がある。反面、アーマーがUnarmored属性なのでPierce属性攻撃に弱いのだが、数が揃わないうち、具体的には互いに4−5体までなら互角か若干有利に戦える。特に障害物の無い開けた地形ならば、機動力を存分に生かして優勢になることもあるが、相性が良いわけではないので決定打にはなりづらい。特にUndeadがDK+即蜘蛛オーダーの場合、DeathCoilでの回復と追撃性能を考えると同数でも若干不利である。逆のケースとしては、NightElfのArcherは、耐久力が極端に弱いので多少の戦力的不利も地形次第では削り勝ちできる。
このように、最序盤でのHuntressはかなりの戦果が期待できる優秀なUnitであるが、問題はTier2に入ってからで、HumanのSorceress、OrcのRaider、UndeadはGargoyle、NightElfはDryadと、Huntressを主力にした場合、強烈に相性の悪いUnitがまず間違いなく出てくることになる。Huntressはいくら序盤で強くても無計画に量産すると命取りになり、これこそHuntressが運用上の難点そのものである。
一方で、Huntressがどうしても必要な局面というのも限られているのも事実であり、HumanのDefendFootmanRushやUndeadのGhoulRushがTier2の進化完了前後に来た場合などにHuntressがいたら便利ではあるが、無ければ終わるというほどでは無い。とどのつまり、Archerだけではのっぴきならない状況に2−4体のHuntressを混ぜる程度の運用が一般的である。UndeadがTier2でGhoul&Gargoyleのコンビネーションを使ってきたとき、Orcが早い段階でGrunt&TRを狙ってきたときなどは、Huntressがいると心強い。
さて、ここまではHuntressの言わば消極的な運用方法に触れてみたが、序盤の機動力と強力なプレッシャーを生かし、Huntressを積極運用するというのもNightElfのオプションの一つである。狙いとしては、開幕から2AoWの即HuntressでFood35〜50までを目安に継続生産を行い、積極的にプレスをかけるのが第一段階。その後相手の守りが弱い場合にはTier2進化を捨ててGTとTowerを絡めて詰めにかかる、押し込んだ隙に2ndを取る、通常進化をしつつ全力でCreepingを行うなどの選択肢がある。無論、先に触れたTier2になるとHuntressへのカウンターUnitが出てくるので、カウンターUnitへのカウンターが整うまでの時間をいかにして潰すかというのが重要になってくるが、序盤にしっかり押し込めているのならば、途中からHuntress単独からArcherを混ぜるなど編成を変化させるなり、機動力にモノをいわせて敵陣を強襲するなりの工夫で凌ぐのが一般的である。この戦法はどの種族に対しても一定の効果が望めるが、特にNightElf同士の戦いにおいては、ArcherからLore系のDryadや熊に繋ぐオーダーの完成直後あたりをHuntressとGTのオーダーで駆逐することができるので用いられるケースが多い。
Huntressの攻撃は多段Hitの特殊攻撃であるが、その特性としてFootmanやGhoul、ArcherといったFood2のHPが低いUnitに対しては効率よくダメージを与えながら素早く倒すことができるのだが、Food4以上の上級Meleeに対してはダメージ反射のおかげで攻撃が分散し1体を倒すのに時間がかかり、耐久力の低いHuntressには分の悪い相手である。ステータス上では不利を感じない組み合わせであるが、Huntressを上級Meleeにぶつけるのはよほどの物量差がある場合を除いて積極的に避けるべき組み合わせと言える。あくまで前衛は他のUnitで足止めし、後半まで残ったHuntressは敵の後衛を狙ったり、本陣の農民狩りを行ったり、2nd建設地点の見張りや建設妨害などに使ったほうが効果的であるケースが多い。特にSentinelとNightSightを使った偵察は夜間において圧倒的な索敵性能を誇り、視界の差を利用して敵主力を一方的な監視下に置くことも可能である。SentinelはNightElfにとって貴重なInvisible看破の手段であり、HumanのInvisibleMortor特攻やBladeMasterのWW対策に特に有用であり、終盤まで残ったHuntressは戦闘Unitとしてはほとんど期待できないものの、最初に述べた「軽騎兵」としての運用を考えれば工夫次第で相手にとって厄介なUnitである。
今日、Huntressを主軸に置いた戦略はNightElfの主流とは言い難いのが現実である。しかし、戦略が煮詰まってきた状況を鑑みるに、Huntressはゲームにアクセントを加えることができるUnitの一つである。特に上級者はHuntressの機動性を生かすマルチタスク操作と勝負どころの分進合撃、相手を受身にさせておいてリソース勝ちを狙う戦略を使うことも少なくない。それらは操作量にモノを言わせた高度な戦法でありやり方が解っても万人にできるものではないが、高機動Unitというのは使い方次第でいくらでも活躍の場があるという良い例にはなるだろう。Huntressは操作的には扱いやすくクセの少ないUnitであるが、裏腹にその運用方法は難解である。無理に使わなければならない局面こそ少ないものの、その能力を存分に生かすことができればNightElfの戦略の幅が大きく広がる、そういうUnitではないだろうか。
旧 Huntress考察
NightElfの主力Unit。その高い機動力と偵察力で戦場を縦横に駆け回る、弱点らしい弱点の無い優良Unit。中級者までなら、相手に航空兵器が無いことを条件に、何も考えずにHuntressを量産して戦っているだけでも勝負になるほどである。特徴としては、Normal属性の攻撃にもかかわらず短いとはいえ射程のある攻撃を行うところだ。これにより、普通の直接攻撃タイプのUnitよりも集中攻撃がかけやすく、特にHeroを仕留める時に有効な手段となる。また、攻撃力自体は低めなのだが、攻撃が初期状態で1回、アップグレードすると2回、1/2の攻撃が他の敵Unitに反射するので、総ダメージ量はむしろやや高いくらいである。HitPointはやや低いのだが、機動力があるので、ダメージが蓄積したらすぐに後方へ下がることができるので、手間はかかれど補うことが可能なのが大きい。ただし前衛Unitとしてはアーマーが低めなので、乱戦にやや弱く、敵軍と正面からまともにあたると案外脆い一面もある。また、特殊能力であるSentinelは、一回限りしかつかえないのだが、強力な偵察スキルである。Huntress自体を量産することが多いので、そのたびに通路のそばにある木にフクロウを飛ばしていれば、敵の動きがかなり正確に把握できるだろう。Huntressは機動力と偵察力で敵の行軍中や戦闘中などに攻撃を仕掛けるように心がけたい。また、夜間の戦闘では、傷ついたUnitを後方にさがらせることなく、Hideのスキルをつかってその場で待機させる方法が非常に強力である。これができるとできないのでは戦闘力がだいぶ違うので、可能ならば大規模な戦闘は夜間に行いたい。なお、Priestess
of the MoonのTrueShotAuraは射程攻撃全般が対象なので、Huntressにも有効である。
Huntressカウンター
まず、Huntressには対空能力がないので、追い払うだけならば空対地攻撃があれば良い。だが、それだけでは一時凌ぎにしかならない。Huntressはたしかに優秀なのだが、そのなかでも特に機動力が優れている。なので、Huntressの対策をする場合は機動力を奪う作戦が有効である。方法としては、魔法やスキルによって動きを遅くしたり止めたりする方法と、狭い地形で乱戦に持ち込み、囲んで攻撃する方法がある。無論、併用すると効果は絶大だ。HumanならばSlowとThunderCrap、OrcならばPurgeとWarStomp、NightElfならばSlowPoison、EntangleRoot、Cyclone、UndeadならばFrostNova、FreezingBreath、Crippleを使ってみると良い。また、HPがさほど高くないので、ChainLightningやBlizzardでもかなりの効果が望める。特に、SlowをかけてからBlizzardで攻撃するコンボは非常に効果的である。また、Huntressは生粋の前衛タイプというわけではないので、前衛に特化したUnitであるTaurenやKnightならば、正面からでもかなりの戦果が期待できる。Abominationは動きが遅いので、UnholyFrenzyで強化してから戦わせたい。
Sentinelカウンター
Sentinelによる見張り偵察は、NightElfの生命線とも言える。これを妨害しないで放置するのはとにかく危険なので、素早い処理が求められる。基本的には、フクロウが止まっている木を倒してしまえば良いので、UndeadならばGhoulで木を攻撃すれば簡単に処理できる。OrcとHumanは、Workerで木を攻撃することで、多少時間はかかるが処理が可能である。NightElfは、木を倒す能力がやや劣るが、フクロウが止まっている木でTreant召還する以外では、Ballistaで攻撃するしか処理方法が無い。だが、これを怠ることは利敵行為と言えるので、めんどうくさがらず行いたいところだ。
ver.1.03からはSentinelはDispelできるようになった。これにより、フクロウを見かけたらこまめにDispelをかけることが大事である。
ver.1.04 02/12/13
あいかわらず優秀なUnitであることに変わりはないが、最近はDryadの台頭により活躍の場はだいぶ減ったようだ。NightElfの有力な主力候補であることは変わりないのだが、戦力の切り替えのタイミングは全体的にだいぶ早まり、Huntressは序盤から中盤の頭を機動力と偵察力で掻き回し主導権を確保するまでが主な仕事で、それ以降はLore系のUnitに繋いでゆくのが一般的な流れとして認識されつつある。Huntressの活躍できるタイミングが短くなった背景には無数の屍の上にコツコツと積み上げられた対Huntress戦略がプレイヤー全体に広まったことが大きな要因であり、機動力を奪う、効率よく確実にダメージを与える、という基本戦術を徹底すると意外なほど脆く、最近では相手に与えるプレッシャーも低くなった。しかし、基本性能の高さは健在であり、短射程のNormal属性攻撃は対SmallArmorUnitと対Heroには相変わらずの威力である。徹底した対策をされると完全に封じられる危険性があるものの、戦闘開始時のポジショニング次第で弱点を補える点も多い。戦果が操作によって大きく左右されることから安定感に欠けるものの、それはNightElfの特徴ともいえるものであり、Huntressに限った話では無いのでネガティブな要素として捉える必要はないだろう。その点では、Dryadの方が正確かつ細かい操作が求められるのでHuntressの方が扱いやすさは上であり、DryadとHuntressの戦力比が逆転するのは相応の技量が身についてからである。単純に量産しているだけで戦える時代は過去の話であるが、早い時間帯に出せるUnitの中ではいまだにアドバンテージがあるのは確かであり、弱点が露呈しない局面では安定した戦果が期待できる。なお、SentinelはDispelが可能になった点や、木を切り倒さなくてもフクロウを追い払えるように弱体化したものの、相変わらず強力な偵察監視兵器であることに変わりは無く、Huntressを使うのであれば開発は必須であり、全てのフクロウを使い切るくらいの勢いでばら撒くのが基本である。逆に、Sentinel対策としてのDispel、AbolishMagic、Purgeをケチってはならない。
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