WitchDoctor考察
補助魔法、間接魔法に長けたUnit。持っているすべての魔法がきっちり使いどころがあり、プレイヤーの技量によって活躍の度合いがずいぶん違ってくる。Unit自体の性能は特別良いというほどでもないが、悪いと言うことも無い。攻撃力がやや低いので、後衛の主力はShamanに譲ることになるが、序盤からGruntメインで最終的にTaurenにつなぐような戦略を選択した場合は、ShamanよりもWitchDoctorの配備を優先させるほうが前線が安定する。初期装備のSentryWardは監視偵察用の魔法で、見えない監視の杖を任意の場所に配置して600ｓの間周囲に視界を得る。2ｎｄや要所の見張りにうってつけの魔法である。ただし、Cloakを看破されると杖を破壊されてしまう。消費マナも少なめなので、Manaに余裕があるのならば、各所に撒いておくと良いだろう。Orcは機動力が低いので、なるべく無駄のない主力の運用が求められる。SentryWardにより多くの地点に視界があると移動の選択材料をより多く得ることができる。AdaptecTrainingで装備されるのはStasisTrapWardで、150ｓの間任意の地点に罠を仕掛け、敵が効果範囲内を通過すると罠が発動して敵を12ｓの間スタン状態にすることができる。大量の敵軍を罠にはめることができると、非常に見返りが大きいので、偽装退却などのテクニックを駆使して積極的に使うのもおもしろい魔法である。MasterTrainingで装備されるのはHealingWardで、回復の杖を任意の地点に立て、20ｓの間効果範囲内の味方のHPを2％/ｓ回復する。WitchDoctorを使う場合はほとんどの場合この魔法が目当てである。特に最大HPが高いUnitの方が効率よくHPを回復できるので、Taurenとの相性が良い。戦闘中は前線の裏にHealingWardを常に配置するよう心がけると、Unitがかなり長持ちする。なお、2本以上同時に杖を立てても回復速度は重複しない。また、杖は敵の攻撃により破壊されるので、敵の射程範囲内に立てるのはすぐに壊されて無駄になってしまうので避けるべきだ。消費マナがかなり多いので、マナ残量には気を使う必要がある。StasisTrapやSentryWardは工夫次第で非常に幅広い用途がある。WitchDoctorはHealingWardの優秀さばかりではなく、他の魔法も十分使う価値があるので、無理にFortressを目指してMasterTraningを行うだけではなく、中盤の挿し合いからでも十分活躍する場があるので、早期投入も十分考えられる。

　　WitchDoctorカウンター
Unit自体の戦闘力は低いので、Normal属性Unitで接近戦に持ち込むのが確実である。問題はStasisTrapとSentryWard対策である。これらは透明化しているので、通常の状態では看破することができない。OrcがFortressまでタウンシンボルを進化させる前からWitchDoctorを投入している場合はほぼ間違いなくSentryWardによる偵察とTrapによる強襲を狙っているので、できればHeroにGem of TrueSeerを持たせて、杖にかかっている透明属性を看破して間接攻撃Unitにより安全に罠を処理してしまいたい。それができない場合でも、あからさまな偽装退却などをOrcが行った場合はTrapの存在に気を使い無理な追撃を控えたりして安全を確保すると良いだろう。行軍も数体のUnitを先行させることにより罠の被害を最小限にとどめる工夫が有効である。WitchDoctor対策で最も重要なのは、HealingWardの処理だと言える。HealingWardの回復能力は脅威なので、Wand of NegationやPurge、AbolishMagic、DispelMagicなどでWandを消してしまうと良いだろう。それが不可能な場合は、直接攻撃を加えて破壊しても良い。HealingWardはMP消費が大きいので、対策さえしっかりしていれば完封するのも難しくない。特にWitchDoctorはShamaｎとともにOrcの後衛を固めているので、HealingWard対策ついでにBloodlustも解呪できるDispelMagicとWand of Negationを効果的に使うことにより、だいぶ戦いやすくなるだろう。

　　ver.1.03　　02/11/04
　最大の変更点はStasisTrapの起爆とスタン時間の変更である。以前は発動までに12ｓ効果時間12ｓ、味方にも当たり判定有だったのだが、今回のパッチで起爆6ｓ効果6ｓ、味方に当たり判定無しになった。ようするに起爆までの時間が短くなって味方に判定が無くなった代わりに、威力が落ちたということである。だが、味方に当たり判定が無くなったことによって仕掛けのバリエーションが大幅に増え汎用性が高くなったことによる恩恵は威力の低下を補って余りある。以前は敵軍の裏に展開するのが基本であったが、今回の変更により自軍の最前線に仕掛けるのがもっとも一般的な仕掛けである。立てた杖を6秒間保持し、起爆した瞬間に次の杖を立てそれをまた保持することにより、敵の前衛の動きをだいぶ制約することができる。起爆時間と効果時間が同じなので一見完全に固めることができるような印象を受けるが、起爆のモーションと設置のモーションに若干のラグがあるので、よほど上手に設置しても2ｓ程度の効果時間の空白ができてしまう。とはいうものの、決まればかなりの効果があるので積極的に狙いたい戦法である。成功率を上げるためには、杖の配置を工夫したり、杖を複数置いたりするのが効果的だが、オススメなのは杖の起爆までの時間をTaurenChieftenのWarStompで稼ぐ戦法である。StasisTrapの設置は画面で確認するのが困難なので、多くのプレイヤーが設置音で判断をする。その性質を利用して、設置音をWarStompの爆音で消してしまえば気づかれずに杖を設置できる。その上、杖自体を牛親分の巨体で隠してしまえばほぼ確実に決められるのが売りである。かなり難しい技術を要するのだが、タイミングが合わなくてもWarStompで数秒間の時間を稼げれば十分な場合も多い。杖の設置はいろいろなバリエーションがあるので、自分の得意なパターンを数種類持っていると心強い戦力になる。また、もう一つの変更点として、HealingWardの杖の耐久力が5に下がったことが挙げられる。これは事実上HPが無くなったのと同じであり、以前はDispellを使わずに破壊するのはそれなりに手間がかかったものだが、今回の変更で攻撃射程内であれば簡単に対策されてしまう非常に脆い代物になってしまった。これにより、前線付近に杖を立てるのはリスクが大きくなり、敵後衛の射程外に設置しなくてはならないだろう。今回のパッチでShamanが弱体化したことから相対的にWitchDoctorの価値が上昇した。StasisTrapがある程度計算できる魔法になったことにより比較的早めに投入できる点も評価され、ShamanよりもDoctorを急ぐのが一般的なスタイルになりつつある。攻撃力があまり期待できないのだが、StasisTrapとHealingWardを駆使してOrcの戦線を維持するのがDoctorに求められている役割だろう。