もげたんとお姉さん BNデビュー講座  五日目

 

登場人物紹介

・もげたん(職業:Peon)
 War3はクラシックをオフラインキャンペーンを遊んだ程度。あこがれのおねーさんに触発されてWarCraft3TFTでBNデビューを果たしたものの惨敗。おねえさんに指導を仰ぎリベンジを誓う。BNでRTLに再挑戦して見事勝利するものの、今まで以上に己の未熟さを痛感しおねえさんに教えを請う。

 

・お姉さん(職業:Warden)
 もげたんの家の近所に住むおねーさん。TFT発売当初からBNの常連で総戦闘数は3000を超えるベテランプレイヤー。メイン種族はNightElfだが、当然の如くすべての種族に精通する。 廃人言うなっ!

 

 

  BN再デビューは成功?
 おねーさん、おねーさん、聞いてよおねーさん
  あらもげたん、いらっしゃい。昨晩の戦果はどうだったかしら?
 それがね。勝つには勝てたのだけれども・・・
  それは良かったわね。おめでとうもげたん。
 うん、ありがとおねーさん。でもね、勝てて嬉しいんだけれども、素直に喜べないことのほうがおおいんだ。

 RandomTeamLadderの3v3をやっていたみたいだけれども、あんまり活躍できなかったの?

 んじゃ、ちょっと長くなるけど昨日の戦果についてお話するね。 えーっと、結局20Gameやって・・・8勝12敗だったの。
 ちょ、おまっ、一日20ゲームって・・・

 

 結果だけみれば、初心者だしこんなもんかなーと思えなくもないのだけれども、8勝のうち3勝は戦う前に敵のチームが離脱しちゃって、ちゃんと戦って勝ったのは3ゲームだけなんだ。あまりの2勝は、相手があんまりにも酷かったのが1回と、味方がものすごく強かったのが1回かな。負けた中でも、すぐに味方が落ちてしまって負けたのが2回あって、そのほかのゲームではそこそこ戦えたゲームもあったけれども、全体的に局地戦で押し負けるケースが多くて、正直に言うと味方の足を引っ張るとまではいかなくても、チームの流れを淀ませていたとおもうんだ。

 

 ゲームの流れにうまくのれるようになるには実戦経験を積むしかないのだから、最初の20ゲームくらいでまともに戦えるゲームが何ゲームかあっただけでも練習の成果が出ていると思うわよ。
 じつは、もうちょっと勝てるかなぁと思ってたんだ。このあいだと違って、ちゃんと練習してから参加したんだから。
 前にもお話したけれども、このゲームは発売されてからもうかなりの時間が過ぎているのだから、BNにいるプレイヤーはベテランの比率が高いのよ。実戦経験が豊富な相手にオフラインの練習だけで圧倒するのはまず不可能と言っていいでしょうね。そういう意味では、今回の戦果はそう悲観したものでは無いと思うの。
 後発は後発のアドバンテージを生かさなきゃいけないんだったね。
 そうよ。ちなみにいうと、ベテランプレイヤーといってもピンキリだから、しっかりと基礎を固めればSoloLadderで徐々に勝てるようになってくるわよ。  これからの内容は、BNデビューというよりもゲームのシステムについて、あいまいな部分をはっきりさせることを重点的にすべきだとおもうわ。
 あいまいな部分がはっきりするとどうなるの?
 状況を正しく分析することができるから、判断がずっとよくなるわよ。なんとなく押し負けているから、とりあえず数をだしとけ!っていう姿勢じゃ、最初はなんとかなってもすぐに行き詰るわ。
 そういわれてみると、操作の方法とか具体的な戦い方が見えてきたのは確かなんだけれども、戦場の状況によって方針を変えるっていう段階にはまだ至ってない自覚はあるんだよね。
 それじゃ今日は、ゲームシステムの根幹の一つ、アタックタイプとアーマータイプについて説明するわね。これが正しく理解できると、Unit同士の相性がみえてくるの。
   アタックタイプとアーマータイプ
 アタックタイプとアーマータイプ?そんなのあるなんてぜんぜん知らなかった。

 

 ではまず、アタックタイプの確認方法から説明するわね。これは、Keeper of the Groveのステータス画面だけれども、このDamageっていうアイコンの上にマウスのカーソルを乗せてみると、右のコマンド一覧の上にType,Range.SpeedっていうWindowがでてきたでしょ?
  ここに出てくる情報が、Unitのアタックタイプね。同じようにArmorのところにポイントすると、アーマータイプとダメージの軽減率、そして移動速度が確認できるわ。
 普通のUnitだとこの2つだけなのだけれども、Heroの場合はPrimaryAttributeのアイコンが表示されるわね。KotGの場合はIntがPrimaryだからIntを表す脳のアイコンがみえるでしょ。
 

 

 PrimaryAttributeってなに?

 

 HeroのStatsにはStrength、Agillity、Intelligenceの3つがあるわ。Strが1上がるにつき、最大HPが25上昇するのと、HPの自然回復速度も上昇する。Agiは3上がるとArmorが1上がるのと、攻撃速度が上昇する。Intは1上がるにつき、最大MPが15上昇して、Manaの自然回復速度も上昇する。というのが基本ね。

 上のようなStatsの効果に加えて、HeroはStr,Agi,Intのどれか1つがPrimaryAttributeに設定されているの。例えば上のKotGはIntがPrimaryだっていうことはわかってもらえると思うのだけれども、Intが上がれば攻撃力にもボーナスが付くっていうのが最大の特徴よ。

 具体的に言うと、KotGがStr+3のアイテムを拾った場合はMaxHPが+75して、HPの回復速度がほんの少し上がるだけだけれども、Int+3のアイテムを拾った場合は、MaxMPが+45とMPの回復速度が少し上昇する上に、Damageにも+3のボーナスが付くの。

 

 なるほどねー、FarSeerとTaurenChieftenがいるときにStr+3のアイテムがあったら、TCに持たせたほうが攻撃力も上がってお得だよ!ってことだね。

 

 そういうこと。実際にはHPが低いIntHeroにStr+3を持たせて補うこともあるけれども、基本的にはPrimaryAttributeにあわせてアイテムを持たせることが重要よ。これは前にもすこしお話したことだから、気になったら4日目の内容を思い出してみて。

 今日注目したいのは、アタックタイプとアーマータイプよ。さっきのKotGはアタック、アーマー、両方とも「Hero」っていうタイプになるわね。じゃあもげたん。Archerのアタックタイプとアーマータイプを調べてみて。

 

 えーっと・・・アタックタイプはPierceで、アーマータイプがMediumだね

 うん、あってるわよ。こういうふうに、Unitにはそれぞれアタックとアーマーに属性がついているから、まずはそれをすべて覚えるところからはじめましょうか。

 ええええ、全部のUnitをおぼえなきゃいけないの?そんなの大変だよ!
 だいじょうぶよもげたん。アタックタイプもアーマータイプもそれぞれUnitの特徴によって、いちいち確認しなくてもほとんどわかるのよ。例えば今みてもらったArcherはPierce/Mediumだったけれども、このAttack/Armorタイプ(以下A/Aタイプ)のUnitは主にTier1から出せるRangeAttackのUnitの特徴よ。さあもげたん、Archer以外のPierce/MediumのUnitはなにがあるかわかるわよね?
 えーっと、Tier1から出せるUnitだから・・・TrollHeadHunterとCryptFiendとRiflemanかな?
 そのとおり。特にPierce属性のUnitは見た目も尖ったものを投げつけたり、鉄砲で攻撃するUnit全般だから、例えばWindRiderとかFlyingMachineの対空攻撃とか、見た目からもPierce属性ってわかるでしょ。
 じゃあ、Huntressの手裏剣投げもPierceなのかな?
 あれは尖ってるもの投げつけてるけど、アタックタイプはNormalね。Huntressは例外に含まれるUnitの一つなの。A/Aタイプの覚え方は、さっきのPeirce/Mediumのように一般的な特徴を覚えることと、それ以外のHuntressをはじめとした例外に属するUnitを覚えることで完成されるわ。
 一般的な特徴を覚えてからその中に含まれないUnitを覚えるってことだね。なんとかなりそう。

 

 ではつぎのカテゴリーを説明するわよ。FootmanやGruntなどのMeleeUnit全般はNormal/Heavyの属性ね。上級Meleeと呼ばれるTier3から出てくるKinghtやAbomination、Bear、TaurenもNormal/Heavyに含まれるわ。例外として、OrcのRaiderはSiege/Mediumだから気をつけて。あとは当然だけれども、MeleeタイプHeroは全部NormalじゃなくてHeroっていう属性よ。

 アタックタイプのNormalは、おもに近接攻撃と覚えるといいわ。HuntressやSpellBreakerは短い射程があるけれども距離が短いから近接に含めて覚えましょう。

 

 MeleeUnitはNormal/Heavyで、Normal攻撃は近接攻撃一般ね。覚えたぞ!
 次は魔法Unit全般ね。SpellCasterはMagic/Unarmoredという属性になるわ。Prist、Shaman、Necromancer、Druid of the Talonあたりが該当するわね。
 Caster全般はMagic/Unarmoredね。了解。
 次は大型AirUnitよ。該当するのはGryphonRider、Chimaera、Destroyer、FrostWyrmでMagic/Lightに属するわ。さっきも出てきたけれども、WindRiderは尖りモノを投げつけているから大型AirUnitだけれども攻撃属性はPierceね。大型に限らず、AirUnit全般はLightアーマーだから覚えておいて。例外はFlyingMachineで、空飛ぶくせにHeavyArmorだから気をつけて。
 WindRiderは例外だったんだ。ChimaeraとかDestroyerとかFWはMagicっぽいからなんとなく覚えやすいよ。AirUnitはLightアーマーっていうのも、空飛ぶから軽いっていうイメージ?なのかな。

 次は小型AirUnitでRange攻撃なもの全般、属性はPierce/Lightよ。DragonHawkRider、FaerieDragon、HippogryphRiderあたりがこれに該当するわね。例外はTrollBatRiderで、通常攻撃は対地のみのSiegeよ。
 小型のMeleeタイプAirUnitはNormal/Unarmoredに属するわ。もっとも、GargoyleとHippogryphしかいないのだけれども。Gargoyleは対地攻撃の属性がPierceになるから注意して。

 いくらAirUnitでも近接したらNormal属性なんだね。小型のAirUnitで射程もってるやつはだいたいPierce属性っておぼえちゃってよさそうだよ。
 最後に攻城兵器全般はSiege/Heavyね。Demolisher、MortorTeam、GlaiveThrower、MeatWagonがここに含まれるわ。攻城兵器でも例外になるのはSiegeEngineで、このUnitの通常攻撃は建物攻撃のみのSiege/Fortだから例外中の例外といえるわ。
 こうしてみると、いろいろ覚えることが多いのは確かなんだけれども、UnitのタイプによってA/Aタイプは決まってくるから、覚えるのは難しくなさそう。
 そうね、特にアタックタイプは見た目そのままっていうのも多いから、一度覚えてしまえばすぐにイメージが沸くから、そうそう忘れるものでもないのよ。
 つぎは、特殊なA/AタイプをもつUnitだね!
 それでもいいのだけれども・・・先にA/Aタイプがどういう意味をもつのかというところを説明してしまいましょう。そうしたら、Unitの相性がとてもよくわかるようになるから、特殊Unitの理解もしやすくなるとおもうわよ。
 そういえば、A/Aタイプはどういう意味があるのかぜんぜん知らないや。

 

アタックタイプ x アーマータイプ ダメージ補正表

  Light Medium Heavy Hero Fort Unarmored
Normal 100% 150% 100% 100% 70% 100%
Pierce 200% 75% 100% 50% 35% 150%
Siege 50% 75% 100% 50% 150% 150%
Magic 125% 75% 200% 50% 35% 100%
Spell 100% 100% 100% 70% 100% 100%
Chaos 100% 100% 100% 100% 100% 100%
Hero 100% 100% 100% 100% 50% 100%

 

 

 この表は、あるアタックタイプで該当のアーマータイプを攻撃したときの攻撃力補正を表にしたものよ。

 例えば、ArcherでGruntを攻撃した場合は、Pierce x Heavyだから100%、つまり補正無しということになるわ。逆にGruntでArcherを攻撃したときは、Normal x Mediumだから150%、つまり1.5倍の威力になるということね。ちなみにFortというのは建物全般のアーマータイプ、SpellというのはHeroがつかう攻撃魔法のことよ。

 

 つまり、ArcherとGruntの場合は、Gruntの方が有利、GruntはArcherに相性が良いっていうことになるのかな。
 もちろん状況にもよるのだけれども、そう言ってかまわないと思うわ。まず、この表の注目すべき場所は、赤字担っている場所は1.5倍以上の補正がある箇所。水色は100%を割っている箇所ね。
 こうやってみてみると、建物のFort属性は別としてHeroのアーマータイプはとっても優秀だね。
 そうね、100%を超えるものは1つも無いし、Spell、つまり攻撃魔法やスキルに対しても抵抗力があるのもHeroならではよ。ただしMeleeUnitに囲まれるとアタックタイプがNormalは補正がかかってないから、あっさり倒されてしまうこともあるわ。Heroとの相性はまた違った話になるから、今回は一般Unitを重点的に考えて見ましょう。
 他は、PierceでLightに200%っていうのと、MagicでHeavyに200%っていうのが目立つよね。200%っていうことは要するに倍ってことでしょ?
 そのとおりよ。じゃあ、PierceでLight、MagicでHeavy、にそれぞれ攻撃をするシチュエーションは、具体的にはどんな状況かしら。
 えーっと、Pierceは普通のRangeUnitだよね。それでLight・・・つまりAirUnitを撃つ時かな? Magicの方は、普通にCasterがFootやらGruntやら撃つ時だよね。そういうことは何度かあったけど、あんまり2倍もダメージを受けている感じはしなかったなー

 

 PierceでLightを撃つのは、もげたんの言うとおり殆どの場合はRangeUnitによる地対空攻撃のことだから、AirUnitはArcherやRiflemanの攻撃に非常に弱いっていうことよ。同じRange攻撃でもCasterのRange攻撃はMagicだから、地対空を考えると125%。そう悪い補正ではないけれども、Casterは攻撃力そのものが低いからあまり頼りにはならないわ。逆に、AirUnitのアタックタイプはほとんどがPierceかMagicだから、ArcherやRiflemanのMediumアーマーは75%しかダメージを受けないことを考えると、この組み合わせは非常に相性が良いっていうことがわかるわね。この表は、そういう風に状況を考えながら見ていくことが大切よ。

 

 

 じゃあ、MagicでHeavyを撃つ状況を考えてみるね。

 といっても、CasterでMeleeUnitを撃つときだから、いくらでも考えられる状況だよね。MagicでHeavyを撃つと倍だから、Casterの攻撃力はさほど高くないとはいえそれなりに痛いと思うんだ。逆のケースでNormalがUnarmoredを叩くときは100%だから、Caster側の方が有利って考えていいのかな。

 

 そうねぇ・・・40点ってところかしら。確かにCasterがMeleeUnitを撃つケースはもげたんの言うことは間違っていないけれども、Magic x Normalの200%を説明するにはとっても大切なところが抜けているわ。

 うーん、なんだろう・・・・
 Magic x Normalと言えば、大型AirUnitの攻撃に晒されるMeleeUnitの図をまず想像してほしいわ。MeleeUnitは当然対空攻撃はできないのに、大型AirUnitは攻撃力が70〜80当たり前な状況で2倍の補正がかかっている上に一方的に攻撃できるのよ。Magic属性の大型AirUnitはすべてSplash判定を持っているから、まとまった数で襲われたらそれこそ一瞬で吹き飛ぶわよ。
 ああっそうか!僕はOrcを使っているから大型AirUnitがMagic属性っていうことになじみが薄いけれども、GryphonやDestroyerはMagic属性だもんね。
 そうよ。さっき見たもげたんのリプレイの中でも、Destroyerに攻撃されてGruntがボロボロ死んでいくシーンがあったわよ。MeleeUnitが主力の場合には、常に相手が大型Airを出してくるかどうか探りを入れて、出してくるとわかったらすぐに対策、一例を挙げれば、さっきお話したAirUnitい相性がいいPierce/MediumのUnitを出すなどの対策をしないとね。
 なるほどね。ところでSplash判定ってなーに?
 Splash判定というのは、着弾地点の周囲にもダメージが及ぶ攻撃の名前よ。周囲は直撃するよりもダメージが低いとはいえ、周りにいるすべてのUnitにダメージが入るのだからとても効率よくダメージが取れるわ。特に大型AirUnitのSplash判定はかなり広いから、いくら相性が良いとはいえ体力の低いArcherやHeadHunterが密集しているところに攻撃を受けると負けてしまうことすらあるの。
 大型AirUnitって強いんだね・・・何でOrcにはいないんだろう。
 WindRiderはTier2から出せるし、確かにSplash判定は無いけれどもそれを補って余りある毒を使った集中攻撃があるんだから、決して不利なわけじゃないわ。でも、このお話ははじめると長いからまた今度ね。

 まずはPierce x LightとMagic x Heavyの関係はわかったよ。大型AirUnitはHeavyアーマー相手にはたくさんダメージを取れるけれどもPierce攻撃には弱いから気をつけなきゃねってことだね。

 次はPierceとSiegeがUnarmoredに対して150%っていうところに注目してみましょうか。
 これは・・・見たままだとおもうんだけれども。UnarmoredはSpellCaster全般だから、CasterはPierceとSiegeに弱いってことでしょ?Siegeは攻城兵器だけど、対Casterにも強いってことだね。

 

 はい、よくできました。そのとおりよもげたん。もうちょっと詳しく言うと、Pierce/MediumタイプのUnitはCasterのMagic/Unarmoredに対しては非常に相性がいいわ。攻撃は1.5倍、ダメージは3/4に軽減されるんですものね。攻城兵器の方は、アーマータイプはHeavyだから補正でいうとCasterの方が有利だけれども、決定的に違うのはUnitの射程よ。攻城兵器はすべて射程が100あるのだけれども、Casterは大体60ってところね。Casterも攻城兵器も後衛だから、間には当然敵味方の前衛がいるのだけれども、攻城兵器はその長い射程をつかって、自軍の後衛から敵の後衛に直接攻撃を打ち込むことができるのよ。補正こそCasterの方が有利だけれども、攻撃力そのものがCasterと攻城兵器では4-5倍違うから実際には不利にすら感じないわ。

 

 こうしてみると、Pierce攻撃ってすごく優秀なんだね。HeroとFortには相性が良くないけれども、LightとUnarmoredに200%だし、Heavy相手でも100%しっかりとれちゃうんだから。
 そうね、Pierce属性はいろいろと恩恵が多い属性でアタッカーとしてはまず申し分ないわね。弱点としてはPierce属性のUnitは総じて体力が低いことが挙げられるわ。KodoBeastなんていう例外もいるけれども、彼はそもそもアタッカーじゃないわけだし。
 あとは、表のアタックタイプにあるChaosってやつだけど、どんなUnitがこの属性なの?
 ごく限られたUnit、変身したDemonHunterやInfarnalなどがこの属性の攻撃になるわ。まずめったにお目にかからないし、あまり気にしなくて良いとおもうけれども、いざ食らったらすっごく痛いから気をつけてね。DHの変身攻撃もInfernalのパンチも泣きが入るほど痛いわよ。
 ううっ、食らったことが無いからわからないけれども、なんでも100%っていうことは覚えておくよ。
 さて、表の見かたはざっと説明したけれども、次はいよいよ特殊なUnitの説明をしましょうか。
 そうしよう、そうしよう

 

 まずはNightElfのHuntressとDryadね。HuntressはNormal/UnarmoredでDryadはPierce/Unarmoredだわ。

 HuntressはNightElfのTier1から使える前衛だけれども、UnarmoredだからPierce攻撃に弱いの。もちろん初期から出るPierce/MediumのRangeUnitはNormal攻撃に弱いからHuntressが一方的に不利というわけじゃないのらけれども、やっぱり前衛でPierce攻撃に弱いっていうのは致命的ね。あとはSiegeにも弱いけれども、序盤でSiege属性をもつUnitというのはNightElfのGlaiveThrowerくらいなものだし、数も簡単にはそろわないわね。ただ、中盤、Tier2に入るとSiege属性のUnitも出やすくなるから気をつける必要があるわ。

 

 それじゃHuntressはあんまり強くないUnitなの?
 そういうわけではないわ。Huntressの本領は対MeleeUnitの場合よ。特に初期から出てくるGhoul、Footman、Gruntと戦えば、短射程による集中攻撃と移動速度の差で圧倒することができるの。前衛同士の戦いでは有利だけれども、後衛が出てくると若干弱いっていうわけ。そういう点で、若干特徴が偏っていると言えるわね。こういう何かしらに特化された性質を、尖った性質ということもあるわ。
 なんで尖ったっていうのかな?

 

 ステータスをレーダーチャートにすると、どれか一つのステータスが高くて、それ以外が普通か低めになっていればチャートの描く図形が尖った形になるからよ。これはWar3だけに限らず一般的にも使われる表現だとおもうけれども・・・

 では、Dryadの説明に移るわね。 DryadはさっきいったとおりPierce/Unarmoredだけれども、もうひとつSpellImmunityという性質があるの。これはSpellとMagicの対象にならないというもので、つまりDryadはCasterや上級AirUnitのMagic攻撃や、HeroのSpell攻撃を一切受け付けないということね。
 アーマータイプはHuntressと同じUnarmoredだから、弱点も同じだけれども、DryadはTier2にならないと生産できないUnitだから、Huntress以上にSiege属性に対して注意が必要になるわ。ただし、Unarmoredの利点としてMeleeUnitのNormal属性攻撃に対しては補正を受けないから、それなりに耐性があるわ。後衛UnitなのにNormal攻撃に耐性があるというのは心強いわよ。その上、攻撃にデフォルトでSlowPoisonという追加効果がついていて、攻撃が当たったUnitは4sec移動速度と攻撃速度が低下するから、対MeleeUnitが得意なUnitだわ。

 

 うわっ、Dryadってすっごくつよいんだ。
 でもね、Dryadは魔法も通じない、Meleeでもなかなか倒せない、となったら相手はどうする?弱点を容赦なく攻めてくるわよ。もともとUnarmoredなんだからSiegeとPierceには弱いし、HPもそこまで高いわけではないわ。いろいろと特殊能力をもっていて高性能ではあるけれども、弱点が多く、耐久力が低いのが欠点と言えるわね。これはDryadに限らず、NightElfのUnit全般に言えることだわ。もちろん例外もあるけれどもね。
 うーん、NightElfは高性能なんだね。つかってみたいなぁ

 

 次はHumanの特殊例として、SpellBreakerとSiegeEngineを紹介するわ。

SpellBreakerのA/AタイプはNormal/Mediumね。攻撃はNightElfのHuntressのように、Normal属性の短射程攻撃なのが特徴よ。そしてSpellBreakerの名のとおり、対魔特化UnitなのでSpellImmunityのステータスをもっているわ。その上、攻撃はHuntressみたいに反射しないかわりにFeedBackという追加効果があるの。これは、攻撃を受けたUnitのManaを通常Unitなら20、Heroなら4消してしまうの、つまりHPだけではなくMPにもダメージが入るということよ。Manaを持たないUnitなら何も影響がないけれども、Casterにとっては致命的なことよね。さらに、SpellStealという魔法をもっていて、これは敵についているポジティブな付与魔法を奪って味方に付与し、味方についているネガティブな付与魔法を敵におしつけるというものなの。具体的な例として、敵にBloodlustがついていたらそれを奪って味方のUnitにその効果を付ける。味方にSlowがかかっていたら、それを敵のUnitに押し付けるということよ。これらの性質によって、SpellBreakerは対Casterに有利というだけではなく、敵軍のCasterの価値そのものを低下させるUnitと言えるわね。

 

 さすがSpellBreakerの名前は伊達じゃないんだね!
 ただし、アーマータイプがMediumだから、前衛タイプのUnitなのにMeleeUnitのNormal属性攻撃に弱いという一面があるわ。その分Pierce攻撃には耐性があるけれども、HP自体が低い部類のUnitだから、Manaをもたない前衛、MeleeUnitとまともに戦わせるのはもったいないUnitと言えるわね。いっそ後衛として考えてもいいかもしれないわ。
 これくらい弱点が無いと、ずるい気がするよ。
 さて、次はSiegeEngineだけれども、さっきちょっとだけ出てきたわよね。A/AタイプはSiege/Fortと例外中の例外よ。攻撃もSiegeだけれども、建物にしか攻撃ができないという性質があるから、対地上Unitとしての相性は考える必要がないわね。例外として、アップグレードを行うとPierce属性の対空攻撃のみできるようになるわ。
 建物と対空にしか使えないんだったら、使える場面は限られてくるね。

 

 確かにそうなんだけれども、局地戦では圧倒的な能力を発揮するわ。まず、アーマータイプがFortでアーマーそのものも硬いから、Siege以外の攻撃属性から大きなダメージを受けないでしょ?もちろん防御施設からもあまりダメージを受けないから、数台で敵陣に突撃したら短時間で敵陣を壊滅させるくらいの威力があるわ。多少のUnitが防衛にいても、ゴリ押ししてしまうだけの力強さがあるの。それに、対空Unitとして考えれば、アップグレードが必要なものの、複数のターゲットを同時に狙える攻撃力とこれまたアーマーがFortなので大型Airの高出力Magic攻撃を受けても簡単には倒れない耐久性で、極めて優秀な対空Unitよ。

 

 攻撃力そのものはあまり高くないから、たくさんAirUnitが出ているときじゃないとあんまりメリットがなさそうだけれども、Fortアーマーはいろいろメリットが多いんだね。弱点のSiege属性攻撃も普通はそんなにたくさん出るものじゃないし。
 HumanのUnitは全体的に尖った性能のUnitが多いわね。ツボにはまれば強いのだけれども、弱点を突かれると脆いという特徴があるわ。
 でも、いろいろ面白いスキルがあるから面白そうだよ。僕も早く使えるようになりたいな。

 

 次はOrc、特殊なA/AタイプをもっているのはRaider、WindRider、Batriderね。

まずはRaiderだけれども、A/AタイプがSiege/MediumのUnitよ。Siege属性だけれども、MeleeUnitだというのが特徴ね。このA/Aタイプから考えられる性能は、まず対Caster。Siege属性攻撃で1.5倍の補正が入るからUnarmoredUnitには相性がいいわ。そして、リサーチを行うとEnsnareというスキルを覚えるの。このスキルは敵Unitに網をかけて一定時間移動ができないようにするもので、攻撃から逃げるUnitを固定して攻撃するためのものよ。Raider自体も移動速度が速いから、Ensnareを使って逃げるUnitを追撃するのが得意なUnitね。もうひとつは建物への攻撃。Siegeだからダメージを与えやすいというのもあるけれども、OrcのスキルであるPillageを使えば建物に直接攻撃で与えたダメージによってリソースがはいってくるから、Raiderととっても相性がいいの。

 

 でもMediumアーマーっていうのが短射程でもないMeleeUnitだとちょっと問題あるんじゃない?Meleeから1.5倍もダメージを受けてしまうのは同じMeleeUnitとして痛いと思うんだけれども。

 たしかに、アーマータイプはあまり優秀とはいい難いわね。ただし、Ensnareの性能が非常に高いので、Orcユーザーには必須の存在よ。敵のMeleeUnitの隔離やHeroの詠唱止め、AirUnitを地上に落として攻撃を加えることもできるからMediumアーマーのデメリットを補っているわ。
 OrcはTrollHeadHunterがあんまり強くないから、RaiderでAirUnit対策にもなるんだったら一石二鳥だね!

 

 注意点として、Ensnareで地上に落としたAirUnitをNormal属性で叩いても、Lightアーマーには補正がかからないから簡単に倒せるわけではないということよ。大型AirはHPも高いから、地上に落としただけで対策したことにはならないから気をつけてね。

さて、続いてWindRiderだけれども、このUnitはアーマータイプは一般的なAirUnitと同じLightなのだけれども、アタックタイプはPierce、小型Airと同じタイプなのよ。

 

 うーん、小型Airと同じだったら弱点なように思えるよ。Heavyアーマー対策にならないんだから。

 

 よくよく考えてみて。そもそもPierce属性攻撃はいろいろとボーナスの多い優秀な攻撃タイプだったでしょ?一般的にはPierce属性は攻撃力があまり高くならない、せいぜい高くて20そこそこっていうのがほとんどなのだけれども、WindRiderに関してはおよそ40オーバーよ。Cooldownもそう遅いわけではないし、射程はAirとしてはかなり長い部類に入るの。そしてPierce属性ということはLightアーマーに2倍の補正がかかる、つまり大型Air同士の戦いなら、WindRiderが有利ということよ。その上毒槍のスキルをリサーチすればダメージがブーストされるから、補正がすくないHeavyアーマーにだってしっかりとダメージが取れるし、なにせ大型なのにTier2から出せるのだから、性能からして大型というより中型というべきなのかしら、とにかくWindRiderはアタックタイプがMagicではなくPierceという性質をうまくつかえば強力なUnitということね。

 

 そういわれてみれば、Pierceはいろいろと補正で有利な点が多かったよね。大型Air同士の戦いに強いのは心強いよ。
 さて、最後にBatRiderだけれども、A/AタイプがSiege/Lightで通常攻撃では対地のみの爆撃機タイプのUnitね。爆撃機タイプという点ではNightElfのChimaeraと同じといえるわ。BatRiderはSiege属性をもっているものの、体力が低いのでCaster狙いをするわけではないわ。BatRiderの狙いは、奇襲による建物破壊と、自爆攻撃による対空攻撃ね。
 じ・・・自爆?! こいつテロ屋なのか!
 テロ屋というよりもゲリラ屋ね。対建物攻撃はリサーチを行うことによって火炎瓶になって、Workerによる修理がBatRiderの攻撃が続く限りできなくなるから、奇襲にはうってつけよ。でも、BatRiderといえば、やっぱりAirUnitに対する自爆攻撃かしら。ダメージも一撃600でSplash範囲も広め、自爆だけあって強烈だわ。
 せっかくの自爆攻撃なんだから、大被害を与えないと損しちゃいそうだよ。

 

 そうね、確かに強烈ではあるけれども、大型AirUnitを一撃で葬るほどの威力というわけではないから、もしも大型Airに使うのであれば自爆った後に止めを入れるか、もしくはどんどんBatを突っ込ませて死ぬまで続けるか・・・ コストの問題もあるけれども、効率の良い使い方を考えるなら小型Airの群れに2-3匹突っ込ませるのがオススメよ。小型Airは狭い範囲に固まりやすいからうまくいけば数倍の数を仕留める事もできるわ。一番いけないのは中途半端な数を突っ込ませて止めをさせないケースよ。Batの無駄死にだけは避けなければね。OrcのUnitはどちらかと言うと攻撃重視の傾向が強いけれども、BatRiderはその最たるものといえるわ。

 

 OrcのUnitはある程度わかっているつもりだったけれども、こうしてみるとまだまだ知らないことだらけだったよ。もう少しUnitに対する理解を深めていかなくっちゃ。

 

 さて、残るはUndeadなんだけれども・・・実はUndeadには特殊なA/AタイプをもつUnitがほとんどいないのよね。 おなかから腸がはみ出てたり、味方を半狂乱にさせたりするファンキーな連中だけれども、奇跡的にA/Aタイプだけはまともだったっていうわけ。

 

 酷い言われようだね・・・
 冗談はともかくとして、UndeadのUnitは思いのほかシンプルというか、癖の無いUnitが多いのよ。もちろんいろいろな特殊能力をもっているけれども、他の種族にくらべて質実なイメージがあるわね。外見で判断しちゃいけないわよ。
 そうだったのか・・・ てっきり骨とか幽霊とか出てくるから、奇妙というかなんというか、トリッキーなイメージがあったけれども、そういうわけではなかったんだね。

 

 さて、今回はアタックタイプ、アーマータイプを主題にして解説したのだけれども、無論これがUnitのすべてというわけではないのよ。特にUnitに関してはあえてスキルの話題を掘り下げないようにしたから、A/Aタイプだけを見て判断しないように気をつけて欲しいわ。

 ただし、一番最初に言ったとおり、このアタックタイプ、アーマータイプに関する部分はゲームシステムの根幹を成す部分だから、なるべく正確に理解できるように心がけたいわね。私だって完全に理解しているという自信があるわけじゃないけれども、A/Aタイプ間の補正についてわかるようになれば、Unit同士の戦闘結果を具体的に考えることができるでしょ?

 

 うん、なんだかUnit同士の相性について自分でいろいろ考えることができるようになった気がする。
 これを踏まえたうえで、Unitの特殊能力やコスト、生産できるタイミング、オーダーなどを考慮して、自分の理想とするゲーム展開を机上の空論でもいいからイメージできるようになると、いままでペースについていけなかったゲームにも順応できるようになるわ。今日はその一歩といったところかしら。
 ぼく、すぐにゲームしたくなってきたよ!今日はUnit同士の相性も考えながらゲームをしてみるんだ。
 そうね、今回はちょっと長いお話だったから、忘れないうちにいろいろ実践してみるといいわよ。
 うん、そうするよ。おねーさん、いろいろありがとう。またくるね〜
 ええ、またいらっしゃい。気をつけて帰るのよ。

 

 徐々にゲームシステムについて理解を深めてきているもげたん。おねーさんはそろそろ仕上げの準備を考えているようです。

 果たしてもげたんは、今晩の戦いで活躍することができるのでしょうか。

 

 Unitの相性ばかり気になって、数がでなくなってはいけないわよ
 約束だよ!

 

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