RandomTeamLadder 3on3からはじめる War3 TFT


 第二章 3on3の流れ -ゲーム開始から終了まで-

 RTL3on3のゲーム開始から終了までの流れを捉えるため、時系列を基準とした大きな要素ごとにわけて個別に考えてみたい。要素を分ける基準はゲームにおける最重要項目の変化を基調とするが、そこに明確な線引きができないケースも多分にあるので、イメージをより解り易くするために要素ごとに名前をつけることにした。以上を踏まえて要素分けを行うと以下のようになる。

 1.初期オーダー >> 2.HeroRush >> 3.戦闘準備 >> 4.戦力集結(運用) >> 5.戦闘 >> 6.戦後処理と評価


 1.初期オーダーは、ゲームが開始して自軍の種族構成が明らかになってから、どのUnitを主力にして戦うか、また、おおまかな方針を決める。

 2.HeroRushは、第一目的を敵軍の種族構成やオーダーの確認を行うための偵察と牽制を行う。

 3.戦闘準備はテクノロジー開発とUnit生産を行う。

 4.戦力集結は、敵軍に対して戦闘を行うために戦力を集結する。

 5.戦闘は、敵軍を駆逐するため戦闘を行う。

 6.戦後処理と評価は、自軍と敵軍の残存兵力の確認を行い戦闘結果を評価し、これ以上の戦闘が不可能な場合は敗北、可能な場合は敵軍の偵察を行いながら3.戦闘準備に戻る。

 基本的な流れは以上のようになるが、例えば2と3、5と6などは平行して行われるものであり、4は省かれることもある。ある程度プレイヤーの力量が上がるにつれて、結局2以降はすべて他の要素と平行して行うようになるが、突き詰めると3を常に行いながら4〜6の要素が不定周期で回り、その周期が長くなれば戦闘の規模が大きくなり周期が短ければ小規模な戦闘が断続的に行われることとなる。


 ・要素の内容と基軸

 初期オーダー :BNのマッチングが終了すると各プレイヤーごとにゲームのローディングが行われるが、その待ち時間に使用Map、自軍と敵軍のプレイヤーの名前、プレイヤーのRTLレベルが公開される。ここでは最低限、敵軍の種族構成は覚えておく必要がある。また、余裕があるのならば敵軍のプレイヤーの名前とRTLレベルも一致させておくとプレイヤーの力量を判断する目安になるが、アテにならないケースもたくさんあるので過信は禁物である。ゲームが開始されると、自軍にいるRandomを選択したプレイヤーの種族も明らかになり、自軍の種族構成が確定する。この時点で得られた情報を元に、初期オーダーを選択することとなる。

 HeroRush :他のUnitに先んじ、Heroが出撃可能になった時点で第二段階のHeroRush期に移行することになる。HeroRushとは、Heroのみ、もしくはHeroが出撃可能になった時点で生産が終わっている少数のUnitによる偵察を兼ねた牽制である。攻撃対象は主にPeasantやPeonといったWorker(農民)に絞り、資源最終や建設を妨害し序盤の進行を遅らせることを基本とするが、3on3の場合は最大3体のHeroでRushがかけられることから、速やかに敵Heroを討ち取るという選択肢もある。無論、相手もHeroRushを仕掛けてくるので、自軍の被害の方が大きくなってしまうのならば、自陣の防衛を行った方が良いケースも多い。また、Heroによる偵察で相手のオーダーを確認し、必要に応じて自軍のオーダーや方針を修正する。特に確認しておきたいのは、敵軍に即進化系オーダーや、極端なRushオーダーを行っているプレイヤーがいるかどうかということで、即進化系ならRushで潰すか対策を講じる必要があり、Rushオーダーなら初期Rushで潰されないようにUnitの増産や防衛施設の建設などを検討しなければならない。

 3.戦闘準備 :HeroRush期における攻防を捌きながら、自陣ではUnitの生産やテクノロジーのリサーチを行う必要がある。HeroRushがひと段落した後はすぐに本格的な戦闘が起こることもあるが、一般的にはUnitの数がある程度揃うまではUnitを生産しながら手ごろなCreepを狩るケースも多い。ここで重要なのが、自分はすぐにでも戦える状態であっても、味方の準備が整っていないのならば攻勢に出るべきではないということである。場合によっては単独で荒らしを仕掛けても良いのだが、露骨な荒らしは敵の攻勢の呼び水になることもあり、また荒らしはチームで連携しなくては効果を上げることが難しいので、よほど状況がわかってない限りはCreepingが無難な選択と言える。ただし、Creeping最中に裏から襲われるのは絶対に避けなければならないので、攻勢に出られないときのCreepingは自軍の勢力圏内に止めるか、もしくは偵察を行い後ろから襲われる危険性が低い場合に素早く狩りを行いたい。なお、当然ではあるが、自軍に大きな被害が出るようなCreepingは論外である。あくまで戦闘準備期間であり、Creepingが主目的ではないということを念頭におきながら、素早く手堅く安全に行いたい。本格的な戦闘を前にしたCreepingと、それを行いながら確実に生産を行う技術は少なからず実力差が出る部分であり、ここで失敗すると戦う前から不利を強いられる。また、戦闘準備は以後も他の要素と並列して続けることが前提となり、Unitの選択と生産を含めれば戦闘以上にプレイヤー間の技術的な差が出る部分である。War3は戦術クラスのゲームではあるが、プレイヤーの意志が反映されるという点からも戦略的な要素はここに凝縮されている。

 4.戦力集結(運用) :やることは単純に戦力を集めることだが、その前段階における自軍のMap上の位置取りと索敵が重要となってくる。戦力の集結は、攻勢に出るときやCreepingなど通常移動で集合する場合。主に自軍の陣が攻撃されている時、もしくはされそうなときなど、TPで任意のタウンシンボルで集合する場合。遭遇戦などで、そこへ移動して随時戦闘に移行する場合と主に3通りがある。能動的に集合する場合には事前の位置取りよりも集合地点の選定が重要となるが、TPで集結するときはランディングポイントの選定とタイミング、遭遇戦から戦闘に移行する場合には、遭遇前に敵軍の位置を敵より早く正確に把握し少しでも早く集結することや、良いポジションを保持することが求められる。自軍が一方的に敵軍の位置を知っているという状態は、敵軍より早く戦力を集結させるために不可欠なものであり、多少の戦力差など問題にならないほど有利な条件といえる。
戦力の集結は、集合することよりも事前の索敵がものを言うので、Creepingをしながら索敵範囲を意識的にひろげていきたい。この要素の意味合いは戦闘直前の環境作りにあり、ある程度慣れてくると戦力を集中させることそのものが目的ではないのが解る。Unitの特性を生かし動かすという意味で「運用」という形になる。

 5.戦闘 :当然ではあるが、戦力が多いに越したことは無い。しかし、War3の戦闘は多少の戦力差ならば戦場での位置取りと戦闘中の操作でひっくり返ってしまい、戦力が互角でも終わってみれば圧勝と完敗になることも珍しくない。勝負どころならば、慣れないうちは他の並列作業を中断してUnit操作に集中するのもやむなしである。また、3on3では仮に負けることが明らかであっても、同盟軍がやる気満々で突撃してしまった場合などは戦わざるを得ないことも頻繁にある。そのような時はできる限り敵の戦力を削りつつ、自分の手駒に深刻な被害が出る前に撤退するなど粘り強い対応が必要である。長期戦になった場合、最後に頼れるのは自分の手駒だけなので、Unit1体にも神経を配り大切に使いたい。

 6.戦後処理と評価 :戦闘結果から次の行動を決定する。逆転不可能なまでにダメージを受けた場合など、敗北と判断するのもここである。少なくとも負けが揺ぎ無いほどに決まりそうな場合を除いては、戦況の大まかな優劣判断、戦闘終了後における自軍の状況と敵側の被害状況、必要であれば自軍の回復とHeroの復活などの処理を手早く済ませ、次の行動に移ることとなる。戦闘終了後は自軍の編成を大きく変化させるには絶好のタイミングでもあり、それは敵側も同じなので、戦闘結果が相打ちの引き分けになった場合などは互いに今後の方針を読み合い、より有利な展開へもちこめるように判断材料となる情報集めを惜しまず行いたい。実際のところは、これら一連の処理は戦闘中から順次進めることになる。また、敗北以外の判断を下した場合には、「3.戦闘準備」に戻りふたたび戦闘に備え、どちらかが敗北を受け入れるまで3〜6のサイクルが回りつづける。


 実際のゲームをするにあたっては、これらのサイクルを意識する必要性はほとんど無い。これらの要素は、今後の説明をよりわかりやすくするために要素分けをしたものであり、先に述べた通りゲーム中ではあらゆる時間で各要素が混ざっているからである。ただし、ゲーム中に何をすればよいのかわからなくなったとき。また、自分だけゲームの展開から取り残されていると感じたときは、ちょっとだけこれらの要素を思い出してもらいたい。そして、自分たちのチームはどの段階にいるのか確認するために味方の編成と陣地の構成を確認し、また相手が何をやっているのか知るために斥候を出してみたい。そうすれば、Team戦で自軍だけに向けられ孤立していた自らの意識が戦場全体にひろがり、その中から改めて自分の軍を認識することによって、自軍が影響を及ぼすことができる範囲が解り、Teamの方向性から再び流れに乗ることができるだろう。ゲーム内の可視範囲を広げるということは、自分が意識できる範囲そのものを広げることになる。


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