RandomTeamLadder 3on3からはじめる War3 TFT


 序章
 
 
 WarcraftIII the Frozen Throne発売から数ヶ月が経った今でもやればやるほど新しい発見のある、非常に奥が深いReal Time Strategyゲームの最高傑作の一つである。インターネット対戦に対応したPCゲームといえども、War3ほど簡単に対戦相手が見つかり、また上級者やプロゲーマーのリプレイが手に入るという素晴らしい環境が整っているゲームは他にほとんど例を見ない。さらに、素晴らしい完成度を誇るオフラインのキャンペーンシナリオやワールドエディターで作られた数多くのCustomGameなど、魅力溢れるゲームモードが多数存在する間口の広いゲームである。しかし、これだけ環境が整っていても、RTS特有の取っ付き難さからすぐに辞めてしまうプレイヤーも少なくない。この事実は残念でならないが、あまり遊ばずに辞めてしまったプレイヤーの多くは、RTSというジャンルそのものがはじめてであり、遊び方も解らないうちにBattleNetやCom戦でコテンパンにやられて諦めてしまうというケースが思いのほか多いらしい。確かに、右も左もわからないプレイヤーの傾向として、Team戦では味方に迷惑がかかるという理由からBattleNetでいきなりFree For AllやSoloからはじめることが多いのも事実であり、その行動の動機は十分に理解できるものの、ある程度遊んだ者から見れば些か無謀に写ってしまう。もちろんSoloやFFAからはじめても、ReplayやWebから情報を仕入れ、戦ったゲームから帰納的な学習を行うことにより腕を磨いてきたプレイヤーは過去たくさんいるのも事実である。しかし、すべてのプレイヤーにそれを求めるのは困難であり、また独学可能なプレイヤーも道標があるに越したことは無く、より短い時間でWar3の深淵の入り口へ到達することができることであろう。ここでは、これからWarcraftIII the Frozen ThroneでBattleNetを利用したインターネット対戦をはじめるプレイヤーのはじめの一歩を支援する目的で、Battle Netでも比較的遊びやすいゲームタイプであるRandomTeamLadder 3on3を教材とし、「楽しみながら勝つ」ことを目標としたプレイの手引きを行うものである。


・なぜRandomTeamLadder 3on3なのか

 BattleNetで戦いはじめたばかりのプレイヤーに最も必要なものは何かと考えた場合、プレイするゲームの数、優れた手本、シンプルかつ応用の利くオーダー、などいろいろ候補を挙げられるが、最も必要だと思われるのは「BattleNetでの勝利」である。はじめたばかりなのだから負けるのは当然であり簡単に勝てるのならば何の心配も必要ないのだが、負けつづけることはモチベーションの低下につながるため、はじめたばかりの実力でもそれに見合った勝利が得られるに越したことは無い。そして、その受け皿が十分にあるゲームタイプがRandom Team Ladderの3on3であり、このようなコンテンツの対象としてふさわしいと判断した。特に低レベルでのRTL 3on3では、発売から数ヶ月経った今でもはじめたばかりと思しきプレイヤーが相当数いるので、しっかりと基本さえできていれば自分の力で結果を勝ち取ることができる。また、ある程度運の要素があり、味方に恵まれればおのずと勝利が得られ、さらに優れたプレイヤーと同じ戦場で戦うことにより多くを学ぶことも可能である。無論、逆のパターンも多分に有り、自分がどれだけ活躍しても負けるときは負けてしまうのだが、それらの要素も含めて教材となり得る。技術的な側面としては、RTL3on3ではシビアなオーダーが要求されるわけではなく、序盤が多少ぎこちなくてもそれに漬け込まれる可能性が他のゲームタイプと比べて少ないことと、多種族構成が基本となっているので、自分が使っている種族以外のUnitも特性を大まかに確認することができるというメリットも挙げられる。さらに、他のTeam戦と比べると、2on2より個人にかかる負担が少なく、4on4ほど大味なゲームにならないという点も重視している。人によっては3on3も十分に大味であるという意見もよく耳にするが、はじめはある程度大雑把なゲームの方がゲームの流れを知る上では適しているように思える。そして、3on3が大味であると感じるようになったのならば、改めて他のゲームタイプに挑戦すれば良いわけであり、当コンテンツでもそれを推奨している。

・BattleNetへ出撃する前に

 BattleNetで対戦する為には最低限どれくらいの実力が必要なのかという疑問は、BNデビュー前のプレイヤーにとっては持って当然のことである。しかし、その問いに明確な答えはなく、Unitの動かし方や資源採掘の方法、生産のやり方が把握できたらすぐにでもBNで戦った方が良いとする意見もあれば、キャンペーンモードを一通り終わらせてからCustomGameモードでComを相手に戦って勝てるようになってからBNに出たほうが良いという意見もある。どちらの答えにももっともな理由があり結局はプレイヤー次第ということになるのだが、このコンテンツの最初の内容からはじめる場合に必要な事項は以下のようになっている。

1.使用する種族(Race)が決まっている
 当然ではあるが、自分が使う種族がきまっていないことには練習のしようが無いので、はじめは好み自分の好みで決めてしまうと良いだろう。全種族を軽く扱ってみて、相性がよさそうな種族を選択するのが妥当な判断ではあるが、種族の特徴としては以下のようになっている。

Human :バランスのとれたHeroと、高性能なキャスターと空軍が特徴。自由度も高く選択の幅が広いものの、やや操作が複雑で扱いが難しい。

Orc :全体的に防御よりも攻撃に偏っているのが特徴。序盤から陣地が比較的固くHeroもUnitも扱い易いが、裏を書かれると脆い一面もある。

NightElf :いずれのUnitも高性能で、他の種族とくらべると機動力が高い。扱いやすく戦闘力は高いものの、種族が全体的に耐久力が低い。

Undead :Heroの戦闘力が高く、テクニカルな種族。Unitに癖があり特徴を覚える必要があるが、ツボにはまれば高い戦闘力を発揮する。

 これらの寸評も感じ方は人それぞれなので、結局は自分でつかって試してみるのが一番である。また、一つの種族を集中して練習することと、いろいろな種族使って練習すること、どちらが正しいということは無いがメインで使用している種族以外の知識は必ず役に立ち、ステップアップするために必要となってくる。一つの種族にこだわりを持つのは良いことではあるが、いろいろな可能性を試してみることも重要である。しかし、はじめのうちは基本的な技術を固める為にも、種族を絞って練習する方が良い。

2. 使用予定種族のテクノロジーツリーとHeroスキルを覚えている
 任意のUnitがどこで生産できるか、また、その建物の建設条件は何かということを一通り覚えておきたい。はじめのうちは使うUnitも限られているのですべて覚えておく必要は無いが、いずれ勝手に覚えてしまうので、最低限自分で使う種族のUnitくらいはオフラインで一通り作ってみると良いだろう。その際には、Tier1〜3の段階ごとに生産可能になるUnitを覚えておくとあとあと混乱せずに済む。また、Heroのスキルに関しても、オフラインで一通り使ってみると良いだろう。なお、余力があればUnitや建物のコスト、アップグレードの対象Unit、Heroスキルの効果、威力、マナコスト、自分で使う種族のアイテムショップで売られているアイテムとその効果なども覚えておくと必ず益となるだろう。知識も実力のうちである。

3.リプレイを観る(保存する)方法がわかる
 War3では自分が戦ったゲームをリプレイとして保存し、後にリプレイモードで再現することができる。また、ダウンロードなどで手に入れたほかのプレイヤーのリプレイもWar3がインストールされているフォルダの中のReplayフォルダの中に保存することにより観ることができる。練習をするうえで、自分のプレイを見直すことや自分より巧いプレイヤーのリプレイを観て参考にすることはとても有意義なことである。なお、最後に行ったゲームのリプレイは、ReplayフォルダにLastReplayとして自動的に保存される。
 BattleNetで戦う為には、以上の3点に加えて「初期オーダーを1つ知っている」「黄色表示までのCreepingが被害を出さずにできる」という2点を習得しておきたいところである。ここまでできるようになると、少しの練習で1on1でEazyComならば撃破が可能になっていることだろう。

 次回の第一章では、BattleNetの簡単な説明等などを挟み、実践的な内容へと徐々に入っていきたい。興味をもった方は、最後までお付き合いしていただけると幸いである。


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