RandomTeamLadder 3on3からはじめる War3 TFT


 第四章 -コミュニケーションの重要性とchatの使い方-

 Team戦では、個人の技術が高くても、連携を伴わないものであると技術が生かせず、プラスの要素にならないケースが多いものである。Soloではさほど力の無い3人Teamでも、上手くオーダーが噛みあえばTeamの戦闘力は足し算以上のものになる。反面、いくら卓越した個人の戦闘能力を持っていても、同盟軍のことを何も考えず単独で戦闘を行うと、本来の力を出すことが出来ないどころか、Teamの脚を引っ張ってしまう。ましてや、戦い慣れないプレイヤーが単独行動に走ることは利敵行為と言われても仕方が無い。また、Teamの戦闘力を実力の足し算以上にするためには、互いの連携が必要不可欠となり、自軍だけではなく周りも気にしながら戦わなくてはならないので難易度が高く、それなりの経験も必要となってくる。しかし、最悪でもTeam内の戦闘力を実力の足し算以下にしないための努力であれば、2-3回の短いメッセージのやり取りでリスクを大幅に軽減することができる。特に周りを見る余裕の無いプレイヤーが事前に自分の方針を簡単に表明するだけで、同盟軍となったベテランプレイヤーは戦闘プランが立てやすくなるので非常に助かるものである。ここでは、まず味方の脚をひっぱらないためにも、また後の連携力を高めるためにも、最低限のコミュニケーション技術は簡単に身につけ、後に連携を取る最初の一歩について考えてゆきたい。


 Team戦とSoloを比較したとき、最も大きな違いの一つがコミュニケーション要素の有無である。Soloには当然の如く存在しない要素だが、Team戦においては勝負を分ける要素の中でもかなり大きなウェイトを占めているので、避けては通れない重要なものである。Team内でコミュニケーションを取る目的は、個人のオーダーを伝えることにより、各プレイヤーの方針とTeamの方針をすり合わせ共有すること。もう一つは、行動する意志をTeam内に明らかにすることの2点である。最低限のコミュニケーションでは、これらの事柄をゲーム内のChatとMiniMapのFlareで表現し伝えることと考えて良いだろう。


 コミュニケーションの基礎

 ゲーム内で同盟プレイヤーとコミュニケーションを取るにあたって、最低限の暗黙のルールは存在する。ここでは心得ておくと都合の良いルールを何点か挙げ解説したい。

・英語を使う
 何処のサーバーを使っていても、RTLで戦う時の標準語は英語である。Asiaサーバーでは一部2Byte文字を使う人もいるものの、日本語はまず通じない。英語と聞いて拒否反応を起こしてしまう人も中にはいるかもしれないが、ごく簡単な英単語の組み合わせと定型文をいくつか覚えておくだけで、ゲーム中に必要なコミュニケーションは取ることができるので心配する必要は全く無い。

・プレイヤーはAccountNameではなくPlayerColorで呼ぶ
 BNでは捨てアカウントやアカウントネームを名前と認識していないプレイヤーもたくさんいるので、アカウントで呼んでも誰のことだかわからないケースが多々あることから、RTLではプレイヤーが担当する色の名前で呼ぶのが一般的である。そのことから、色の英語名だけは覚えておかなくてはならない。
 RTLで使われる色は右の8種類である。一般的な呼び名は右列上から(紫:Purple 橙:Orange 黄:Yellow 緑:Green 左列上から 赤:Red 青:Blue 青緑:Teal 桃:Pink)となっている。気をつけたいのはPurpleとTealで、Purpleは「Purp」と略されることが多い。Tealは青緑色の「Teal Green」を略して、「Teal」とだけ呼ばれている。

・Flareを撃つときはメッセージ付きで、無言Flareは不用意に撃たない。
 意志を伝える手段として、ミニマップに撃つFlare(通称!)は優れたツールである。メッセージを打たなくても何を意図しているか察しがつくので、Team戦では一回のGame中に何度となく使うことになる。しかし一方で、Flareは状況や人によって様々な意味に受け取ることができてしまうので、誤解を生んでしまうこともしばしばある。さほど重要ではない局面で何気なくFlareを使うのはあまり歓迎されないので、基本的には控えた方が良い。しかし、余裕があるのならばFlareの後に短いメッセージを加えると、味方に意図や警告内容が誤解無く伝わるので、明確な意図があるのならばメッセージ付きのFlareは積極的に使ってゆきたいツールである。
 具体的な使い方としては、多色でCreepingをしたいときなど任意のCreep地点にFlareを撃った後に「Creep」と一言添えたり、相手の集合地点や侵攻ルートが偵察で看破できたときなどに、その地点にFlareを撃った後に「Enemy here」と付け加えるなどの使い方である。メッセージを添えないと、WarFogで見えない地点にFlareを撃っただけでは集合地点を提示しているのと誤解されて無防備に突っ込んでしまうケースもあるので、そういう人的ミスを未然に防ぐために有効な手段である。ゲーム中はTeam内で視界が共有されているとはいえ、戦場の一地点の変化を見逃してしまうのは仕方の無いことなので、確認のためにも、また情報の共有化を促す為にも、敵の情報については細かすぎない程度に報告や警告をすることはとても意義ある事である。ただし、メッセージを撃つ余裕が無いほど切羽詰まった状況では、Flareだけで済ませてしまっても問題は無い。そこまで切迫した状況ならば、Flareで示された地点の状況を観るだけで誤解のしようも無いからである。気をつけたいのはTPで戻る場合であり、人によってTPを使うか歩くかの判断が微妙な場合は、TPを使って戻るときの「TP」や、歩いてもどるときの「Walk」など、一言添えておきたいところである。


 具体的なコミュニケーションの取り方

 ここでは、最低限のコミュニケーションというのは具体的にどのタイミングでどんなことをすれば良いのかということについて考えてみたい。まず、最低限のコミュニケーションを取る意味は「自分の方向性を同盟軍に伝える」「行動する意図を明らかにする」という2点のみなので、メッセージも簡潔なもので十分だということを頭の片隅に置きながら、実際のゲームをイメージすると解りやすいのではないだろうか。

・開幕直後
 まずは挨拶から。返事の有無で無言プレイヤーを一次特定する。この時点で気の早いプレイヤーは自分のオーダーを申告してくることもある。なお、決まりごとというわけではないのだが、話を切り出すのは最もプレイヤーレベルの高い者が行うケースが多いので、自分が最上位だった場合には自分から切り出してみると良いだろう。 よく使われるメッセージとしては、「hi」 「What's up?(Sup?)」 などが挙げられる。

 次に、個人のオーダーと場合によってはTeamの方針をすり合わせる。多くの場合は全員がオーダーを申告すると自動的にRushかCreep then Counter(通称CC)か決まるものではあるが、初期Rushを仕掛けるときのみオーダー申告前に「Rush ok?」などの表現を使い了解を得る必要がある。オーダーの申告は、ほとんどの場合早いもの勝ちで、後から申告するプレイヤーが先に申告するプレイヤーにオーダーをあわせてゆくのが一般的である。Team戦のベテランは最後にTeamのバランスを調整して自分のオーダーを決めることが多いことから、まだTeam戦に自信が無いプレイヤーは自分の最も得意なオーダーを真っ先に申告してしまった方が好ましく、脚を引っ張る確率も低くなる。
 申告の方法は、初期に出すUnit+後に加えるUnitという形か、ひたすら特定のUnitを出す場合のMassオーダーかということが伝わるようにメッセージを打つことになる。例えばOrcで序盤からGruntを出し、徐々にDoctorを加えてゆくつもりの場合は「Grunt and Doctor」や「Grunt then Doctor」、NightElfでひたすらArcherを出す場合は「Mass Archer here」など、ごく簡単なメッセージを打てば意図は伝わるものである。
 Teamの方針は、長々と討論をする時間など無くChatで手短に決めてしまう必要があるので、基本的に「Plan?」などと聞かれた場合はRushを仕掛ける場合には「Rush」、それ以外の場合には「CC(Creep then Counter)」と、2択で答えれば良い。以前はこの手のメッセージ交換をよく行ったものだが、近頃はあまり使われていないようだ。


・戦闘指揮
 Flareを使ってTeam全体での行動を促すケースを指揮として考えると、主に使われる指示の内容は「Go」「Back」「Meet」の3つに絞られる。Goは攻勢に出るとき(反撃する場合は「Counter」と打つことも多い)、Backは退却するとき(緊急の場合はTPをつかって退却しろという意味を込めて「TP」とメッセージを打つ場合もある)MeetはFlareを打った地点に集合するときにそれぞれ使われる。この中でもっとも重要なのはMeetであり、集合地点と侵攻ルートをうまく設定できれば、戦術レベルで優位に立つことが出来る。また、いきなり敵陣にFlareを打ち込んでGoと指示を出すより、Meetを1回入れた方が足並みを揃えやすく、各個撃破されにくい。
 Backの指示は、判断が難しいこともあり、指示を出しても聞いてもらえる可能性はさほど高くない。明らかにまずい状況ならば、賢明なプレイヤーは指示が出る前にさっさと退却してしまうので、自分が退却したという意味も込めてメッセージを打つこともあるが、重要なのは接敵する前の退却の指示である。よほどまずい状況でも一度接敵してしまうと簡単には矛先を収めることができないことはいくらでもあるので、どうしても全軍で退かなくてはならない場合は何度でもBack!Back!とメッセージを打つしかない。素直に聞いてもらうためには、接敵する前に自分が下がってみせて、その際に「Back」と一言添えて、退却地点をFlareで示すのが効果的である。
 これらFlareを使った指揮は、闇雲に出しても同盟軍から受け入れてもらえるとは限らない。指揮を取るプレイヤーは、実体験からするとTeam内でレベルが最上位のプレイヤーに落ち着くことが多い。しかし、プレイヤーレベルとTeamGameの実力は必ずしも一致しているわけではないので、いくらレベルが最下位でも、誰も指示をださないのならば遠慮なくFlareを撃ってしまって良いだろう。しかし、指揮を取り、実際に指示を出す場合は、必ず同盟軍がどれくらいの戦力を動員できるか、進化はどの程度進んでいるかということを把握して、自分の都合だけで動かないことが鉄則である。そのあたりの状況判断は非常に難しく、正解と呼べるものは存在しないので、ある程度周りに目を配る余裕ができるまでは下手に指揮を取らず、他に指揮をとってくれるプレイヤーがいるのならば素直に従うのもTeamPlayと言えるだろう。
その場合に指示内容に納得できたのならば、「ok」とメッセージを打ち相手の指揮権を認め、指揮を取りやすい環境を整えると円滑なコミュニケーションの助けとなる。RTL3v3ではあまり賢明ではない指揮でも、バラバラに動くよりはマシであるケースが多いので、よほど酷い場合はしっかりと拒絶の意志を表す必要もあるが、それ以外は指示に従って動き、状況ごとに自分の考えうるベストな戦術操作を行うように心掛けたい。なお、どうしても拒絶しなければならないケースになりやすいのが、Map中立地帯の大物Creepingである。こればかりは背後から襲われると負けがほぼ確定するので、敵軍が近くにいないことが確認できていない場合は、しっかりと「no」と言わなくてはならない。


・まとめ
 RTLのチームは、その名の通りランダムに組まれたものであり、今後同じTeamで戦うことはまずありえないものである。それゆえに、チームワークやコミュニケーションを疎かにしてしまうプレイヤーも少なくない。確かにRTLの連携は、互いに高めあうというよりは、互いに邪魔をして脚を引っ張らないように調整する意味合いが強く、およそチームプレイとは言いがたいという意見も十分に理解できる。しかし、実際問題として複数人でTeamを構成している以上は、互いに協力して戦うことが前提であり、そもそもゲームタイプでRTLを選択している以上はTeamの構成員として戦う意志が多少の差があれ誰もが持っているのも事実である。それゆえに、自己を主張をしながらでも、相手にもその気があるのだから互いを尊重することは可能なのではないだろうか。そして、コミュニケーションを取ろうとする意志は、はごく短いメッセージを打つだけでも相手は感じ取ってくれるものである。RTLでは押し付けがましい連携は嫌われる傾向にあるのも事実ではあるが、上記のような最低限のコミュニケーションを行えば、相手にとって良き同盟者になれるものと考えている。RTLを戦う上では、常勝の指揮官を目指すよりも、まずはどんな組み合わせで一度限りのTeamであっても、互いにとって良き同盟者であろうとする姿勢こそがいちばん大切だと思う次第である。

 

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