Memo過去ログ03年03月

03/03/28
 UpKeep
今更という気がしないでもないが、内政的な要素があまり重要視されないないとはいえWar3の特徴であるUpKeepについて考えてみたい。発売されて間もないころはいろいろとUpkeepに関しての試行錯誤が行われていたものであるが、現在は特別に意識をするほどの要素ではなくなった印象がある。それは、UpKeepの扱いに関してはどの種族をつかっていても、ある程度共通の認識があるからだろう。基本的なスタンスとして、戦力が逓増状態にあるのならばNoUpkeepの維持にはこだわらないこと、金鉱が1つしか回って無い場合は勝負どころ以外ではLowUpkeepを維持すること、2つ以上の金鉱が回っているのならばLowUpKeepを基準としてHighUpkeepに入るタイミングを調節すること、が挙げられる。無論、オーダーやゲームの進行状況によってはUpKeepそのものを意識しないで戦うことも往々にしてあるが、Sup41〜45、71〜75の状態を長く続けるのは損が多いので回避するという程度の収入管理でも十分に効果があるのも事実である。やはりUpKeepによるGoldの支出を減らすことよりも、複数のGoldMineから同時にGoldを回収することによる収入増を図る方が良いという一般的な認識は間違っていないと思われるが、収入が増えたからこそ内政に力を入れることにより収入管理という行為に価値が出てくるという点にも注目したい。
  UpKeepによる具体的な収入の変化を表にすると、フル稼働した金鉱1つ当たりの収入は多少の誤差はあれど以下のようになる。

1分間あたりの収入 1分間あたりの天引き
NoUpKeep 600 0
LowUpKeep 420 180
HighUpKeep 240 360

種族によるフル稼働時採掘速度の違いはほとんど無いに等しく、その速度は1秒間に1回転である。UpKeep1ランクにつき1分間あたり180Goldを失うことになるのだが、多くのプレイヤーが感じているようにNoからLowに変わったくらいでは強烈な収入減を感じることは無く、実際の数字を見ても180Goldの消費であればCreepingをしているのならば相殺できる程度の金額である。しかし、HighUpKeepともなると1分間に失われるGoldは上級Unit1体分にも相当し、収入も強烈に下がる感覚がある。これらはあくまで金鉱一つだけからGoldを回収する場合であり、複数から回収する場合はたとえHighUpKeepでも収入的には金鉱1つでLowUpKeepの状態よりも多く入ってくるので失っているGoldには兎角無頓着になりがちである。Soloの場合では相手との収入の相対量がより問題になるので、単純に相手よりも多く金鉱を確保するか、相手の収入状況にあわせて生産施設を大目に建てることなどによって戦力のピークを作るような生産の工夫で差をつけるので、失うGoldの量そのものに対してはさほど意味が無い。それに比べると、Team戦での収入管理は相手との相対的な収入量も重要だが、それ以上に同盟内でのリソースの補完が重視される。例えば本陣を攻めたてられて生産施設を破壊されたような状況で膠着した場合などは、攻められているプレイヤーはNoUpKeepで資金は潤沢になるものの消費する手段が限られているので、ためこむのならば健在なプレイヤーに資金を渡してしまったほうが良い。また、そこまで極端な状況ではなくても、片方のプレイヤーにプレッシャーが集中して2ndが確保できない状況などでは、フリーのプレイヤーは素早くLowUpKeepの限界であるSup70近くまで生産を行った後、資金に余裕があっても簡単にHighUpKeepに移行するよりは凹んでいるプレイヤーに補填する方が有効に資源を使うことができる。特にATGにおいてはWoodも含めたリソースのシェアは必須と言っても良い技術であり、RTLの場合にも基本的には同じことが言えるのだが、ATGとくらべると不安が多いのは致し方の無いことなので、その場合にはScroll of HealingなどTeam全体に効果のあるItemで妥協するのも状況によってはかなり有効である。Soloをやっているとあまり気にならないのだが、Team戦ではたとえ少しのGoldでも積り積れば侮れない額になるので気をつけたいものである。
 

03/03/23
 輸送機エスケープ
主に対Undead戦で使うテクニックで、GhoulやSkeletonなどに囲まれて身動きがとれないUnitをGoblinZeppelinに乗せて離脱させる技がある。LostTempleやTranquilPathsなどGoblinLaboで買い物がしやすいMapだと稀に使われることがあるが、ただでさえ忙しい戦闘中の作業にZeppelinまで操作に加わると混乱してしまうケースやZeppelinを対空Unitで撃墜されるともあり、なかなか安定した運用が難しい高等技術の1つである。しかし、確実に使えるようになると不本意なTPの使用を大幅に押さえることができるので、使ってみる価値はあるように思える。とはいえ、自身が何度か使ってみた時は輸送機に乗せるどころかZeppelinがCreepに引っかかって落とされる始末であり、およそ安定して使うには程遠い道のりに思えたものではあるが、Undead vs Undeadの場合のみLichに対してFNのCoolDownを安全に凌ぐためにワンポイントで使ってみると案外うまく使えた印象がある。もっとも、囲まれる前にZeppelinに乗せるという消極的な運用方法なので囲まれてから逃がす技とは根本的に違うと言えなくも無いが、MassGhoul-DK&DLのUndにはZeppelinを使うというオプションも一つの手として頭の片隅にあっても良いかもしれない。また、そうでなくても
LostTempleやTranquilPathsはZeppelinを使うことによりCreepingや資金確保が可能なので、資金に余裕があるのならば買っておくのが基本のように思われる。War3ではDrop系の戦術が強力というわけではないのでZeppelinはやや影の薄い印象があるものの小道具としては一級品であり、まだまだこれから使い方の応用が出てくる可能性もあるのではなかろうか。

03/03/20
 βバブルの終焉
ここのところは3月初頭のβブームに一段落がつき、RoCの復権も間近という気運である。海外のサイトではリプレイが以前のようにアップされ、逆にβの情報サイトは一時期の混乱からだいぶ落ち着きを取り戻してきた印象を受ける。今後はβの新ver.が発表されれば一時的にβが盛り上がると思われるが、以前のようにRoCが霞むほどの熱狂になることは無いだろうとの意見が有力である。この傾向は芳しいものであり、最近やや下火とはいえまだまだRoCのリプレイは需要があることから少なくとも当面の間はプレイ人口問題をあまり気にしなくてよさそうだ。日本語版プレイヤーのBNデビューの話やCapcom主催のイベントなども今になって活発になってきたこともあり、日本のWar3はこれからが勝負とも思えなくもない。また、主観的な意見ではあるが米軍のイラク攻撃が近いせいかWestでは奇声を上げたり罵倒をしたりFlareをやかましいほど鳴らしたりと、妙な盛り上がりをみせるプレイヤーが増えているようだ。また隣国の韓国ではPCゲームの売上で往年の名作であるStarCraftが1位に返り咲き、BNのスタクラ人口がにわかに増えているとの話もある。War3に限らずRTSのプレイスタイルには性格が出るという妙な見解もあるが、今回に限らず国民性を感じることも往々にしてあり、あながち法螺話というわけでもなさそうである。

03/03/15
 Defense of the Ancients
今更という気もするが、CustomGameのDotA ver.2.4が面白い。基本的なルールはAoSなどと同系列のものだが、NightElfvsUndeadという構図とこっそり配置されたCreepやショップ、死んでも一定時間で自動復活(資金にペナルティ有)ができる点、そしてなによりゲームバランスの妙が人気の秘訣だろう。ややUndead側が有利なようにも思えるがあまり気にならない程度のものであり、ちょっとした気分転換のために遊ぶCustomGameとしては秀逸なゲームである。特にそれを感じるのはプレイ時間が変に長くならないような工夫がされている点で、Heroのレベルが上がっても手がつけられないほど強力になるという展開がほとんど無く、本陣も適度な固さで遅延行為に徹することができないので終わるときもあっさりしている。また、チーム内の連携が勝敗を分ける大きな要素となっているので、一人でもバランスを取るプレイヤーがチーム内にいるだけで戦いやすさが全く違ってくるのが興味深い。Ladderや通常のゲームに飽きてきたら一度遊んでみることをオススメしたいCustomGameである。個人的には前衛よりも後衛タイプのHeroで援護をするのが好みであり、Nelf側だとSorceressでテレポートをつかった戦線補強、Undead側だとLichの骨出し>骨喰いの永久機関作戦&Wyrm召還狙いの戦い方を主に使用しているのだが、Aboや巨大トカゲ、Taurenなどで何も考えずに突撃するスタイルもたまにやると爽快な気分になれる。

03/03/14
 パンダの衣装
FTでニュートラルHeroとして登場する予定だったパンダ侍が、突然のデザイン変更となった。槍&酒樽装備はそのままに、侍姿から功夫スーツ着用の中華風となりよりジャイアントパンダらしくなったと言える。なぜこのような変更になったのかは定かではないが、噂によるとBlizzard社は「パンダの中国と侍の日本の区別もつかない=アジアを軽視している」という誤解を避けるためだと言われている。また一方では、侍だとBladeMasterとキャラクターがかぶるので、酔拳使いという設定をより明確にするための衣装変更であるとの話もあるが、事実関係は定かではなく実際のところはかなりどうでも良いというのが大方の見解のようだ。しかし、Blizzard社がパンダ侍を隠しマスコットとして使用しているのは良く知られているところであるのにもかかわらず、ここでデザイン変更を行う背景には何かしらの理由があって然るべきだとも思われるが、重要なのはパンダがどんな衣装を着ているかということではなくゲームバランスと拡張版の発売日なので、くれぐれもパンダの衣装で揉めて発売日が延期などという事態が起こらぬことを願うばかりである。現状では開発が順調に進んでいるとの事なので、是非とも現段階での予定である6月中の発売を達成してほしいものだ。

03/03/11
 βの影響
War3FTのβテストが始まってからと言うもの、海外のサイトにアップされるリプレイの数が極端なまでに減ってしまった。個人的にはβテストの段階でPlayすると何事に対しても「βだから」という理由で緊張感が失われ、基本方針である真剣に遊ぶという行為ができないのであえて避けているものの、本日のβテスター追加の発表で大幅に周囲のβテスター率が上がったことからますますRoCは肩身の狭い思いをするかもしれない。Blizzardの公式サイトにも追加Unitの詳細ページがアップされますますFTに追い風な今日この頃ではあるが、せめてFTの発売日が正式決定するまではRoCメインのサイト作りを心がけたいものである。

03/03/07
 Workerの戦闘力比較
昨日、Acolyteの延命作業についていろいろと討論をしていたところWorker(Millitiaは含まず)の中で最強はAcolyteであるという意見を耳にしたので簡単に検証を試みた。方法は至って単純に通常タイルでWorker同士を戦わせその結果をもって評価を下すだけであり、以下にその結果を示す。

仮説:Acolyteは通常タイルでPeon,Peasantよりも強い。

実験方法:以下の図のように、芝生タイルで日中に10体ずつのWorkerがそれぞれ1v1を行い勝敗を決する。

  > 
     (図.1 Peon vs Acolyteの壮絶バトル)                  (図.2 結果は引き分け)

                                 勝敗表            

  Acolyte Peon Peasant 結果
Acolyte - △5-5 ○8-2 ○1△1
Peon △5-5 - ○7-3 ○1△1
Peasant ×2-8 ×3-7 - ×2

以上の結果から仮説は棄却された。しかし、今回の結果ではAcolyteとPeonは引き分けになったものの、その後何回か試してみたところややAcolyteの方が強いという結果も出た。とはいえ、Peasantを含めてほぼ互角と考えてよい程度の誤差と言え、腐土の上で戦った場合は明らかにAcolyteが強いのだがそれでもMillitiaより弱い程度なので気にするほどのデータではないと言うのが結論である。WorkerバトルのチャンピオンであるAcolyteですらFSの犬っころに小突きまわされて逃げ惑う程度の戦闘力しかないのだから当然の帰結と言えるが、個人的にはもうちょっと強くても良いような気もしている。少なくとも建設途中のTowerくらいなら囲んで殴れば壊せるくらいの攻撃力があってもバチはあたらないと思われるが、拡張版でもWorkerの戦闘力が高くなるという話はいまのところ聞いたことがない。グラフィック的にはMillitiaとPeonはピッケルでひっぱたいているのにもかかわらずAcolyteのチョーパンより攻撃力が低いと言うのが怪訝ではあるが、実際のゲームではそのピッケルはもっぱらWoodに対して振るわれるものでありどのような理由かわからないが殺傷力は低めの道具になっているのかもしれない。なににせよ、最も劣悪な環境で働いているAcolyteが他のWorkerより強いのは納得だが、せめて拡張版の蜘蛛のように地面に潜る特技なり身を隠す場所がほしいところである。

03/03/06
 蜘蛛Wyrm
以前取り上げたUndeadのMass蜘蛛オーダーの派生として、蜘蛛からFrostWyrmに繋ぐオーダーを最近はよく見かけるようになった。蜘蛛とWyrmは同じアップブレード系列でありその点からみると蜘蛛からWyrmに繋ぐのは自然な流れにも思えるが、FrostWyrmはWar3の中でSup消費が最大の7に設定されている唯一の通常Unitであり、戦闘力は低くないものの各種付与魔法に弱く、Undeadの解呪能力の低さも重なってあまり使い勝手のよいUnitとは言えない部分がある。しかし、こと対Orcに関しては相手にも強力な付与魔法が無い上に突出した対空能力をもつUnitがいないこともあり、Wyrmの数がそろうとUndeadには珍しく手堅い勝負ができる点が評価されているようだ。また、Wyrmの補助として使うGargoyleも同じアップブレード系列なので投入しやすく、空対空には抜群の強さを発揮することから相手のオーダーによっては蜘蛛>Gargo>Wyrmと効率よく繋ぐことができる汎用性もあり、対Orcに限って言えばはなかなかよいオーダーに思える。ただし弱点もかなりのものであり、Ghoulに比べて出足が遅い点や要のDKが封殺されると大幅に戦力が下がる点などは蜘蛛オーダーと同じだが、Wyrmに繋ぐ場合には目一杯の速度でCreepingを行いGoldを稼ぐ必要があり、相手のDocやWyvernが揃ってからUndeadのWyrmの数がそろうまでのタイムラグはオーダーを工夫してもかならず生まれるのが最大の弱点である。その時間帯をいかに捌き、相手の攻撃を潰すかというのがこのオーダーの生命線といえるだろう。実際に何度か試したところ、明らかにネタが割れていると思われる相手にはTaurenDoctorで本陣をあっさり潰されあえなく撃沈したのだが、それ以外はほどほど悪くない感触ではあった。とはいえ、個人的な技術不足は否めず、Wyrmの数がそろって戦える体制が整った状態でも野戦では一度も勝てなかった。3Hero-Ghoul&Gargoで戦う場合には少なくとも序盤で一時的なアドバンテージがあるのだが、蜘蛛オーダー系は戦力のピークが終盤にもつれこみチャンスらしいチャンスもなく押し切られてしまう可能性があることと、根本的な技術難易度の高さから積極的に狙うには現状では難しいように思える。この戦法はUndead職人がOrcと戦うことのみに絞って作り上げたものであり、簡単には真似できない要素が詰まっている。一般向けとは言えないものの、戦いの幅を広げるWyrmの運用はいろいろと応用できそうだ。

03/03/03
 エキスパンションβテスト開始
今日からWar3の拡張版βテストが始まったようである。War3のゲームデータを参照できるページの中にUS-WestとAsiaに新設されたβテストサーバーの項目が追加され、早くも対戦が行われている。海外のフォーラムではかなりの盛り上がりが見られスクリーンショットもどんどんアップされているのだが、全体的にNightElfとUndeadの画像が多く、HumanとOrcに関してはあまり情報を見かけない。特にOrcはHumanと比べても情報量が少なく、白いTaurenや蝙蝠ライダーなどがいるらしいのだが詳細はいまだ闇の中である。拡張版ではいろいろと新しい要素が追加されるらしいのだが個人的に最も注目しているのはアーマータイプとアタックタイプが増える点で、用途の差別化が明確になるのではないかと思われる。特に現状ではCaster偏重の傾向があり前衛Unitはやや不遇とも思えるバランスになっているが、その点は特に重点的な見直しの対象となっているらしいので期待は高まるばかりである。しかし、最大の驚きはBlizzard社が当初予定していた計画どおりに開発が進んでいることではないだろうか。確かに拡張版を出すことを前提としたゲーム作りをするのが彼らの方針としてはじめからあったことが大きいとは思われるが、予定どおり3月初旬のβテスト開始となると、本当に本年度6月中に発売される可能性も現実性を帯びてきた。ゲームの内容はもちろんのこと、発売日にも予定どおりという嬉しい誤算があるかもしれない。

back index