|
Zarg基礎戦略構想
Zargという種族の長所を考える上で軸になる3つの要素があります。それは、 「運用速度」 「生産」 「偵察力」 です。これらは戦略を構成する三要素と全く同じであり、Zargは3種族のなかで、最も用兵的に王道を 行く種族といってもよいでしょう。しかし、Unitの戦闘力において、多種族とくらべるとやや見劣りし、 基本的に互角の条件では劣勢になるということをまずは押さえておきたいところです。 Zargを巧く使うためには、細かな戦術戦闘よりも大局的な戦略的優位が重要であり、そのためには 基礎の三要素をすべて高いレベルで維持しなくてはなりません。ここでは、実戦に則した具体的な 局面を、どのような狙いをもって戦うかということを考えていきたいと思います。
1.運用速度の重要性 Zargの基本戦術は、ゲリラを仕掛けて敵の戦力分散を図り、主戦において集中した戦力の数で 圧倒することにあります。それを支えているのが運用スピードであり、まさにZargの生命線と言える でしょう。それが実感できるのは、たとえばvsPの序盤を考えてみてください。Zealotが本陣から 離れてしまうと、ZarglingでProbeを狩り放題になってしまうので、Pはある程度の戦力を本陣に 残さないといけません。仮に、ある程度の戦力を残して前線にZealotを出してきたのであれば、 Pは戦力の分散を行なうことになり、前線に出ているZealotをZargは全軍で攻撃すば非常に 負けがたく、Pは迂闊に動くことができなくなります。つまり、常に相手の本陣を狙うように見せる ことができれば、敵は前線に全軍を投入することが難しくるということです。その隙に、2ndを 確保して、資源的に優位に立つことができれば理想的であり、2ndを守るという点においてもその 運用速度が生きてきます。戦線が広域になればなるほど機動力が生きてきますので、 戦力に勝っているときは、どんどん戦線を拡大していくと、ますます長所が生きることになります。 戦線を拡大させる一番簡単な方法は、新しい資源にどんどんHatを建ててしまうことです。 敵としてはつぶさないわけにはいきませんが、Zargは4thくらいまで確保していれば1つくらい つぶされてもあまり痛くないので、敵の資源や、思いきって本陣をねらってみるのも良いですし、 狙う素振りを見せるだけでも敵に攻勢に出ることを躊躇させることができます。 注意点としては、敵が全軍で攻めてきたときに敵の本陣を確実に攻められるかということです。 これが失敗すると、逆にZargが兵力の分散を行なうことになり、目も当てられない事態になります。 また、敵の分散した各個の兵力がZargの全兵力より強くなってしまう事態などはどうしても避けたい ところです。Zargは中盤に核となるべきUnitの存在が無く、序盤で優位にたっていないと、 分散した兵力にすら勝てないことがよくあります。序盤で優位に立てなかったときは、多少無理を してでも戦力の充実優先させたり、思いきって進化を急ぐことなどでも対抗することはできますが、 やはり、一番確実なのは運用速度を生かして敵の資源を絶つことでしょう。この場合、相打ちは ほぼ負けと考えて、なるべくなら敵を引き返させるような作戦の方が好ましいので、わざと敵に 進軍をみせつけたりするのも有効な手段です。 巧いZarg使いを敵の視点からみると、実際よりも兵力を多く感じることはよくあります。それは 高速運用による錯覚なのですが、そうと感じさせるくらいのプレッシャーが敵にかかっている ことを考えると、運用がいかに重要な要因であるか解っていただけると思います。
図1.Zlotが留守のProtossを襲う犬。Pはこれが怖くて序盤は前線には出てこられないことがある。
2.生産のアドバンテージ Zargの生産の優れている点は、資源さえあればどんなUnitでも量産することが可能なところです。 特に、新しい資源を確保したときに、一気に農民を生産して資源を回すことができるところや、 ほかの種族にはなかなか難しいAirUnitの素早い量産などできることなどは明らかに優れていますが、 一番のメリットは、極端に戦闘力がピーキーな状態をどのタイミングでも作れるということです。 有名なところでは即犬(4Pool)オーダーなどが良い例で、一時的にならば相対的な戦力差を 一気にひろげることができます。もちろん、一時的に戦力のピークを作ったあとにはそれなりの 副作用があり、失敗すると逆に戦力差をつけられてしまう結果にもなりますが、そういうこともできる というだけでも、相手はプレッシャーがかかるので、相手の極端な進化などの抑止力になることも あります。 Zargの生産はつまるところTPとくらべて自由度が高いという点そのものが最大のメリットでしょう。 それを生かすためには優れたオーダーと生産計画が必要不可欠です。
図2.即2ndによるMutalisk量産。短時間にAirUnitを量産できるのもZargならでは
3.偵察による視界の広さ ZargはSupplyMaxを増やすためにOverLord(以下OL)を生産しますが、OLは生態AirUnitで あり、ノーマルの状態でクローク看破もできる優れたUnitです。移動速度はノーマルのままでは かなり遅い部類に入りますが、LairでUPすることもできて、輸送機にもなります。それがゲーム 開始から1匹いるのですから、序盤に対空攻撃力を持たないProtossやZargは本陣をそのまま 覗くことができます(Zarg同士はお互い覗きあうことになります)。しかもZarglingの数とコストを 生かした偵察やBurrowを絡めた重要地点の見張りなど、とにかく視界を広く取ることができ、 そのアドバンテージは大きなものです。Protossなどは序盤に奇襲を仕掛けること自体が 難しく、TerranはComsatがあるものの、重要地点の見張りはあまり得意ではありません。 Zargは終盤でもScourgeをつかった強行偵察やQueenのパラサイトなど、多彩な偵察手段 を持っていますので、偵察を行なうつもりであれば、いくらでも可能であるといっても良いでしょう。 ただし、弱点として、クロークを看破できるUnitがOLしかいないので、制空権を取られている とき、敵にクロークUnitがいるとOLを護衛しながらの行軍を強いられ、OLのSpeedがあがって ない場合などは、行軍そのものが難しくなってしまう場合があります。あらかじめ敵のオーダー を予想して、クロークの気配があるときはもちろん、その気が無いときでもOLのSpeedは 余裕があるうちにあげてしまうと良いでしょう。そうすることによりOLの生存率や偵察力自体が 向上し、場合によってはOLをつかっての強行偵察なども可能です。
図3.Zargのミニマップ。Zargはこんなに見えている
4.まとめ Zargの基本はとにかく「ゲリラで散らして各個撃破」であり、そのために必要な機動力と偵察力は 十分に備わっています。逆にいえば、TやPは戦略的な劣勢も時として戦闘力にものをいわせて ひっくり返すだけの戦術的なアドバンテージがあるのに対して、Zargは戦略的な失策が即死に つながるといってもいいくらいが大きなウェイトがかかっているということです。 数で圧倒している局面を作り出すこと、2ndを相手にとらぜずに自分だけ確保すること、 視界を広くとって奇襲を未然に防止することを心がけ、敵に全面攻勢にでる機会を与えないまま 資源切れに持ちこむことがZargのゲームメイクの基本です。
|